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公務公共サービス労働組合協議会 地方公務員部会
2024年度 公務労協情報 No. 21

地方公務員部会が全人連に対し民間給与実態調査等に関する要求書を提出-4/11

公務労協地方公務員部会は、4月11日に全国人事委員会連合会に対して民間給与実態調査に関する要求書を提出し、4月26日に要請書に対する回答を受領した。

 全人連への要請は、古矢議長(全水道委員長)、和田事務局長および幹事が出席した。全人連は、田中事務局長および事務局が対応した。
 冒頭、古矢議長は、要請書(別紙1)を手交し、「能登半島地震からの早期の復旧・復興に向け、公務・公共サービスに従事する職員は、高い使命感と責任感を持って懸命の奮闘を続けている。復旧・復興に従事する職員の安全衛生体制に配慮するための措置の構築や復旧・復興に従事する職員の継続的な人的支援及び要員の確保等が喫緊の課題である。また、各自治体職場においても、住民への安定的な行政サービスを提供するために、それぞれの持ち場で日夜自らの職務に全力を尽くしているが、その勤務環境は大変厳しいものとなっている。
 連合は、2024春季生活闘争方針において、「賃上げ分3%以上、定昇相当分を含む賃上げを5%以上」を目安とする方針のもと、「底上げ」「底支え」「格差是正」をめざし取組を進めている。大手企業では満額を含む、昨年以上の高い水準の回答が相次ぐ中、地方公務員部会も連合に結集し、公務・公共部門で働く全ての職員の待遇改善をめざし、諸課題に対する具体的な取組を進めてきた。
 物価高騰が続き、賃金が追いついていないという現状の中、職員が住民の期待に応え、より質の高い公務・公共サービスを確実に提供していくためには、職員の雇用の安定と賃金・労働条件の改善・確保が不可欠である。
 各人事委員会が、労働基本権制約の代償機関の立場から、中立かつ公正な第三者機関としての使命を十分に果たされるよう強く求めるとともに、下記事項の実現に向け最大限の努力を払われますよう要請する」と述べた。
 続いて、和田事務局長が要請事項について説明した上で、全人連としての努力を強く求めた。
 これに対して田中事務局長は「要望受け止めさせていただいた。職員の給与を巡る状況や柔軟な働き方などの社会経済の動向を注視していきたい。本日いただいた要請書については全国人事委員会連合会の会長及び全国の人事委員会にも共有をさせていただき、後日書面で回答をさせていただく」と答えた。
 地方公務員部会の要請に対する全人連の回答は(別紙2)の通り。

(別紙1)

2024年4月11日

全国人事委員会連合会
 会 長 中 西  充 様

公務公共サービス労働組合協議会
地方公務員部会議長 古矢 武士
( 公 印 省 略 )

民間給与実態調査等に関わる要請書

 

各人事委員会における地方公務員の賃金・労働条件の改善に向けたご努力に敬意を
表します。
 さて、能登半島地震からの早期の復旧・復興に向け、公務・公共サービスに従事する職員は、高い使命感と責任感を持って懸命の奮闘を続けています。復旧・復興に従事する職員の安全衛生体制に配慮するための措置の構築や復旧・復興に従事する職員の継続的な人的支援及び要員の確保等が喫緊の課題です。また、各自治体職場においても、住民への安定的な行政サービスを提供するために、それぞれの持ち場で日夜自らの職務に全力を尽くしておりますが、その勤務環境は大変厳しいものとなっています。
 連合は、2024春季生活闘争方針において、「賃上げ分3%以上、定昇相当分を含む賃上げを5%以上」を目安とする方針のもと、「底上げ」「底支え」「格差是正」をめざし取組を進めています。大手企業では満額を含む、昨年以上の高い水準の回答が相次ぐ中、地方公務員部会も連合に結集し、公務・公共部門で働く全ての職員の待遇改善をめざし、諸課題に対する具体的な取組を進めてきました。
 物価高騰が続き、賃金が追いついていないという現状の中、職員が住民の期待に応え、より質の高い公務・公共サービスを確実に提供していくためには、職員の雇用の安定と賃金・労働条件の改善・確保が不可欠です。
 各人事委員会が、労働基本権制約の代償機関の立場から、中立かつ公正な第三者機関としての使命を十分に果たされるよう強く求めるとともに、下記事項の実現に向け最大限の努力を払われますよう要請します。

1.2024年度の民間給与実態調査にあたっては、現行の比較企業・事業所規模を少なくと も堅持した上で、比較企業・事業所規模を引き上げるなど、抜本的な改善を検討するこ と。

2.民間賃金実態に基づく公民較差を精確に把握し、地方公務員の生活改善に向け、賃金 水準の積極的な引上げを行うこと。

3.「社会と公務の変化に応じた給与制度の整備」への対応については、国の制度を画一 的に強制することなく、地域の実情を踏まえ、関係組合との十分な交渉・協議に基づいて 対応すること。

4.諸手当の改定については、地域の実情及び職員の職務や生活実態を踏まえ、組合との 十分な交渉・協議に基づき進めること。

5.公立学校教員の賃金に関わり、引き続き、各人事委員会が参考としうるモデル給料表を 作成・提示すること。また、作成に当たっては、関係労働組合との交渉・協議、合意に基 づき進めること。

6.人事委員会の勧告に向けた調査や作業に当たっては、組合との交渉・協議、合意に基 づき進めること。

(別紙2)

令和 6 年4 月 26 日

要請に対する全人連会長回答

1月に発生した令和6年能登半島地震の被災地において、引き続き対応にあたられている全国の自治体職員の皆様に敬意を表します。

 4月11日の要請につきましては、早速、全国の人事委員会にお伝えしたところです。

 最近の経済状況を見ますと、去る4月23日に発表された政府の月例経済報告では、「景気は、このところ足踏みもみられるが、緩やかに回復している。」とし、「海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある。さらに、令和6年能登半島地震の経済に与える影響に十分留意する必要がある。」としています。

 本年の春季労使交渉では、多くの大手企業で、満額回答やそれを超える水準での早期妥結がみられる一方、中小企業の賃金引上げには、労務費を含む適切な価格転嫁が重要であると考えられています。

 中小企業では引き続き多くの企業で労使交渉が続いており、春季労使交渉の結果が公民較差や特別給の状況に影響を与えることから、今後の行方を注意深く見てまいります。

 こうした民間における賃金の状況を的確に把握するため、毎年、各人事委員会は、人事院と共同で民間給与実態調査を行っており、本年の調査期間は4月 22 日から6月 14 日までとしております。

 この度、要請のありました個々の内容は、各人事委員会において、調査結果や各自治体の実情のほか、社会経済の動向等を踏まえながら、本年の勧告に向けて検討していくことになるものと思います。

 私ども人事委員会の重要な使命は、中立かつ公正な第三者機関として、公務員の給与等の勤務条件について、社会情勢に適応した、適正な水準を確保することであると認識しております。

 全人連といたしましては、今後も各人事委員会の主体的な取組を支援するとともに、各人事委員会や人事院との意見交換に努めてまいります。

全国人事委員会連合会
会長 中西 充