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公務公共サービス労働組合協議会 公務員連絡会
2022年度 公務労協情報 No. 15

2022年春季要求事項で幹事クラスが人事院と交渉-3/7

 公務員連絡会は3月7日、人事院職員団体審議官との交渉を実施し、中間的な回答を引き出した。公務員連絡会は、今後行う書記長クラスの交渉において、より具体的かつ前向きな回答を要求し、回答指定日に向けて交渉を積み上げていくこととした。なお、内閣人事局との幹事クラス交渉は3月10日に行われる。

<人事院職員団体審議官交渉の経過>
 人事院の好岡職員団体審議官との交渉は、10時30分から行われた。
 冒頭、高柳副事務局長が中間的な回答を求めたのに対し、好岡審議官は「2月22日にいただいた公務員連絡会からの要求書については、現在最終回答に向け、検討を行っているところである。最終回答は、3月の22日以降にさせていただく予定であるが、本日、私の方からは、現段階における状況について、回答させていただく。」と述べ、次のとおり答えた。

1.賃金要求について
 今年の春闘では、連合は、賃上げ要求について「産業の『底支え』『格差是正』に寄与する『賃金水準追求』の取り組みを強化しつつ、これまで以上に賃上げを社会全体に波及させるため、それぞれの産業における最大限の『底上げ』に取り組む。賃上げ分2%程度、定期昇給相当分(賃金カーブ維持相当分)を含め4%程度の賃上げを目安とする。」との目標を掲げ、その実現に向けて取組を進めることとしている、と承知している。
 一方、日本経団連は、「業種や企業による業績のばらつきが拡大する中、2022年の春季労使交渉・協議においては、業種横並びや一律的な賃金引上げの検討ではなく、各企業が自社の実情に適した賃金決定を行うとの『賃金決定の大原則』に則った検討が重要となる。『成長と分配の好循環』実現への社会的な期待や、企業の賃金引上げの環境整備に向けた政府の支援策をも考慮に入れながら、企業として主体的な検討が望まれる。」とした上で、「基本給においては、制度昇給(定期昇給や賃金カーブ維持分の昇給)や、賃金水準自体を引き上げるベースアップについて、各企業が自社の収益状況に基づいて検討する必要がある。」としている、と承知している。 
 こうした状況の中、3月中旬以降、経営側からの回答・妥結が行われるので、人事院としてもその動向を注視しているところである。
○ 国家公務員の給与について
 国家公務員の給与について、本年も情勢適応の原則に基づき、民間給与の実態を精緻に調査した上で、民間給与との精確な比較を行い、必要な勧告を行うという基本的スタンスに変わりはない。
 官民給与の比較方法については、これまでも必要な見直しを行ってきており、比較対象企業規模を含め、現行の取扱いが適当と考えている。
 諸手当については、民間の状況、公務の実態等を踏まえ、職員団体の皆さんの意見も聴きながら、必要となる検討を行っていくこととしたい。

2.非常勤職員等の雇用、労働条件の改善について
 非常勤職員の任用、勤務条件等については、その適切な処遇等を確保するため、法律や人事院規則等で規定しており、これまでも職員団体の皆さんの意見も聞きながら見直しを行ってきているところである。
 非常勤職員の給与については、平成20年8月に非常勤職員の給与に関する指針を発出し、各府省において適正な給与の支給が行われるよう、必要な指導を行ってきている。この指針は、これまで2度改正し、期末手当及び勤勉手当に相当する給与の支給に関して取り組むべき事項を追加するなどの見直しを行い、現在、これに基づく各府省の取組が進んでいるところであり、引き続き、職員団体の皆さんの意見も聞きながら常勤職員の給与との権衡をより確保し得るよう取り組んでまいりたい。
 非常勤職員の休暇制度等については、業務の必要に応じてその都度任期や勤務時間が設定されて任用されるという非常勤職員の性格を考慮しつつ、民間の状況等を考慮し、必要な措置を行っている。近年の措置を挙げれば、結婚休暇の新設及び忌引休暇の対象職員の要件の削除(平成31年1月施行)、夏季休暇の新設(令和2年1月施行)、出生サポート休暇、配偶者出産休暇及び育児参加のための休暇の新設並びに産前休暇・産後休暇の有給化(令和4年1月施行)などがある。
 今後も、引き続き民間の状況等について注視し、必要に応じて検討を行ってまいりたい。

