TOP 公務労協情報 超過勤務の縮減に向けて協力を要請
-国公関係部会が各政党と意見交換を実施-
公務公共サービス労働組合協議会 公務労協
2023年度 公務労協情報 No. 17

超過勤務の縮減に向けて協力を要請
-国公関係部会が各政党と意見交換を実施-

 公務労協国家公務員関係部会は「国家公務員の超過勤務時間の縮減に関する要請」を各政党に対して実施した。国家公務員関係部会からは、中村議長をはじめ、各構成組織の書記長らが出席した。
 要請では、本年1月に内閣人事局が公表した「国会対応業務に関する実態調査」の結果を見ても、いわゆる国会対応業務(各議員へのレクや質問に対する答弁作成業務等)に係る超過勤務の縮減について改善の兆しが見られていないこと、国会対応は霞が関のみならず、内容によっては、地方に勤務する職員にも影響を与えること等を説明した上で、長時間労働の大きな要因の一つとなっている国会審議について、超過勤務時間の縮減に向けた協力と質問通告に関する申し合わせ等の徹底、オンラインレクの有効活用をもとめた。
要請行動の際の各政党との意見交換等は次のとおり。

○立憲民主党
・要請日:2月27日
・出席者:大島敦企業・団体交流委員長、杉尾秀哉内閣部門長、吉田忠智公務員PT座長代理、小沼巧公務員PT事務局長代理、神谷裕衆議院議員、道下大樹衆議院議員、岸真紀子参議院議員、鬼木誠参議院議員
・議員からの発言概要:党全体として受け止め、できることは徹底して取り組んでいく。今までもオンラインレクの実施等、努力を重ねているが、答弁書作成の手順を見直すことや、国会質疑のあり方そのものを考え直す必要があるのではないかと感じている。一方で、国会運営は与野党間の緊張関係などもあるため、慎重にならざるを得ない面もある。要請内容を衆参ともに伝え、引き続き改善のための努力を続けていきたい。

○国民民主党
・要請日:3月9日
・出席者:玉木雄一郎代表、古川元久企業団体委員長、舟山康江参議院議員会長、浜口誠役員室長、浅野哲青年局長、伊藤孝恵組織委員長、竹詰仁参議院議員
・議員からの発言概要:霞ヶ関の人材が国会対応業務等による超過勤務によって辞めてしまっている現状について、危機感を共有していきたい。一方で、委員会の開催が直前に決まることもあり、前々日の正午までの質問通告が現実的に厳しい側面があることはご理解いただきたい。

○公明党
・要請日:3月24日
・出席者:佐藤英道労働局長、福重隆浩労働局次長
・議員からの発言概要:前々日の正午までとする通告時間は厳格なものであり、国家公務員に優秀な人材を確保するためにも、いわゆるブラックな労働環境を変えることは極めて重要である。国会開会中と閉会中それぞれの超勤時間の見える化も重要であると考える。

《別紙》要請書

2023年○月○○日


(政党名)
(代表・党首名)


                     公務公共サービス労働組合協議会(公務労協)
                        国家公務員関係部会 議長 中村 恭士

国家公務員の超過勤務時間の縮減に関する要請書

 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げますとともに、平素よりの格別のご指導に改めて厚く御礼を申し上げます。
 さて、国家公務員職場においては、2019年4月より人事院規則において超過勤務命令の上限が定められる一方で、大規模災害への対処等の重要な業務であって特に緊急に処理することを要する業務(特例業務)に対しては、上限を超えて超過勤務を命ずることができるとされており、超過勤務時間増大の大きな要因となっています。一方、各府省では、上限を超えて超過勤務を命じた場合、当該超過勤務に係る要因の整理、分析及び検証を行わなければならないこととされており、昨年5月に人事院から公表された、令和2年度の状況をみても、いわゆる国会対応業務(各議員へのレクや質問に対する答弁作成業務等)に係る超過勤務の縮減が大きな課題となっています。
 しかしながら、本年1月に内閣人事局が公表した「国会対応業務に関する実態調査」の結果を見ても、残念ながら改善の兆しが見られていないことが明らかです。また、国会対応は霞が関のみならず、内容によっては、地方に勤務する職員にも影響を与えるものであることから、私どもとしても見過ごせない問題であると認識しているところです。
 つきましては、この機会に改めて、国家公務員の超過勤務時間の縮減に向けて、下記事項について、ご協力いただきますよう要請いたします。

1.各省各庁の長の判断に委ねられている他律的業務の中で、長時間労働の大きな要因の一つである国会審議への対応について、国会運営のあり方も含めて、超過勤務時間の縮減に向けた協力をはかること。

2.国会審議における質問通告については、この間の国会における申し合わせ等を踏まえ「前々日の正午までの質問通告」を再度徹底するほか、オンラインレク等を有効に活用して対応を行うこと。

以上