TOP 公務労協情報 国家公務員制度担当大臣に要求書提出-8/8
~勧告通りに実施する閣議決定を速やかに行うことを求める~
公務公共サービス労働組合協議会 公務員連絡会
2024年度 公務労協情報 No. 33

国家公務員制度担当大臣に要求書提出-8/8
~勧告通りに実施する閣議決定を速やかに行うことを求める~

公務員連絡会は、人事院報告・勧告が8日に行われたことを受けて、河野国家公務員制度担当大臣に対し、本年の給与改定勧告について、勧告通り実施する閣議決定を行い、所要の法案を国会に提出することを求める要求書(別紙)を提出した。
なお、政府は8日に給与関係閣僚会議を開催したが、引き続き、人事院勧告の取扱いについて協議していくこととしている。要求提出の経過は次のとおり。

河野国家公務員制度担当大臣への要求書提出は、8日16時から行われ、委員長クラス交渉委員が出席した。
冒頭、武藤議長は、次のとおり要請した。
(1)人事院は、本日、本年の給与に関する勧告・報告を行うとともに、国家公務員育児休業法等の改正を求める「意見の申出」などを行った。
(2)本年の月例給については、初任給の大幅な引上げを始め若手を中心とした賃金改善を行った上で、そこから改定率を逓減させる形で全職員の俸給表の改定を行うものである。このことは、「昨年を上回る全職員の月例給の引上げ」を求めてきた私どもの立場からすれば、課題はあるものの一定評価できるものと受け取っている。
(3)また、一時金については、期末手当、勤勉手当の双方合わせて0.1月引き上げることが勧告された。この点も、組合員の期待に一定程度応えたものと受け止めているところである。
(4)その上で、政府におかれては、人事院勧告が労働基本権制約の代償措置であることや、国家公務員給与が民間給与に影響する観点を踏まえ、賃上げによる一層の経済の好循環をめざし、本年の勧告通りに実施する閣議決定を速やかに行い、所要の法案を国会に提出することを求めておきたいと思う。
(5)河野大臣におかれては、長時間労働の是正など、公務職場の働き方改革の推進に当たり、リーダーシップを発揮していただいていることに心から敬意を表する。また本年6月には、来年度以降の定員管理に関して、「国の行政機関の機構・定員管理に関する方針」の一部変更も行われ、合理化目標数の見直しなどが決定された。現場の要員確保の厳しさを訴え、見直しを求めてきた立場からしっかりと受け止めたいと思う。
(6)引き続き、われわれも組合の立場で、労使がともに責任をもって、明るく働きがいのある職場の実現がはかられるように取り組んでまいる。是非、これまで以上に、政府との間でも、建設的な議論を行っていきたいと思いますし、適切な賃金・労働条件の確保や要員の確保に向けて、大臣には、最大限のご努力をお願いしたいと思う。

 これに対し河野大臣は次のとおり回答した。
〇まず、職員の皆様が国民全体のために献身的に職務に当たられていることに対し、敬意を表する。
〇本日、人事院から給与改定に関する勧告が提出された。これを受けて、その取扱いの検討に着手したところである。
〇国家公務員の給与については、国家公務員の労働基本権制約の代償措置である人事院勧告制度を尊重するとの基本姿勢に立ち、国政全般の観点から、その取扱いの検討を進めてまいる。
その過程においては、皆様方の意見も十分にお聞きしたいと考えている。
〇また、国家公務員の育児休業等に関する法律の改正についての意見の申出も行われたところであり、皆様方の意見も十分にお聞きしつつ、必要な対応を検討してまいりたいと考えている。
〇優秀な人材の確保のために長時間労働を是正し、国家公務員の働き方改革を実現するため、様々な取組を進めている。
引き続き、現場の実情を含め、皆様からもご提案をいただきながら、前に進めますのでご協力をお願いする。


(別紙)人勧取扱に関わる政府宛要求書

2024年8月8日

内閣総理大臣
 岸 田 文 雄 様

公務員労働組合連絡会
議 長  武 藤 公 明
(公 印 省 略)

本年の人事院勧告・報告に関わる要求書

 常日頃、職員の職務環境の整備や待遇改善にご努力いただいていることに敬意を表します。
 さて、人事院は8月8日、月例給の民間給与との較差が2.76%(11,183円)であるとして、初任給の大幅な引上げを始め、若年層を中心に賃金改善を図った上で、全職員の俸給表を改定すること、一時金の支給月数を0.10月分引上げ、年間4.60月とする給与に関する勧告・報告を行うとともに、「社会と公務の変化に応じた給与制度の整備」(勧告)等を含む公務員人事管理に関する報告を行いました。
 本年の給与改定に関する勧告は、昨年以上に高水準となった民間企業の春季交渉の結果を踏まえたものです。加えて、物価高騰のもと2年を超える実質賃金の前年比マイナス等の影響により、職員の生活は一層厳しい状況に陥っており、そうした状況を改善するためにも、勧告通りの実施を求めます。
「社会と公務の変化に応じた給与制度の整備」については、昨年示された骨格案に基づき措置内容の成案が示されましたが、その実施に当たっては、様々な立場の職員に理解されるよう丁寧な説明が行われる必要があります。
また、民間法改正に即した柔軟な働き方の実現や両立支援制度の強化等を法改正する意見の申出等に基づいた措置が、育児や介護に携わる職員のワークライフバランスと雇用の継続確保に資するよう、職場環境の整備が必要です。併せて、長時間労働の是正については、恒常的な要員不足等により超過勤務の縮減が遅々として進んでおらず、今まで以上に実効性ある施策を打ち出し、労使がともに責任をもって取り組んで行くことが強く求められます。
 貴職におかれましては、職員が意欲を持って職務に精励し、国民の期待に応えられるよう、下記事項の実現に向けて最大限努力されることを要求します。

本年の給与改定勧告及び国家公務員育児休業法等の改正を求める意見の申出につい
て、勧告・申出通り実施する閣議決定を行い、所要の法案を国会に提出すること。

以上