今次2002新賃金事案の仲裁委員会の事情聴取が、本日午後1時30分から行われた。
国営企業部会6組合は、それぞれの事情聴取において、仲裁申請に至るまでの交渉経過を説明するとともに、@当局側として調停の経緯を踏まえ、これを尊重した回答をすべきA先の調停作業の経緯を踏まえ、その後、8月29日に厚生労働省が発表した本年の民間企業の賃上げ率1.66%を基礎とすれば、労使共に納得できる解決案の作成は可能であり、速やかな仲裁作業、などを主張した。
これに対して、各当局は「基準内賃金を2%程度引き下げる必要がある」との回答を突如行ってきた。各組合は、この当局回答に対し、「@当局側は調停の経緯を踏まえた回答をすべきであり、当局の回答については、調停の経緯無視、団交権の放棄であり認められないA月例賃金の引き下げには絶対反対Bこれまでの民間賃金準拠を原則とした国営企業の賃金システムを踏襲し、本年度の賃金決定にあたっても、民間賃金準拠を基本として決定すべきである。このことは、労使間のみならず中労委、公・労・使委員の共通の認識と立場であるC今日まで一切の具体的回答を示しえなかった当局が人勧をみて初めて見解を示してきたこと自体、団体交渉権の否定であり、その見識を疑う。また、団体交渉の中では、一切の具体的回答を示さず、事情聴取で初めて数値に言及することは団体交渉の経緯無視であるD人事院勧告と仲裁裁定の格差の存在は明らかであり、人勧並みのマイナスの主張以前に、この格差を解消すべきE本年の人勧において、2.03%ものマイナス勧告となった要因の半分は、公務員の給与水準の自然増分と言われており、こうした要因を含んだ人勧の数値を、賃金システムの全く違う国営企業の賃金決定の判断材料とすることは適当ではない」など、厳しく反論した。
事情聴取の最後に、各組合は@調停作業の経緯と、その後、8月29日に厚生労働省が発表した本年の民間主要企業の賃上げ率1.66%を基礎とすれば労使共に納得できる解決案の作成は可能A当局回答の「2%程度の回答」は、団体交渉の経緯、調停段階の経緯及び再開後の団体交渉の経緯をも無視したもので、絶対認められない。調停の経緯を尊重した再回答を行うよう当局に強く求める、との主張を行った。
事情聴取終了後、労働者委員が意見陳述を行った。
今後、国営企業部会6組合は、仲裁裁定の早期提示に向け、さらに取り組みを強化していくこととした。
以上