国家公務員関係部会が2023春季生活闘争学習集会を開催-2/17
公務労協国家公務員関係部会は、2月17日、ウェブと対面を併用して2023春季生活闘争学習集会を開催した。
集会の冒頭、中村議長(林野労組委員長)が主催者を代表して、「連合は5%程度の賃上げを目標に掲げ、各構成組織が要求内容を決定し、取組の強化が図られているところ。このような中、日本では欧米と比べコストの増加を販売価格に転嫁できていないと言われており、立場が弱い中小企業にしわ寄せが集まっているのが現状だ。そのような状況で、厚労省の毎勤統計における令和4年分の実質賃金は前年比0.9%減となっており2年ぶりに前年を下回っている。一方で、経団連は賃上げを社会的責務としてベアを前向きに検討しているものの、要求水準自体については慎重な検討が必要であると言及している。企業間取引の適正な価格転嫁が必要であり、大企業が誠実に対応することが求められる中で、経営側は責任ある対応を示さなければならない。各組織においては、就業規則と労働協約を同列とみなす当局や、人勧準拠が当然として、交渉のテーブルにもつかない当局に対し、そのような姿勢を質していくことが求められており、国公関係部会としても追求していかなければならない。労働組合として、日本経済が置かれている現状や実態を把握し、自主交渉、自主決着という基本姿勢を堅持しながら当局に要求を突きつけていくことが求められている。また、職員数が減少し続ける中、業務量は増え続け、超過勤務が引き続き問題となっている実態が報告されている。当局には職場実態を踏まえた課題の解消をしっかりと求めることが必要だ。本学習集会でしっかり学習し共有を図り、国公関係部会の取組の意思統一が図られることをお願いする」と決意を述べた。
続いて、エコノミストの崔真淑(さいますみ)さんより「2023年度の経済展望~働き手の環境はどう変わる~」として講演をいただき、今後の日本経済について、輸出産業の回復、訪日旅行者によるインバウンドの回復により緩やかな回復が期待されるとする展望、一方で物価、金利の側面からみたリスク要因の分析をいただき、日本経済の現状と展望について理解を深めた。また、公的セクターにおけるケースも交えながら、今後の働く環境の変化等の展望についても言及いただいた。
その後、高柳事務局長が「テレワーク等の柔軟な働き方研究会」、人事院「社会と公務の変化に応じた給与制度の整備」をめぐる情勢等について報告し、取り組みの確認を行った。