3.新型コロナウイルス感染症対策について
 新型コロナウイルス感染症への対応については、これまで、感染拡大防止に資するよう、職場における感染拡大防止対策の周知、柔軟な時差出勤のための勤務時間割振りの特例措置、出勤困難な場合の特別休暇の取扱いに関する通知の発出、予防接種を受ける場合等における職務専念義務の免除などの対策を講じてきたところである。今後とも、感染状況等を注視しつつ、必要な対応を行ってまいりたい。

4.労働時間の短縮等について
○ 超過勤務の縮減等について
 国家公務員の超過勤務については、平成31年4月から、超過勤務命令を行うことができる上限を人事院規則で設定している。その際、勤務時間管理については、超過勤務の運用の適正を図るため、課室長等による超過勤務予定の事前確認や、所要見込時間と異なる場合の課室長等への事後報告を徹底させるとともに、超過勤務時間の確認を行う場合は、課室長等や周囲の職員による現認等を通じて行うものとし、客観的な記録を基礎として在庁の状況を把握している場合は、これを参照することもできる旨を職員福祉局長通知で規定したところである。
 なお、各府省においては、「令和3年度における人事管理運営方針」により、勤務時間の状況の客観的把握を開始することとされており、人事院としても、これを受けた各府省における運用実態を踏まえた上で、客観的な記録を基礎とした超過勤務時間の管理を制度上の原則として示すことを予定している。引き続き、各府省における運用状況を把握し、超過勤務の縮減に向けた指導を行っていく。
 各府省において、人事院規則に定める上限を超えて超過勤務を命じた者がいた場合には、その要因の整理、分析及び検証を行わなければならないこととしている。この超過勤務の上限の運用状況等について、昨年12月から勤務時間制度の担当課長が各府省人事担当課長等からヒアリングを行い、各府省における令和元年度の結果と比較した分析や、昨年度のヒアリング時に聴取した取組内容の進捗等について聴取している。また、上限を超えて超過勤務を命ずることができる特例業務の範囲や、他律的業務の比重が高い部署の指定の考え方について統一が図られるよう指導を行うとともに、医師による面接指導等を徹底することや、人員配置・業務分担の見直し等を通じて超過勤務を必要最小限のものとすることについて指導を行っているところである。
 引き続き、制度の適切な運用が図られるよう、必要な指導等を行ってまいりたい。
 なお、要因の整理、分析及び検証を取りまとめた結果については、引き続き、職員団体の皆さんに適切に情報提供することとしたい。

○ 休暇・休業制度について
 両立支援制度を含む職員の休暇、休業制度については、従来より情勢適応の原則の下、民間における普及状況に合わせることを基本に、適宜見直しを行ってきたところであり、引き続き民間の動向等を注視してまいりたい。
 昨年8月の意見の申出を踏まえた育児休業法改正法案は今国会に提出されており、人事院としても、法案成立に向けて、努めてまいりたい。なお、民間育介法において今年4月から措置される措置に対応した非常勤職員の取得要件緩和については、2月17日に関係人事院規則を公布した。この改正規則では、本年4月から各省各庁の長等に対して育児休業を取得しやすい勤務環境の整備に関する措置等を義務付ける措置も盛り込んでおり、これに伴い、平成30年3月に本院が発出した「仕事と育児・介護の両立支援制度の活用に関する指針」の改正を行ったところ。これらの内容が各府省において徹底されるよう周知に取り組んでいく。

