TOP 公務労協情報 厚生労働大臣に要求書提出-8/26
~勧告通りに実施する閣議決定を速やかに行うことを求める~
公務公共サービス労働組合協議会 公務員連絡会
2024年度 公務労協情報 No. 36

厚生労働大臣に要求書提出-8/26
~勧告通りに実施する閣議決定を速やかに行うことを求める~

 公務員連絡会は、人事院報告・勧告が8日に行われたことを受けて、武見厚生労働大臣に対し、本年の給与改定勧告について、勧告通り実施する閣議決定を行い、所要の法案を国会に提出することを求める要求書(別紙)を提出した。
 なお、政府は8日に給与関係閣僚会議を開催したが、引き続き、人事院勧告の取扱いについて協議していくこととしている。要求提出の経過は次のとおり。

 武見厚生労働大臣への要求書提出は、26日15時50分から行われ、武藤議長、石上副議長、森永事務局長が出席した。
 冒頭、武藤議長は、次のとおり要請した。
(1)人事院は、8月8日、本年の給与に関する勧告・報告を行うとともに、国家公務員育児休業法等の改正を求める「意見の申出」などを行った。
(2)本年の月例給については、初任給の大幅な引上げを始め若手を中心とした賃金改善を行った上で、そこから改定率を逓減させる形で全職員の俸給表の改定を行うものである。このことは、「公務における人材確保」とともに「全職員の月例給の引上げ」を求めてきた私どもの立場からすれば、課題はあるものの一定評価できるものと受け取っている。
(3)また、一時金については、期末手当、勤勉手当の双方合わせて0.1月引き上げることが勧告された。この点も、組合員の期待に一定程度応えたものと受け止めているところである。
(4)その上で、政府におかれては、勧告当日に持ち回りによる第1回目の給与関係閣僚会議を開催していると承知しているところである。人事院勧告が労働基本権制約の代償措置であることや、国家公務員給与が民間給与に影響する観点を踏まえ、賃上げによる一層の経済の好循環を図るためにも、本年の勧告通りに実施する閣議決定を速やかに行い、所要の法案を国会に提出することを求めておきたい。
(5)武見大臣におかれては、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保など、官民共通の課題の解決に向けた積極的な対応を求めるとともに、われわれの要求事項の実現に向けて最大限の努力を改めてお願いしたい。

 これに対し武見大臣は次のとおり回答した。
○公務において、様々な業務に日々ご奮闘いただいていることに、深く感謝を申し上げる。
○本年の人事院勧告では、昨年に引き続き、月例給・ボーナスの引き上げや、諸手当にわたる給与制度のアップデートの勧告がなされ、また、国家公務員の育児休業法について、民間労働法制の内容を踏まえた改正を実施するよう意見の申し出があったと承知している。
○この人事院勧告等については、現下の経済・雇用情勢を踏まえ、様々な角度から真剣かつ慎重な検討が加えられ、出されたものであると認識している。
○8月8日の給与関係閣僚会議において、国家公務員の給与の取扱いについて協議が開始された。私としては、国家公務員の労働基本権制約の代償措置である人事院勧告制度を維持・尊重するという基本姿勢に立ち、国民の理解を得られるような結論を得るよう、関係閣僚間で誠意をもって検討を進めてまいりたいと考えている。


(別紙)人勧取扱に関わる政府宛要求書


2024年8月26日

厚生労働大臣
 武 見 敬 三 様


公務員労働組合連絡会
議 長  武 藤 公 明
(公 印 省 略)

本年の人事院勧告・報告に関わる要求書

 常日頃、職員の職務環境の整備や待遇改善にご努力いただいていることに敬意を表します。
 さて、人事院は8月8日、月例給の民間給与との較差が2.76%(11,183円)であるとして、初任給の大幅な引上げを始め、若年層を中心に賃金改善を図った上で、全職員の俸給表を改定すること、一時金の支給月数を0.10月分引上げ、年間4.60月とする給与に関する勧告・報告を行うとともに、「社会と公務の変化に応じた給与制度の整備」(勧告)等を含む公務員人事管理に関する報告を行いました。
 本年の給与改定に関する勧告は、昨年以上に高水準となった民間企業の春季交渉の結果を踏まえたものです。加えて、物価高騰のもと2年を超える実質賃金の前年比マイナス等の影響により、職員の生活は一層厳しい状況に陥っており、そうした状況を改善するためにも、勧告通りの実施を求めます。
「社会と公務の変化に応じた給与制度の整備」については、昨年示された骨格案に基づき措置内容の成案が示されましたが、その実施に当たっては、様々な立場の職員に理解されるよう丁寧な説明が行われる必要があります。
また、民間法改正に即した柔軟な働き方の実現や両立支援制度の強化等を法改正する意見の申出等に基づいた措置が、育児や介護に携わる職員のワークライフバランスと雇用の継続確保に資するよう、職場環境の整備が必要です。併せて、長時間労働の是正については、恒常的な要員不足等により超過勤務の縮減が遅々として進んでおらず、今まで以上に実効性ある施策を打ち出し、労使がともに責任をもって取り組んで行くことが強く求められます。
 貴職におかれましては、職員が意欲を持って職務に精励し、国民の期待に応えられるよう、下記事項の実現に向けて最大限努力されることを要求します。

本年の給与改定勧告及び国家公務員育児休業法等の改正を求める意見の申出について、勧告・申出通り実施する閣議決定を行い、所要の法案を国会に提出すること。

以上