TOP 公務労協情報 2024人勧期団体署名・職場決議の提出に伴う
ブロック別申入れ行動を実施-7/11・7/17・7/23
公務公共サービス労働組合協議会 公務員連絡会
2024年度 公務労協情報 No. 25

2024人勧期団体署名・職場決議の提出に伴う
ブロック別申入れ行動を実施-7/11・7/17・7/23

 公務員連絡会は人事院に対し、本年の勧告を前に、①「2024年の給与改定勧告にあたっては、全職員に対する月例給・一時金の引上げ勧告を行うこと」②「『社会と公務の変化に応じた給与制度の整備』について、職員各層から理解を得られ、その意欲を引き出すものとすること」③「非常勤職員について、月例給・一時金の支給額や改定時期に関する常勤職員との権衝の確保や、無給休暇の有給化等を図ること」を主な要求内容として、団体署名・職場決議の提出行動およびブロック別申入れ行動を行った。
 団体署名と職場決議については、5月末から7月5日にかけて実施し、最終的には団体署名4,259筆、職場決議8,519組織分を集約した。
 また、ブロック別申入れ行動は、全国を3ブロックに分け、Aブロック(北海道・東北・関東)は7月11日、Bブロック(北陸・東海・近畿)は7月17日、Cブロック(中国・四国・九州)は7月23日にそれぞれ実施した。

 申入れでは冒頭、連絡会副事務局長から、早乙女職員団体審議官付参事官に対し、団体署名および職場決議の集約数の報告と申入れ行動の趣旨説明等が行われ、その後、各ブロックの構成組織の代表者がそれぞれの地域や職場における課題や問題点、要望などを人事院へ直接訴えた。

1.Aブロック(北海道・東北・関東)の申入れ概要
 構成組織の代表者から次のような発言があった。

「国有林野事業の現場業務では、蜂刺され、ダニ刺咬による感染症、熊出没、林内での滑落など、危険で不快な環境で業務を行っている。そのため、特殊勤務手当(山上等作業手当)の支給要件の見直しと適用業務の拡大を強く求める」(林野労組)

「昨年の人事院勧告による中高年層の給与引き上げが不十分なため、全世代の給与引き上げを強く求める。また、地域手当の大くくり化で現在の支給地が非支給地となる懸念があるため、対象都市や率の再検討を求める」(全水道)

「『社会と公務の変化に応じた給与制度の整備』により、地域手当や扶養手当が地方で働く公務労働者に大きな影響を与える可能性がある。民間賃金や手当を参考にしながらも、若年層の公務職場離れを防ぐためには、民間とは違う魅力的な賃金と労働条件を提示することが重要である」(全農林)

「物価上昇に伴い、全職員への賃上げを求める。また、地域手当の見直し後も大規模空港区域の特例支給を継続していただきたい。仙台塩釜港では、塩竈市の職員が地域手当なしとなっている一方で、仙台市の職員が6%受け取っており、同一港内での不公平がある。仙台空港でも、名取市が3%なのに対し、岩沼市は支給対象外である。これらの不公平を解消するよう見直しを求める。また、新幹線通勤に伴い、特別料金の増額や通勤手当の上限拡大を求める」(税関労組)