○ 勤務間インターバルについて
 勤務間インターバルの確保については、昨年7月に変更が閣議決定された「過労死等の防止のための対策に関する大綱」において、民間における勤務間インターバル制度の導入企業割合等について数値目標が設けられていることも踏まえ、本年1月から開催している「テレワーク等の柔軟な働き方に対応した勤務時間制度等の在り方に関する研究会」(座長:荒木尚志東京大学大学院法学政治学研究科教授)において、公務における勤務間インターバル確保の方策についても検討を行っていくこととしている。
 なお、本年2月28日に開催した第2回研究会においては、職員団体からのヒアリングを行ったところであり、引き続き、職員団体の皆さんの意見も聴きながら適切に検討を進めていくこととしたい。

5.障害者雇用について
 障害を有する職員が自らの希望や障害等の特性に応じて、無理なく、かつ、安定的に働くことができるよう、平成30年12月にフレックスタイム制の柔軟化等を実現するための人事院規則等の改正(平成31年1月施行)を行うとともに、公務の職場における障害者雇用に関する理解を促進し、障害を有する職員が必要な配慮を受けられるよう、「職員の募集及び採用時並びに採用後において障害者に対して各省各庁の長が講ずべき措置に関する指針」を平成30年12月に発出し、各府省に対して、当該指針に沿って適切に対応することを求めている。
 このほか、厚生労働省と連携して、各府省における合理的配慮事例の情報共有などの支援を行っており、今後とも、必要に応じて各府省への支援を行ってまいりたい。

6.女性公務員の労働権確立について
 人事院としては、公務における女性の活躍推進を人事行政における重要な課題の一つと認識しており、第5次男女共同参画基本計画が決定されたことを踏まえ、令和3年2月1日、「女性国家公務員の採用・登用の拡大等に向けて」(平成27年12月25日人事院事務総長通知)の一部改正を行い、国家公務員法に定める平等取扱の原則、成績主義の原則の枠組みを前提とした女性の参画のための採用・登用の拡大、両立支援、ハラスメント防止対策など様々な施策を行ってきているところである。引き続き、各府省の具体的な取組が進むよう支援してまいりたい。

7.高齢者雇用施策について
 人事院においては、各府省等及び職員団体からの意見等も踏まえつつ検討を行い、令和4年2月18日に定年の段階的引上げに伴う規則の制定・改正等を行ったところ(令和5年4月1日施行)である。人事院としては、高齢層職員の能力及び経験の本格的な活用に向けて、定年の引上げが円滑に行われるよう、規則等の内容を周知するなど、必要な準備を進めていくこととしている。

8.福利厚生施策の充実について
○ 心の健康づくり対策について
 心の健康づくり対策については、平成16年3月に発出した「職員の心の健康づくりのための指針」を基本として対処しており、これまでも「こころの健康相談室」の運営など様々な取組を進めてきている。引き続き、各府省と連携しつつ、適切に対応してまいりたい。

○ ハラスメント防止対策について
 人事院は、令和2年4月、パワー・ハラスメントの防止等の措置を講じるための人事院規則を制定し、あわせて、セクシュアル・ハラスメント及び妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントに係る人事院規則についても、所要の規定の整備を行い、同年6月に施行した。これらの人事院規則においては、ハラスメントの防止等のための各省各庁の長の責務や、研修等の実施、苦情相談への対応等が定められているところ、人事院はこれまで、研修教材の作成・提供や、各府省のハラスメント相談員を対象としたセミナーの開催など、各府省に対する支援を行ってきている。また、各府省における各種ハラスメント相談員の選定方法、配置の基準等について、担当者がいくつかの府省からヒアリングを行ったところであり、引き続き、課題の把握、必要な指導等を行っていきたい。今後も、各府省のハラスメント防止対策の実施状況を把握するほか、各府省のハラスメント相談員を対象としたセミナーを引き続き開催し、研修用教材の改訂等を行うなど、各府省においてハラスメント防止対策が適切に実施されるよう、必要な支援・指導を行ってまいりたい。また、苦情相談を含めた公平審査制度において、パワー・ハラスメントに関する事案についても人事院の役割を果たしてまいりたい。

