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公務公共サービス労働組合協議会 地方公務員部会
2022年度 公務労協情報 No. 13

地方公務員部会が、総務大臣に対し春季要求書を提出-2/22

 公務労協地方公務員部会は、2月22日、金子総務大臣に対して2022春季要求書を提出した。交渉は16時10分からオンラインで行われ、地方公務員部会からは二階堂議長のほか委員長クラス交渉委員が出席した。
 冒頭、二階堂議長は要求書(資料1)を提出し、次のとおり述べ、3月下旬には誠意ある回答を示すよう求めた。

(1) 冒頭、金子大臣におかれては、地方自治の充実と行財政の円滑な運営に向けたご努力に敬意を表する。また、新型コロナウイルス感染症対策においても、政府の基本的対処方針のもと、国民の生命を守るためご尽力されている ことに深く感謝申し上げる。
(2) 新型コロナウイルス感染症の急速な感染拡大により、各自治体職場においては、感染防止対策、ワクチン接種対応等、その勤務環境は依然として厳しい状況に置かれている。そうした中、連合の2022春闘はすでに開始されているが、連合は、この春闘を「働くことを軸とする安心社会の実現」に向け、「人への投資」を積極的に求める「未来づくり春闘」を展開するとしている。
(3) 地方公務員部会としても、連合に結集し、2022春闘を全力で取組を進めるとともに、より質の高い地域公共サービスを提供するため、日々懸命に努力している職員の待遇改善等を目指して取組を進めている。
(4) 本日提出した賃金、労働条件の改善をはじめとする諸要求の実現に向け、最大限の努力を求める。

 これに対し、金子総務大臣は「公務労協地方公務員部会の皆様方におかれては、地方自治の確立・発展のため、また、地方自治体で働く地方公務員のため、その役割を果たしてこられたことに敬意を表する。新型コロナウイルス感染症対策においては、地方自治体の果たす役割が極めて大きいところであり、現場で日々対応に当たられている職員の皆様に心より感謝を申し上げる。要請書については、確かに受け取った。各要請事項については、検討の上、しかるべき時期に回答する」と述べ、回答日に向け要求内容に対し検討する姿勢を示した。


(資料1)


2022年2月22日

総 務 大 臣
 金 子 恭 之 様

公務公共サービス労働組合協議会
地方公務員部会議長 二階堂健男
( 公 印 省 略 )

要 求 書

 貴職における地方自治の充実と行財政の円滑な運営に向けたご努力に敬意を表します。
 さて、新型コロナウイルス感染の急拡大により、各自治体職場においては、感染防止対策への対応等、その勤務環境は依然として厳しい状況に置かれています。引き続くコロナ禍において、職員が国民・住民の期待に応え、より質の高い公務・公共サービスを確実に提供していくためには、職員の雇用の安定と賃金・労働条件の改善・確保が不可欠です。
 一方、連合は、2022春季生活闘争方針において、「働くことを軸とする安心社会」の実現に向け、経済・社会の活力の原動力となる「人への投資」を積極的に求める「未来づくり春闘」を展開するとし、すべての組合が月例賃金の改善にこだわり、それぞれの賃金水準を確認しながら、「底上げ」「底支え」「格差是正」の取組をより強力に推し進めるとしています。
 地方公務員部会としても、連合に結集し、2022春季生活闘争に全力で取組を進めるとともに、より質の高い地域公共サービスを提供するため、日々懸命に努力している職員の待遇改善等の実現をめざして取組を進めています。
 つきましては、下記の通り、賃金・労働条件の改善をはじめとする2022年春季の要求を提出いたします。貴職におかれましては、その実現に向け最大限の努力をいただきますよう要求します。


1.2022年度の賃金改善について
(1)地方公務員の賃金水準の改善のために、所要の財源を確保すること。
(2)自治体における賃金・労働条件の決定にあたっては、地方自治の本旨に基づき、労使交渉・協議・合意を尊重すること。

2.労働時間、休暇及び休業等について
(1)「育児休業制度等の改正」及び「不妊治療休暇の新設」に関する地方公務員への措置については、国家公務員において措置される制度を最低とし、関係法律の整備や条例例の策定・提供等の必要な対応を速やかに行うよう求める。
(2)公務における働き方改革を着実に推進するため、厳格な勤務時間管理や時間外勤務縮減目標等の設定など、実効性のある時間外勤務縮減の具体策をはじめ、休暇・休業制度の拡充、労働時間短縮のための人員確保等の施策を構築すること。
(3)職員の健康管理体制の充実、職場の安全衛生体制の確立、福利厚生の充実等について一層推進されるよう、地方自治体を支援すること。とくに、新型コロナウイルス感染が拡大する中、全ての職員へのストレスチェックの実施など、メンタルヘルス対策に万全を期すこと。
(4)パワーハラスメント対策については、改正労働施策総合推進法及び人事院規則10-16を踏まえ、地方公務員への必要な措置を求める。とりわけ、総務省「パワーハラスメント対策の取組状況調査」の結果を踏まえ、全地方自治体において、規定及び基本方針等の明確化、職員への周知・徹底をはかるよう求める。

3.会計年度任用職員をはじめとする臨時・非常勤職員の待遇改善、雇用安定について
  臨時・非常勤職員制度について、民間労働法制や改正地方公務員法等の趣旨を踏 まえ、雇用の安定、労働条件及び抜本的な待遇改善、休暇制度の改善等、関係法の改正を含むさらなる制度改善に向けた見直しを引き続き検討すること。
(1)会計年度任用職員について、国家公務員の非常勤職員や常勤職員との権衡の観点から、勤勉手当をはじめとする諸手当の適用をはかるとともに、期末手当の支給等に必要な財政措置を行うこと。
(2)人事院の「公務員人事管理に関する報告」を踏まえて措置される国家公務員非常勤職員の休暇制度の改善を最低として、必要な措置をはかるよう求めるとともに、引き続き、常勤職員との権衡の観点から、休暇制度の改善を検討すること。
(3)新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、雇用者責任という立場から、臨時・非常勤職員の待遇や雇用を確保するよう地方自治体を支援すること。

4.雇用と年金の確実な接続について
(1)定年引上げについては、「地方公務員法の一部を改正する法律」を踏まえ、遅くとも6月議会までに各地方自治体の条例整備等が円滑に進むよう、引き続き地方自治体を支援すること。
(2)定年引上げの実施に伴い生じる諸課題については、円滑な実施に向け、関係組合との十分な交渉・協議、合意に基づき対応するよう地方自治体に対し促すこと。とりわけ、管理監督職勤務上限年齢制の例外の適用については、各々の地方自治体の実情に応じた自主的・主体的な判断に委ねること。
(3)定年引上げまでの間は、雇用と年金の確実な接続を図るため、全ての自治体で再任用制度を確立し、職員の希望通りの再任用の実現と高齢期の生活を支える給与、適切な労働条件を確保すること。

5.公共サービス基本法に基づく適正な労働条件の確保等について
 公共サービス基本法に基づく良質な公共サービスが適正かつ確実に実施されるよう、自治体における公共サービス従事者の社会的に公正な賃金・労働条件を確保することとし、環境整備をはかること。

以 上