 これらの発言に対し、早乙女参事官は次のとおり回答した。

「林野労組から要請のあった山上等作業手当については、毎年強いご要望をいただいていることは承知している。特殊勤務手当については、社会情勢の変化や業務の実態等を踏まえ適切に対処していきたいと考えている。本日も強いご要望があったことは担当に伝えたい。
全水道からは、全世代の給与引き上げと地域手当についてご要望いただいた。
まず、給与引き上げについてであるが、ご要望として受けとめさせていただく。今年の民間給与実態調査については、当初の予定どおり4月22日から6月14日までの期間で実施したところであり、現在集計中である。人事院としては、労働基本権制約の代償機関としての責務を果たすよう、必要な勧告を適切に行ってまいりたい。
次に地域手当であるが、地域手当の具体化に当たっては、広域化した地域における民間賃金の状況を適切に反映できるよう、引き続き検討してまいりたい。
全農林からは給与制度のアップデートに関する御意見をいただいた。御意見として受けとめさせていただく。その上で、『社会と公務の変化に応じた給与制度の整備(給与制度のアップデート)』については、現下の人事管理上の課題に対応するため、①人材確保への対応、②組織パフォーマンスの向上、③働き方やライフスタイルの多様化への対応のために必要な制度整備に取り組むこととしている。
職員の状況に応じてということになるが、扶養手当の見直しによる子に係る手当の増額や、新幹線通勤に係る手当の見直しなど、これらの見直しによる給与改善が生じ得ると考えている。
税関労組からは、全職員の賃上げと地域手当、加えて新幹線通勤に係る通勤手当についてご要望をいただいた。全職員の賃上げに関する要望については、御要望として受けとめさせていただく。先程も申し上げたが、人事院としては、労働基本権制約の代償機関としての責務を果たすよう、必要な勧告を適切に行ってまいりたい。
地域手当については、従前から強いご要望をいただいているところである。地域手当の具体化に当たっては、広域化した地域における民間賃金の状況を適切に反映できるよう、引き続き検討してまいりたい。
大規模空港区域などの特例的な取扱いについては、今後検討してまいりたい。
新幹線通勤に係る通勤手当の見直しについては、民間企業における通勤手当の状況を踏まえて、必要な検討を進めてまいりたい」

2.Bブロック(北陸・東海・近畿)の申入れ概要
 構成組織の代表者から次のような発言があった。

「新幹線通勤手当の見直しについて、以下の2点を提案する。
 1点目は上限額について、交通費は費用弁償が原則であり、非課税限度額まで全額支給すべきである。特急料金の上限額2万円では自己負担が大きく、物価高騰の影響もある。
 2点目は支給要件ついて、現状では異動に伴う場合のみ認められているが、介護や子育てで利用する職員も増えている。支給要件に差を設けるのは不合理であり、柔軟な運用が求められる」(自治労)

「昨年度の給与改定では初任給と若年層に重点が置かれたが、ベテラン層は不十分であった。急激な物価高騰に対応できる水準ではない。今年度の改定では全階層に対して十分な引き上げを求める。また、給与制度の整備においては地域間、世代間、採用区分の格差をなくし、全職員が納得しモチベーションを維持できる内容にすることを求める」(林野労組)

「『社会と公務の変化に応じた給与制度の整備』については、通勤手当の自己負担解消を特に要請する。財務局事務所は県庁所在地に多く、異動で県をまたぐことが多いため、育児や介護の事情で転居が難しい組合員が新幹線や特急で遠方通勤するケースが増えている。しかし、通勤手当の上限(7万5千円)では経済的負担が大きく、自己負担が数十万円に上ることもある。人員の円滑な配置や人材確保のために、通勤手当の自己負担解消を強く求める」(全財務)

「通勤手当の見直しを求める。地域手当非支給地に配属された若手職員は、交通費が持ち出しとなり、地域手当支給地の同期との間に金銭上の格差が生じている。民間企業が公務員以上の通勤手当を支給しているという調査結果もあり、国家公務員の処遇は民間準拠であるため、通勤手当の増額は必要である。
 また、給与制度のアップデートは公務の魅力を高め、人材を確保する方向で検討されたい。人事院には、労働基本権制約の代償措置として、非課税限度額15万円までの通勤手当引き上げを目指し、関係方面と調整してほしい」(国税労組)

「人事院の調査(2022年度)によると、上限を超えた超過勤務を命じられた職員の割合が前年度を上回り、全ての府省で同様の傾向が見られた。また、文科省の教員勤務実態調査でも、平日・土日の在校時間は減少したものの、長時間勤務は依然として続いている。公務員人事管理に関する報告では長時間労働の是正が求められているが、各府省にはさらに超過勤務の抑制と職員の健康確保の強化を求める」(日教組)