 回答に対し、高柳副事務局長は次のとおり人事院の見解を質した。
(1) 初任給水準の改善・若手を中心とした官民格差の是正
 昨年の人勧期の給与局長との交渉で、私どもの方から、官民較差で解消していくことに限界が来ており、むしろ民間との開きがさらに拡大していくことを懸念していることを指摘し、それに対して、局長からは、「配分問題としてどう考えるのか、ということも遡上に上って来る状況にはあるという風に認識している」旨の発言があったものと承知している。さらに、昨年の勧告内容はともかくとして、今後の宿題として残っている、ということで昨年の交渉は終わったものと認識している。
 その上で、本年の民間春闘の結果が、人事院の給与実態調査にどのような影響を及ぼすか、官民較差がどうなるかは今なお不透明な段階であるが、いずれにしても、人事院として、この課題についての現状認識を改めてお聞きしたい。
 今後、較差等を想定した時に、さまざま難しい問題があると想定される。この課題に関しては、人事院における検討状況を踏まえて、適宜、前広に我々とも協議していただきたい。

(2) 定年引上げ後もにらんだ再任用職員の給与の改善
 再度私どもの考え方を示すと、
①来年以降、定年が引上げとなる職員、暫定再任用職員、定年前再任用短時間勤務職員という3つのカテゴリーの職員が、60歳台前半層において存在する中で、給与上のバランスをはかる措置が必要ではないか
②再任用職員の給与については、生活関連手当も含めて、運用上低位に抑えられていると認識。活躍が期待される高齢層の職員全体における均衡という課題があることから改善を積極的に措置すべきではないか
ということである。
 その上で、これも昨年の人勧期の交渉において、給与局長から、「現在の再任用職員の処遇で良いのかという問題意識は持っており、具体的にいつまでにとは申し上げられないが、重要な課題であることは認識している」旨の回答があったと承知している。
 この点について、今なお認識は基本的に変わっていないと考えてよいか。また、見直しに向けて、現状検討している項目、課題があれば、お示しいただきたい。

(3) 民間における退職給付関係の調査について
 昨年12月23日の、基本要求書に関する審議官からのご回答で、「前回の調査では、平成28年10月1日から調査を開始し、平成29年4月19日に結果を公表したところであり、今回も同程度の期間は必要となる」との発言があった。
 この点について、調査期間が一か月延長になってしまったが、それでもなお、前回と同時期くらいに結果の公表を見込んでいると考えてよいか。

(4) 非常勤職員について
 いわゆる「非常勤職員の給与に関する指針」が昨年7月に改正されたことを踏まえ、人事院においても、期末・勤勉手当の支給実態の把握など、フォローアップをお願いしたい。

(5) 超勤の縮減および「勤務間インターバル」等について
 先日の人事院の第2回研究会において、現時点での私どもの基本的な考え方を申し上げさせていただいたところである。改めて、意見表明の機会を与えていただいたことに感謝したい。
 改めて研究会の際にも申し上げたことではあるが、私どもは、実施困難な職場もあるが、働きやすく魅力ある公務職場を作るという意味において、テレワークの拡大を始めとする「働き方のフレキシブル化」には反対するものではないし、職員の心身の健康を保持するという観点から「勤務間インターバル」の導入には賛成するものである。
 その上で、これらの制度を拡大あるいは導入するにあたっては、一つには、「超勤の縮減」や「人員の確保」ということが前提として図られなければならないということ、もう一つには、服務や各種手当の問題などその他の法制度といかに整合性を図るか、ということが重要だということを再度強調しておきたい。
 人事院として、若干所管外の部分もあろうかとは思うが、このような私どもの意見も十分踏まえて、検討を進めていただきたい。

 これに対し、好岡審議官は次のとおり答えた。
1.初任給については、労働市場における競争性が高いことから民間企業との均衡を基礎に置きつつも、厳密な均衡を図るのではなく、俸給表全体のバランス、人材確保の要請等を総合勘案して決定してきている。このような考えの下、近年では、一般職試験(高卒者)採用職員及び一般職試験(大卒程度)採用職員の初任給について、民間の初任給との間に差があること等を踏まえ、重点的に引上げを行ってきたところ。
 本年についても、民間初任給の実態を職種別民間給与実態調査で把握し、その結果も踏まえて適切に対応してまいりたい。
 初任給を含めた公務員の給与改定については、今後とも、情勢適応の原則に基づき、民間準拠により適正な給与水準を確保するという基本姿勢に立ったうえで、職員団体の意見も聴きながら、適切に対処してまいりたい。

