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公務公共サービス労働組合協議会 地方公務員部会
2025年度 公務労協情報 No. 11

地方公務員部会が全人連に対し春季要求書を提出-2/6

 公務労協地方公務員部会は、2月6日に全国人事委員会連合会に対して2025春闘要求書を提出した。

 全人連への要請は、古矢議長(全水道委員長)、和田事務局長および幹事が出席した。全人連は、田中事務局長および事務局が対応した。
 冒頭、古矢議長は、要請書(別紙)を手交し、
「第217回国会において石破首相は、「賃上げこそが成長戦略の要」とし、「物価上昇に負けない賃上げ」を起点とする経済政策について、施政方針演説を行った。総務省は、「令和5年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果」において、過去10年間の競争試験における受験者数・競争率の減少傾向が続いていることを公表した。地方公共団体においても人材の確保は重要課題となるなか、自治体の2024人事委員会勧告は、2%を超える水準となったものの、若手職員を中心とした処遇改善に留まった。公務労協が2024年10月に実施した「2024年度 公務・公共部門労働者の仕事と生活に関する調査」では、生活が「苦しくなった」は2022年の前回調査と比べると5ポイント増加しており、高年層ほど増える傾向にある。なかでも60歳以上(常勤職員)、高齢再任用・再雇用職員では「苦しくなった」が6~8割を占めており、高齢層ほど生活悪化感が強まる調査結果となり、物価高騰による実質賃金の減少が浮き彫りとなった。職員が国民・住民の期待に応え、質の高い公務・公共サービスを維持・提供していくためには、人材確保が不可欠であり、地方公務員全体の賃金の引上げが必要である。連合は、2025春季生活闘争方針において、すべての働く人の生活を持続的に向上させるマクロの観点と各産業の「底上げ」「底支え」「格差是正」の取り組み強化を促す観点から、全体の賃上げの目安は、賃上げ分3%以上、定昇相当分(賃金カーブ維持相当分)を含め5%以上とし、賃上げの流れを定着させるべく、その実現をめざすとしている。地方公務員部会としても、連合に結集し、2025春季生活闘争に全力で取組を進め、日々懸命に努力している職員の積極的な賃金引上げ、労働条件の改善にむけて取組を進めている。このような状況のなか、各人事委員会が、労働基本権制約の代償機関の立場から、職員の利益保護の役割・使命を十分認識され、下記事項の実現に向け最大限の努力を払われるよう要請する」と述べた。
 続いて、和田事務局長が、「昨日、2024年の実質賃金が、3年連続でマイナスだったことが報道された。食料品やガソリン価格の高騰など、先ほどの議長の挨拶にあった「生活が苦しくなった」につながるものであると思われる。私どものところには、組合員から再任用職員の期末勤勉手当の支給割合の改善を含め、中高齢層職員の賃金引上げを切望する声が多数届いている。地方公務員全体の賃金水準の引上げをお願いいしたい。今回新たに「教員の長時間労働是正にむけ、業務削減や支援スタッフの配置拡充等の施策を任命権者に求めること」を加えている。学校の働き方改革についても改善されるように、各人事委員会にお伝え頂きたい。地方公務員の給与・労働条件の改善にむけて努力頂くようお願いする」と、要請事項について説明した。
 これに対して田中事務局長は「いただいた要請内容については、今後の国の動きなども踏まえて必要な検討を進めてまいりたいと考えている。本日いただいた要請書については全国人事委員会連合会の会長及び全国の人事委員会にも共有をさせていただき、後日書面で回答をさせていただく」と答えた。
 本日の地方公務員部会の要請に対する全人連の回答は、後日書面にて行われる。


(別紙)


2025年2月6日

全国人事委員会連合会
 会 長  中 西  充 様

公務公共サービス労働組合協議会

地方公務員部会議長 古矢 武士

(公印省略)

要 請 書

 各人事委員会における地方公務員の給与・労働条件の改善に向けたご努力に敬意を表します。
さて、第217回国会において石破首相は、「賃上げこそが成長戦略の要」とし、「物価上昇に負けない賃上げ」を起点とする経済政策について、施政方針演説を行いました。
総務省は、「令和5年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果」において、過去10年間の競争試験における受験者数・競争率の減少傾向が続いていることを公表しました。地方公共団体においても人材の確保は重要課題となるなか、自治体の2024人事委員会勧告は、2%を超える水準となったものの、若手職員を中心とした処遇改善に留まりました。
公務労協が2024年10月に実施した「2024年度 公務・公共部門労働者の仕事と生活に関する調査」では、生活が「苦しくなった」は2022年の前回調査と比べると5ポイント増加しており、高年層ほど増える傾向にあります。なかでも60歳以上(常勤職員)、高齢再任用・再雇用職員では「苦しくなった」が6~8割を占めており、高齢層ほど生活悪化感が強まる調査結果となり、物価高騰による実質賃金の減少が浮き彫りとなりました。職員が国民・住民の期待に応え、質の高い公務・公共サービスを維持・提供していくためには、人材確保が不可欠であり、地方公務員全体の賃金の引上げが必要です。
 連合は、2025春季生活闘争方針において、すべての働く人の生活を持続的に向上させるマクロの観点と各産業の「底上げ」「底支え」「格差是正」の取り組み強化を促す観点から、全体の賃上げの目安は、賃上げ分3%以上、定昇相当分(賃金カーブ維持相当分)を含め5%以上とし、賃上げの流れを定着させるべく、その実現をめざすとしています。
 地方公務員部会としても、連合に結集し、2025春季生活闘争に全力で取組を進め、日々懸命に努力している職員の積極的な賃金引上げ、労働条件の改善にむけて取組を進めています。
 このような状況のなか、各人事委員会が、労働基本権制約の代償機関の立場から、職員の利益保護の役割・使命を十分認識され、下記事項の実現に向け最大限の努力を払われますよう要請します。
 
                           記

  1. 2025年度の給与改定に当たっては、民間賃金実態を精確に把握するとともに、中高齢層職員及び再任用職員を含めた地方公務員全体の賃金水準を引き上げること。
  2. 公民給与比較方法について、現行の比較企業規模を少なくとも堅持した上で、比較企業・事業所規模を引上げるなど、抜本的に改善すること。また、一時金の公民比較は、月例給と同様に、同種・同等比較を原則とするラスパイレス比較を行うこと。
  3. 諸手当の改定については、地域の実情及び職員の職務や生活実態を踏まえ、組合との十分な交渉・協議に基づき進めること。
  4. 会計年度任用職員をはじめとする臨時・非常勤職員の任用や待遇、休暇制度について、働き方改革の推進と常勤職員との権衡をはかる観点から、人事委員会として改善に向けて必要な措置をはかること。
  5. 公立学校教員の賃金に関わり、各人事委員会が参考としうるモデル給料表を作成すること。その際には、関係労働組合との交渉・協議を行うこと。
  6. 公務における働き方改革を着実に推進するため、厳格な勤務時間管理をはじめ、長時間労働の是正、勤務間インターバルの確保、ワーク・ライフ・バランスの実現に資する施策の構築など、人事委員会として必要な対応をはかること。
  7. 教員の長時間労働是正にむけ、業務削減や支援スタッフの配置拡充等の施策を任命権者に求めること。
  8. 実効性のあるハラスメント防止策を引き続き推進するため、積極的な対応を行うこと。
  9. 各種休暇制度を新設・拡充し、総合的な休暇・休業制度を確立すること。
  10. 公務職場における男女平等の実現を人事行政の重要課題と位置づけ、両立支援制度の円滑な活用や男女間待遇格差の是正など、必要な施策を講じること。                                             

以上