 これらの発言に対し、早乙女参事官は次のとおり回答した。

「林野労組から、今年度の給与改定勧告にあたっては、全階層に対して十分な引き上げが行われるよう求めるとの意見をいただいた。御要望として受けとめさせていただく。
今年の民間給与実態調査については、当初の予定どおり4月22日から6月14日までの期間で実施したところであり、現在集計中である。人事院としては、労働基本権制約の代償機関としての責務を果たすよう、必要な勧告を適切に行ってまいりたい。
自治労、全財務、国税労組から新幹線通勤に関するご要望をいただいた。
通勤手当は、職員の通勤に要する経費を補助することを目的とするものではあるものの、官民比較の対象外給与であり、特に遠距離の通勤者に対し、より高額の手当を支給することについては、民間企業における通勤手当の支給状況を踏まえ、各方面の理解を得ながら合理性や納得性のある内容となるよう必要な検討を進める必要がある。社会と公務の変化に応じた給与制度の整備における具体的な見直しの内容については、民間企業における通勤手当の支給状況も踏まえて必要な検討を進めてまいりたい。
また、育児や介護などからの必要性等を理由として支給要件を柔軟にするよう意見があったことについては担当にも伝えたい。
日教組から超過勤務の抑制や職員の心身の健康確保などの指導強化について御意見をいただいた。
人事院では、勤務時間調査・指導室において、各府省を直接訪問して勤務時間の管理等に関する調査を令和4年度から実施しており、客観的に記録された在庁時間を基礎とした超過勤務時間の適正な管理について指導を行っているほか、他律部署・特例業務の範囲が必要最小限のものとなるよう指導するなどしている。令和6年度以降、調査対象を増加させるなど、勤務時間の管理等に関する調査・指導を更に充実させていくこととしており、引き続き、適切に各府省に対する指導を行ってまいりたい。
業務量に応じた要員の確保について、昨年の勧告時報告でも言及させていただいている。令和6年度から国家公務員の超過勤務の縮減のための定員が措置されていると承知しているが、今後も、各府省における状況を踏まえ、必要に応じ定員管理を担当する部局に対して協力を依頼していくこととしている。
なお、心身の健康保持に関してであるが、各省各庁の長の勤務間のインターバル確保に努める責務を法令上明確にするため、本年4月より、人事院規則に努力義務規定を導入した。また、現在、国家公務員の勤務間のインターバル確保状況の実態や課題を把握するための調査・研究事業を実施しており、この結果も踏まえつつ、各職場で勤務間のインターバル確保が図られるよう引き続き取り組んでまいりたい」

3.Cブロック(中国・四国・九州)の申入れ概要
 構成組織の代表者から次のような発言があった。

「人材確保のため初任給の重要性は理解するが、物価上昇に見合った全職員への賃上げも求める。
 また、公共交通機関の発達により遠距離通勤が可能な地域が増えているため、通勤費の全額支給を望むとともに、新幹線通勤の特別料金増額と通勤手当上限75,000円の拡大を求める」(税関労組)

「全職員の賃金引き上げを求める。物価高騰で生活が苦しいという声が多く、初任給から定年延長職員まで全ての年齢層の賃金を底上げする必要がある。
また、地域手当の見直しが検討されているが、物価高騰は地方にも影響を及ぼしている。改悪は避け、地方勤務者の意欲を損なわないよう要請する」(林野労組)

「九州農政局本局は熊本市にあるが、地域手当の対象外である。多くの職員が福岡や佐賀、鹿児島から新幹線で通勤しており、高額な出費に加え地域手当も支給されないのは問題である。物価高騰が続く中、賃金引き上げと地域手当の見直しをお願いし、勤務地によって職員や家族の生活水準が下がらないよう配慮を求める」(全農林)

