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2024年度 公務労協情報 No. 11

2024年公共サービスキャンペーン開始中央集会を開催-2/16

 公務労協は16日13時30分から、連合会館2階大会議室で「2024春季生活闘争・2024年公共サービスキャンペーン開始中央集会」を開催した。また、集会はYouTubeによるライブ配信も同時に実施した。
 この集会は、①新型コロナウイルス感染症対策に関する財政措置により一層財政窮迫が深刻化したもと、賃金改善等を課題とする「2024春季生活闘争」の推進にあたっての基本的な立場の意志一致に資する、②防衛費増額や異次元の少子化政策のための財源として、増税や社会保険料への上乗せが検討されている現状を踏まえ、これらの課題が公共サービスに与えうる影響をはじめ、公務・公共サービスを支える財源のあり方について改めて考えることを通じ、その重要性と普遍性を広く社会的に喚起することを目的に開催した。
 集会冒頭、主催者を代表して石上公務労協議長は「まず初めに触れなければならないのは、今年の1月1日、石川県能登地方を中心に発生した地震の関係である。2月13日現在で241人の方がお亡くなりになるという状況であり、お亡くなりになられた方々に、慎んで哀悼の意を表するとともに、被災された皆様全てに心からお見舞いを申し上げたい。現地でいまだに多くの方が避難所での生活を余儀なくされている。しかしながら、多くの地域で災害ボランティアの受け入れもできないという状況が続いており、避難が長期化することへの懸念も大きくなっている。引き続き被災者の救援とライフラインの復旧に向けて全力を挙げるとともに、雇用の維持確保など住民の不安解消に向けて国を挙げた取り組みが求められている。私も先日、現地に入り、知事にもお会いして要請をしてきた。我々の基本的な要請は、なかなか皆さんが触れていただけない、現地の自治体職員や被災地に救援に入っている消防職員、警察、自衛隊、国家公務員、地方公務員、多くの公共サービスに関わる労働者など、この災害対応をしている人たちをしっかり支えてほしいというお願いをしてきた。今後とも必要に応じて、政府などに対しての要請も続けていく。公務労協は、2004年に良い社会をつくる公共サービスキャンペーンを提起し、新自由主義、市場万能主義に対する対抗軸として活動をスタートした。この間2009年に制定された公共サービス基本法に基づき、東日本大震災の復興・創生や新型コロナウイルス感染症をはじめとする危機への対応に関わって、被災地域との意見交換、実態調査、それに基づく政府要請などを実施してきた。一方で、近年頻発する大規模自然災害や感染症への対応を通じて、公務公共サービスの重要性について広く国民から認識されてきているとはいえ、公務公共サービスと財源・財政問題という観点はいつも切り離せない。本年は、防衛費増額や異次元の少子化対策のための財源として増税や社会保険料への上乗せが検討されている現状を踏まえて、これらの課題が公共サービスに与える影響をはじめ、公務公共サービスを支える財源の在り方について改めて考える機会としてキャンペーンを展開していく。」とあいさつした。

 挨拶に続き、関東学院大学経済学部経済学科島澤諭教授から「公務員制度改革が全国・地域経済に与えた影響について」と題し、公務員賃金の低迷の状況、経済循環における政府の役割、人口減少が地方経済に与える影響等について講演を受けた。

 その後、「日本の財政問題が公共サービスに与える影響とは?~より質の高い公共サービスを提供するために~」というテーマで島澤教授と村上彰一政策・制度専門委員会委員長(全水道書記長)と荘司真佐人政策・制度専門委員会副委員長(国公連合書記長)が登壇し対談形式で意見交換を行った。対談では財政問題をクリアしながらいかに人員を確保していくか、日本の財政課題の解決に向けた施策について等、多岐にわたる課題をとりあげた。

 次に、森永事務局長が、「本日の公共サービスキャンペーン開始中央集会はキックオフの集会であり、日本の財政問題から目を逸らすことなくキャンペーンを展開していく。労働基本権の確立について、2月9日に専門家委員会から出された報告書で日本案件(87号条約等)に関して指摘がなされている。本年6月のILO総会で再度の個別審査の実現に向けて連合と連携して取組を強化する。賃金・労働条件について、公務労協としても中央・地方で連合春闘を支援し、民間産別の取り組みをしっかりと支えていかなくてはならない。そして今年の大きな課題に『社会と公務の変化に応じた給与制度の整備について』がある。様々に利害が生じる見直しも含まれており、人勧期に向け人事院には十分な協議を求めていくが、春季生活闘争における各級クラス交渉を積み上げ、情報共有と意思統一を図っていく」との基調提起を行った。
 最後に石上議長の団結がんばろうで中央集会を締めくくった。