国家公務員制度担当大臣、厚生労働大臣に要求書提出-8/10、11
公務員連絡会は、人事院報告・勧告、意見の申出が10日に行われたことを受けて、河野国家公務員制度担当大臣、田村厚生労働大臣に対し、勧告及び意見の申出の取扱いを検討するに当たっては、公務員連絡会と十分交渉・協議し、合意することを求める要求書(別紙)を提出した。
なお、政府は10日に給与関係閣僚会議を開催したが、引き続き、人事院勧告の取扱いについて協議していくこととしている。
要求提出の経過は次のとおり。
<国家公務員制度担当大臣への要求書提出の経過>
河野国家公務員制度担当大臣への要求書提出は、10日13時から行われ、委員長クラス交渉委員が出席した。
冒頭、武藤議長は、次のとおり要請した。
(1) 人事院は、本日、月例給の改定は行わない一方で、一時金の支給月数を0.15月引下げ、年間4.30月とする給与に関する勧告と公務員人事に関する報告、国家公務員の育児休業等に関する法律の改正についての意見の申出を行った。
今後、勧告の取扱い及び育児休業等に関する法律改正の検討にあたっては、われわれ公務員連絡会と十分に交渉・協議し、合意に基づく対応を求める。
(2) 河野大臣におかれては、超過勤務手当の全額支給をはじめ、長時間労働の是正に向けて、強力にリーダーシップを発揮していただいていることは大変心強く感じる。
われわれも組合の立場で、現場において労使がともに責任をもって、「真に超過勤務の縮減」がはかられるように取り組んでいく。是非、これまで以上に、政府との間でも、実効性確保に向けた建設的な議論を行っていきたいと思うのでよろしくお願いしたい。
(3) さて、第204通常国会において、国家公務員法等の一部を改正する法律案が可決・成立し、長年にわたる課題であった、定年の引上げが実現することとなった。今後は、円滑な定年引上げの実現をはかることが課題となる。大臣におかれては、本日のわれわれの要求事項の実現をはじめ、すべての職員が意欲を持って職務に精励し、国民の期待に応えられるよう、適切な賃金・労働条件の確保や要員の確保に向けて最大限のご努力をお願いしたい。
これに対し河野大臣は次のとおり回答した。
(1) 公務員の方々が国民全体のために献身的に職務に当たられていることに対し、敬意を表します。
(2) 本日、人事院から給与改定に関する勧告が提出されました。これを受けて、その取扱いの検討に着手したところです。
(3) 国家公務員の給与については、国家公務員の労働基本権制約の代償措置である人事院勧告制度を尊重するとの基本姿勢に立ち、国政全般の観点から、その取扱いの検討を進めてまいります。その過程においては、皆様方の意見も十分にお聞きしたいと考えています。
(4) また、育児休業制度に係る意見の申出も行われたところであり、皆様方の意見も十分にお聞きしつつ、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。
(5) 働き方改革については、これまで、残業の実態を明らかにするとともに、各府省に超過勤務手当の確実な支払いをお願いし、実現を図ってまいりました。
大切なことは、超過勤務手当の支払いがゴールなのではなく、長時間労働を見直し、職員がやりがいを持って、高い成果を効率的に上げられるよう、仕事の中身や働き方自体を見直すことだと考えます。そのために、各府省の幹部・管理職に対して業務の見直しに取り組むよう要請したところです。
これらの取組を進めてまいりますので、皆様方のご協力もお願いします。
<厚生労働大臣への要求書提出の経過>
田村厚生労働大臣への要求書提出は、11日10時35分から行われ、委員長クラス交渉委員が出席した。
冒頭、武藤議長は、要求の趣旨を説明し、「労働行政を所管する大臣におかれては、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保など、官民共通の課題の解決に向けた積極的な対応を求めるとともに、われわれの要求事項の実現に向けて最大限の努力を改めてお願いしたい」と求めた。
これに対し田村大臣は次のとおり回答した。
○新型コロナウイルス感染症へのご対応をはじめ、日々ご奮闘いただいていることに、感謝を申し上げる。
○本年の人事院勧告では、ボーナスについては引き下げるものの、月例給については改定を行わないことについて勧告されたところである。
○この人事院勧告については、現下の経済・雇用情勢を踏まえ、様々な角度から真剣かつ慎重な検討が加えられ、出されたものであると認識している。
○昨日の給与関係閣僚会議において、国家公務員の給与の取扱いについて協議が開始された。
私としては、人事院勧告制度を維持・尊重するという基本姿勢に立ち、国民の理解を得られるような結論を得るよう、関係閣僚間で誠意をもって検討を進めてまいりたい。
(別紙)人勧取扱に関わる政府宛要求書
2021年8月10日
内閣総理大臣
菅 義 偉 様
公務員労働組合連絡会
議 長 武 藤 公 明
(公 印 省 略)
本年の人事院勧告・報告等に関わる要求書
常日頃、職員の職務環境の整備や待遇改善にご努力いただいていることに敬意を表します。
さて、人事院は本日、月例給の改定は行わない一方で、一時金の支給月数を0.15月分引下げ、年間4.30月とする給与に関する勧告と公務員人事管理に関する報告、国家公務員の育児休業等に関する法律の改正についての意見の申出を行いました。
一方、新型コロナウイルス感染症対策という国民生活における喫緊かつ最重要な課題への対応をはじめ、発災から10年が経過した東日本大震災からの復興や近年多発する大規模自然災害への対応・対策など、職員の懸命な奮闘が続いています。
しかし、恒常的な要員の不足により、長時間労働が蔓延するなど厳しい状況は改善されておらず、職員が安心し安全に働くことのできる職場環境の整備や適切な要員と賃金労働条件の確保が必要です。
貴職におかれましては、職員が意欲を持って職務に精励し、国民の期待に応えられるよう、下記事項の実現に向けて最大限努力されることを要求します。
記
勧告及び意見の申出の取扱いを検討するに当たっては、公務員連絡会と十分交渉・協議し、合意すること。
以 上
2021年8月11日
厚生労働大臣
田 村 憲 久 様
公務員労働組合連絡会
議 長 武 藤 公 明
(公 印 省 略)
本年の人事院勧告・報告等に関わる要求書
常日頃、職員の職務環境の整備や待遇改善にご努力いただいていることに敬意を表します。
さて、人事院は昨日、月例給の改定は行わない一方で、一時金の支給月数を0.15月分引下げ、年間4.30月とする給与に関する勧告と公務員人事管理に関する報告、国家公務員の育児休業等に関する法律の改正についての意見の申出を行いました。
一方、新型コロナウイルス感染症対策という国民生活における喫緊かつ最重要な課題への対応をはじめ、発災から10年が経過した東日本大震災からの復興や近年多発する大規模自然災害への対応・対策など、職員の懸命な奮闘が続いています。
しかし、恒常的な要員の不足により、長時間労働が蔓延するなど厳しい状況は改善されておらず、職員が安心し安全に働くことのできる職場環境の整備や適切な要員と賃金労働条件の確保が必要です。
貴職におかれましては、職員が意欲を持って職務に精励し、国民の期待に応えられるよう、下記事項の実現に向けて最大限努力されることを要求します。
記
勧告及び意見の申出の取扱いを検討するに当たっては、公務員連絡会と十分交渉・協議し、合意すること。
以 上