地方公務員部会が、全人連より要請の回答を受領(8/18)
公務労協地方公務員部会は、人事院勧告・報告後、各人事委員会が勧告作業に取りかかることを受け、8月8日に全国人事委員会連合会に対して「2022年給与勧告等に関する要請」を行った。
働き方改革、定年引上げなど大きな課題が山積するなか、各自治体職場においては、新型コロナウイルス感染症への対応をはじめ、公務・公共サービスに従事する労働者として精力的に職務を遂行していること、引き続くコロナ禍において、職員が国民・住民の期待に応え、より質の高い公務・公共サービスを確実に提供していくためには、職員の雇用の安定と賃金・労働条件の改善・確保が不可欠であることを指摘し、今後、各人事委員会が勧告作業に取りかかることから、専門機関としての機能を発揮するとともに、地方公務員が置かれている現状を十分踏まえ、各要請事項((別紙1)参照)の実現に最大限の努力を払うよう要請した。
新型コロナウイルス感染症の拡大状況を鑑み、今年度も、要請書の送付という形で行った。8月8日に要請書(別紙1)を送付し、8月18日に、全人連からの回答(別紙2)を受領した。
(別紙1)
2022年8月9日
全国人事委員会連合会
会 長 青 山 佾 様
公務公共サービス労働組合協議会
地方公務員部会議長 二階堂 健男
(公印省略)
2022年給与勧告等に関する要請書
各人事委員会の地方公務員の給与・労働条件の改善に向けたご努力に敬意を表します。
さて、地方公務員をとりまく環境は年々厳しさを増し、働き方改革、定年引上げなど大きな課題が山積するなか、各自治体職場においては、新型コロナウイルス感染症への対応をはじめ、公務・公共サービスに従事する労働者として精力的に職務を遂行しています。引き続くコロナ禍において、職員が国民・住民の期待に応え、より質の高い公務・公共サービスを確実に提供していくためには、職員の雇用の安定と賃金・労働条件の改善・確保が不可欠です。
人事院は、8月8日、政府と国会に対して 2022年の官民較差に基づく国家公務員の給与等に関わる勧告を行いました。各人事委員会では、2022年の月例給および一時金に関する報告・勧告に向けた作業が本格的に進められているものと承知しています。
職員の士気を確保し、良質な公務・公共サービスを提供していくためにも、専門機関としての機能を発揮いただくとともに、地方公務員が置かれている現状を十分踏まえ、下記事項の実現に最大限の努力を払われますよう要請します。
記
1.民間賃金実態に基づき、公民較差を精確に把握するとともに、勧告にあたっては給料表の改善を中心に公民較差を解消すること。
(1)月例給については、引上げ勧告を行うこと。とくに、初任給を中心とする若年層における民間賃金との格差を踏まえること。
(2)一時金については、精確な民間実態の把握と公民比較を行い、支給月数を引き上げること。
2.諸手当の改定については、地域の実情及び職員の職務や生活実態を踏まえ、組合との十分な交渉・協議に基づき進めること。
3.各人事委員会の勧告に向けた調査や作業にあたっては、組合との交渉・協議、合意に基づき進めること。
4.会計年度任用職員をはじめとする臨時・非常勤職員の任用や待遇、休暇制度について、働き方改革の推進と常勤職員との権衡をはかる観点から、人事委員会として改善に向けて必要な措置をはかること。
5.公立学校教員の賃金に関わり、引き続き、各人事委員会が参考としうるモデル給料表を作成・提示すること。また、作成にあたっては、関係労働組合との交渉・協議、合意に基づき進めること。
6.公務における働き方改革を着実に推進するため、厳格な勤務時間管理をはじめ、長時間労働の是正、ワーク・ライフ・バランスの実現に資する施策の構築など、人事委員会として必要な対応をはかること。とくに、人事院における国家公務員への対応等を参考として、「他律的業務」や「特例業務」における上限時間を超えて時間外勤務を命じた場合の要因の整理・分析・検証を行うとともに、必要な改善措置等の指導を任命権者に対して行うこと。
7.実効性のあるハラスメント防止策を引き続き推進するため、積極的な対応を行うこと。とくに、パワー・ハラスメント対策について、人事院における国家公務員への対応等を参考として、人事委員会として主体的な対応を行うこと。
8.各種休暇制度を新設・拡充し、総合的な休暇・休業制度を確立すること。
9.公務職場における男女平等の実現を人事行政の重要課題と位置づけ、必要な施策の確立をはかること。
10.定年引上げに係る人事委員会規則の改正については、組合との十分な交渉・協議、合意に基づき進めること。
以 上
(別紙2)
令和4年8月18日
要請に対する全人連会長回答
8月8日の要請につきましては、早速、全国の人事委員会にお伝えしたところです。
去る8月8日、 人事院勧告が行われました。
本年の官民較差は、民間における賃金の引上げを図る動きを反映して、民間給与が公務員給与を額にして921円、率にして0.23%上回っており、この較差を埋めるため、初任給及び若年層について俸給月額を引き上げることとされております。
特別給につきましても、民間が公務を上回ったことから、支給月数を0.10月分引き上げることとし、引上げ分は勤勉手当に配分することとされております。
このほか、公務員人事管理に関する報告では、人材の確保、人材の育成と能力・実績に基づく人事管理の推進、勤務環境の整備などについてなどについて意見が述べられております。
国家公務員と地方公務員の立場の違いはありつつも、人事院の勧告は、各人事委員会が勧告作業を行う上で、参考となるものであることから、その内容については、十分に吟味する必要があると考えております。
今後、各人事委員会は、皆様からの要請の趣旨も考慮しながら、それぞれの実情等を勘案し、主体性をもって対処していくことになるものと考えております。
改めて申すまでもありませんが、各人事委員会においては本年も、中立かつ公正な人事行政の専門機関として、その使命を果たしていくものと考えております。
全人連といたしましても、各人事委員会の主体的な取組を支援するとともに、人事院、各人事委員会との意見交換に十分努めていきたいと考えております。
全国人事委員会連合会
会長 青山 佾