「物価高が続く中、今年の連合春闘で33年ぶりに5%超の賃上げが実現し、組合員は大きな期待を寄せている。民間でも新卒初任給の大幅引き上げが進んでおり、公務でも人材確保が必要だが、配分が若年層に偏り、中高年層の給与が長期にわたり抑制されている。その結果、中高年層の退職が増え、職場が回らない状況である。全世代が生活改善を実感できる勧告を求める」(自治労)

「制度導入当初と比べ、再任用職員の環境は変化しており、人材確保が難しい中、60歳前職員と同様の職務・職責等が求められている。学校現場の再任用職員は、現役時代と同じ職務を担っており、職責に見合う賃金を求める声が高まっている。国家公務員制度の地方公務員への影響を踏まえ、再任用職員の給与見直し、手当支給、俸給月額や一時金の支給月数の引き上げをお願いする」(日教組)

 さらに参加者から、配偶者手当の見直しについて、慎重かつ丁寧な対応を求める意見や、出張に伴う諸経費に関する意見などが示された。

 これらの発言に対し、早乙女参事官は次のとおり回答した。

「ご意見のあった件については、担当に伝えさせていただく。
 税関労組、林野労組及び自治労からは全職員の賃上げについて要望をいただいた。強い御要望として受けとめさせていただく。
今年の民間給与実態調査については、当初の予定どおり4月22日から6月14日までの期間で実施したところであり、現在集計中である。人事院としては、労働基本権制約の代償機関としての責務を果たすよう、必要な勧告を適切に行ってまいりたい。
 税関労組から新幹線通勤を含む通勤手当についてご要望いただいた。全農林からも、支給されている通勤手当を超える出費があるといった趣旨のお話しもあった。
 通勤手当は、職員の通勤に要する経費を補助することを目的とするものではあるものの、官民比較の対象外給与であり、特に遠距離の通勤者に対し、より高額の手当を支給することについては、民間企業における通勤手当の支給状況を踏まえ、各方面の理解を得ながら合理性や納得性のある内容となるよう必要な検討を進める必要がある。社会と公務の変化に応じた給与制度の整備における具体的な見直しの内容については、民間企業における通勤手当の支給状況も踏まえて必要な検討を進めてまいりたい。
 林野労組及び全農林から地域手当についてのご要望をいただいた。本年行うことを予定している見直しにおいては、最新の民間賃金の反映と併せ、現在、市町村単位としている級地区分の設定について、広域化するなど大くくりな調整方法に見直すこととしている。その具体化に当たっては、広域化した地域における民間賃金の状況を適切に反映できるよう、引き続き検討してまいりたい。
 日教組から再任用職員の処遇改善についてご要望をいただいた。再任用職員の給与については、民間の再雇用者の状況も踏まえつつ、俸給と特別給を合わせて適正な年間の給与水準を確保し得るように設定されており、公務における人事運用の実態や民間企業の再雇用者の手当の支給状況を踏まえ、これまでも見直しを行ってきているところである。
 近年、高齢層職員の能力及び経験の活用が進められてきている中で、再任用職員についても、公務上の必要性により転居を伴う異動に応じてもらうことが必要なケースが増えてきているなど、人事運用の変化が生じてきており、こうした状況を踏まえ、今回の社会と公務の変化に応じた給与制度の整備で再任用職員に支給される手当の範囲の拡大について検討を行っているところである。
 再任用職員の俸給額や期末・勤勉手当の水準については、引き続き、毎年の給与改定を通じ、民間の状況や再任用職員以外の職員に係る改定状況を踏まえつつ、適切に対応してまいりたい」

 申入れの最後には、連絡会副事務局長から人事院に対し、
「ご回答は承った。以上を持って、団体署名および職場決議に関する本日の要請行動については終了したい。繰り返しになるが、人事院におかれては、本年の勧告および報告は、国家公務員のみならず、地方公務員や独法職員、政府関係法人職員など、多くの職員に多大な影響を与えるものであることを再度ご認識いただき、以降の作業を進めていただくようお願いする」と述べ、締めくくった。