2.再任用職員の給与については、公務における人事運用の実態や民間企業の再雇用者の手当の支給状況を踏まえ、平成27年4月から単身赴任手当を支給することとするなど、見直しを行ってきているところ。
 人事院としては、民間企業における定年制や高齢層従業員の給与の状況、定年引上げに伴い設けられる定年前再任用短時間勤務制等も含めた各府省における運用状況を踏まえつつ、職員団体の意見も聴きながら、引き続き再任用職員の給与の在り方について必要な検討を行ってまいりたい。
 昨年成立した法律において、新設される定年前再任用短時間勤務職員や暫定再任用職員の処遇は現行の再任用職員と同様とされたところであるが、勧告期の会見でも回答したとおり、これらの職員にも能力・経験を活用してもらう必要があり、処遇の在り方については引き続き検討すべき課題であると認識している。皆さんからも、職務の級の決定に関する運用、手当の支給要件など、様々なご要望をいただいていることは承知しており、各方面のご意見を踏まえて検討していきたい。

3.国家公務員の退職給付については、「国家公務員の総人件費に関する基本方針」(平成26年7月25日閣議決定)において、官民比較に基づき、概ね5年ごとに退職手当支給水準の見直しを行うことを通じて、官民均衡を確保することとされており、令和3年7月30日、内閣総理大臣及び財務大臣から人事院総裁に対し、民間の退職金及び企業年金の実態調査の実施と見解の表明についての要請があった。
 これを受け、10月1日から12月28日までの期間で、民間の退職金及び企業年金の実態調査を実施し、現在、調査の集計等を行っているところである。見解の表明に向けては、職員団体等の意見も伺ってまいりたい。
 現在、集計等の作業を進めてきているところであるが、今後の具体的なスケジュールは未定である。先日も申し上げたとおり、前回の調査では、平成28年10月1日から調査を開始し、平成29年4月19日に結果を公表したところであり、今回も同程度の期間は必要となるものと考えている。いずれにせよ、引き続き鋭意作業を進め、見解の表明に向けては、職員団体等の意見も伺ってまいりたい。

4.非常勤職員については、これまでも、指針に基づく各府省の取組状況等については、人事院として、定期的にフォローアップを行っているところであり、昨年7月の改正内容も含め、今後いずれかの段階で確認を行ってまいりたい。また、各府省に対しては、指針に沿った処遇の改善が行われるよう、随時必要な指導等を行っていくこととしたい。

5.超勤の縮減等に関する皆さんのお考えは承った。引き続き、職員団体の皆さんの意見も聴きながら、適切に検討を進めて行くこととしたい。

 また、交渉委員からは、諸手当について、単身赴任手当の新規採用職員への支給、新幹線鉄道等に係る特例の通勤手当の特別料金の全額支給に関わって、それが必要とされる具体例を示しながら、改善を訴えた。また、勤務時間管理について、ICTを用いた勤務時間管理が導入されたことによる課題を踏まえた指導を人事院に要望した。

 これに対し、好岡審議官は「諸手当について現場実態も踏まえた要望を伺った。担当に伝えたい。諸手当については、民間の状況、公務の実態等を踏まえ、必要となる検討を行っていきたい。ICTを活用した客観的な勤務時間管理についても要望をいただいた旨、担当に伝えたい」と答えた。

 最後に、高柳副事務局長が「回答は承った。本日段階の回答として受け止めたい。今後ヤマ場を迎える民間春闘の結果を踏まえて、人事院として民間の給与実態調査を行うものと承知しているが、改めて、精確な官民比較に基づく作業をお願いしておきたい。また、退職給付については、再三申し上げているとおり、地方も含めて組合員の最大関心事項である。人事院として結果の公表および見解の表明に当たっては、前広、幅広に、私どもにまずは情報提供していただきたい。以上2点申し上げて、本日の交渉を終わりたい。」と要請し、交渉を締めくくった。