委員会の勧告(連合仮訳)
上記の中間的な結論に照らし、委員会は、次の勧告を承認するよう理事会に要請する。
(a) 政府は、公務員に対する労働基本権の現行の制約を維持するとの公表した意図を再検討すべきである。
(b) 委員会は、この問題ついてより広範な合意を得るために、また、法令を改正してそれを結社の自由の原則に適合させる観点から、公務員制度改革の理念と内容について、全ての関係者と全面的で率直かつ有意義な協議が直ちに実施されるよう強く要請する。これらの協議は、日本の法令および/又は慣行が第87号条約および98号条約の規定に違反していることに関して、次の事項を特に取り上げるべきである。
(@) 消防職員と監獄職員に自らの選択に基づく団体を設立する権利を付与すること
(A) 地方レベルにおける登録制度を修正し、事前承認に等しい処置にとらわれることなく自らの選択に基づき団体を設立できるようにすること
(B) 公務員組合がその専従役員の任期を自ら決定できることを容認すること
(C) 国家の運営に直接関与しない公務員に、結社の自由の原則に則り団体交渉権とスト権を付与すること
(D) 結社の自由の原則の下で団体交渉権とスト権のいずれか若しくは双方が合法的に制限又は禁止されうる労働者に関して、彼らの利益を守るための不可欠な手段を剥奪された職員に十分に代償するため、国および地方レベルにおける適切な手続きおよび機関を設立すること
(E) ストライキ権を正当に行使する公務員が重い民事上又は刑事上の制裁に服さないための法令の改正を行うこと
(c) 委員会は政府および連合に対し、独立行政法人に移行した18,000人の職員が事前承認なしに自ら選択する団体を設立し、又は加入することが出来るかどうかの情報を提供するよう要請する。
(d) 委員会は政府に対し、大宇陀町(奈良県)事件に関する判決を委員会に情報提供するよう要請する。
(e) 委員会はまた政府に対し、公務における団体交渉事項の範囲に関し労働組合と意義ある対話を行うよう要請する。
(f) 委員会は政府および申立人に対し、不当労働行為の救済の手続きに関し、現行の法律および慣行についてのさらなる情報を提供するよう要請する。
(g) 委員会は政府に対し、上記の全ての課題の進展について情報提供し続けること、および提案される法案のコピーの提供を要請する。
(h) 委員会は政府に対し、望むのであれば、事務局による技術支援を利用することができることにつき、注意を喚起する。
(i) 委員会は、この事案の法的な側面について、条約勧告専門家委員会の注意を喚起する。
以上