第19回総会で「良質な公共サービスの実現と適正な賃金・労働条件と人員の確保をはかる」方針を決定-10/29
公務労協は、10月29日17時から、都内で第19回総会を開き、2022年度活動方針を決定し、新役員体制を確立した。
総会の冒頭、あいさつに立った川本副議長は「新型コロナウイルス感染症は、収束の兆しがあるものの、第6波への懸念も大きい。また、有効策を見い出せない政府に対する批判の一方、コロナ禍の矛先は感染者、家族、医療従事者等への差別につながる状況が続いている。
こうした中で、公務労協は、公務公共サービスが国民の生活と安全を支える基盤であるという立場で、公共サービスキャンペーンをはじめとして、労働基本権確立や定年引上げ、組織化の取組を進めてきた。厳しい環境の中において最前線で奮闘いただいている、すべての組合員に改めて敬意と感謝を申し上げる。
今後、ウィズコロナ、経済対策として、歳出増の圧力が高まることが必至であり、選挙後に大型補正予算を打ち出し、予算規模がさらに拡大することは確実であると言わざるを得ない。地方を含め、厳しい財政状況を背景とした予算編成に対し、緊張感を持って臨んでいく。
また、コロナ禍、大災害といった社会的な危機の中では大きな政府が指向されるが、喉元過ぎれば、反転、小さな政府へという流れが強まることから、私たちは危機感を持って臨まなければならない。
新しい年度に向け、良い社会を作る公共サービスキャンペーンを進め、改めて、社会的責任として公助の再構築に向けた取組をしていく。公務員制度改革と労働基本権確立のため、来年の第110回ILO総会の基準適用委員会に向けて、第87号条約、日本案件の再びの個別審査の具現化を進めていく。また、独法や政府関連公益法人の事業運営と労使・労働関係の確立、政治の公務員給与への介入を徹底して排除していく。また、郵便事業創業150周年を迎える節目の中で、郵政グループをとりまく環境は非常に厳しい。公務労協の構成組織全体の課題として共有化し、今後の活動を支えていく。
多くの課題が山積しているが、公務労協への引き続きの支援・協力をお願いする」と、運動への結集を呼びかけた。
その後、①2021年度の取組経過と2022年度活動方針、②2021年度会計決算報告、③2021年度決算監査報告、④2022年度予算と分担金の各議案が満場一致で採択された。
2022年度の活動方針では、①新型コロナウイルス感染症対策の財源が公的債務に依存したことにより、先進国最悪の公的債務を抱えるもと、国民生活の崩壊を招く財政破綻がより現実的となったことを直視する、②公務公共サービスに従事する労働組合としての社会的責任と役割を果たすため、新型コロナウイルス感染症の感染拡大という社会的な危機を契機として、質と量の拡充をはじめとする良質な公共サービスの実現に向け、そのあり方を再構築する活動を強化する、③公共サービスの重要性と普遍性を社会的に喚起するとともに、それを支える適正な賃金・労働条件と人員の確保をはかることに重点を置く。具体的には、構成組織間で共通する政策課題の実現主体であるとともに対政府等との交渉主体としての性格を有する公務労協は、国家公務員の使用者たる性格と地方自治体及び独立行政法人・政府関連公益法人等の職員の勤務条件等に重大な影響力を有する政府に対し、関係府省・人事院等との間における交渉・協議を最重視した対応をはかる、④賃金・労働条件をはじめとする諸課題に係る政治対策については、政党と労働組合との性格や目的の違いを踏まえつつ、交渉主体としての責任を果たす観点から、要求実現に向け広範な政党への対応に留意していく、としている。
具体的取組として、①良い社会をつくる公共サービスキャンペーン、②公務員制度改革と労働基本権の確立、③独立行政法人及び政府関連公益法人等の事業運営と労使・労働関係の確立、④賃金・労働条件の確保・改善、⑤高齢者雇用施策の推進、⑥女性活躍の推進と男女共同参画社会の実現、等を展開することとしている。
最後に、2022年度新役員(別紙)を選出した後、団結がんばろうで終了した。
国家公務員関係部会、地方公務員部会もそれぞれ総会を開催
同日、国家公務員関係部会、地方公務員部会の総会がそれぞれ開かれ、年間活動方針等を決定し、新役員を選出した。