2002年度公務員連絡会情報 11 |
2001年11月28日
公務員労働組合連絡会 |
地方財政審議会第3回地方公務員共済組合分科会開催される−11/28
−退職共済年金(報酬比例部分)の繰上げ支給制度を確認−
11月28日、地方財政審議会第3回地方公務員共済組合分科会が開かれ、協議事項として、「地方公務員等共済組合法施行令及び地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令の一部を改正する政令案について」が提案され、確認された。また、報告事項として、@「地方公務員等共済組合法施行令の一部を改正する政令について」A「公務員共済年金財政単位一元化研究会について」が報告された。
分科会では、最初に「地方公務員等共済組合法施行令及び地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令の一部を改正する政令案について」が提案された。
この政令案は、退職共済年金(報酬比例部分)の支給開始年齢が2013年から65歳支給開始に繰り延べされていくことに対応した措置で、退職共済年金の繰り上げ支給を可能とする制度を設けるとともに、繰上げ支給を受ける場合には、退職共済年金から、退職共済年金×1000分の5×請求した月から65歳到達月の前月までの月数を減額するというもの。
この提案に対して、吉澤分科会委員(自治労労働局次長)は、将来制度に対して組合員に安心感を付与するという意義を認めつつも、@適用が10年以上先となることから、1000分の5という減額率の妥当性と可変性について、A現在、一部の自治体では高齢再任用制度が条例化されていない実態があり、今後の60歳代前半の雇用確保に係る動向等を考慮して制度化をはかる必要性について、また、地公研報告で指摘されている定年延長との関係性について、総務省の見解を質した。
これに対して原幹事(総務省福利課長)は、質問@について、「減額率は、現在の生命表に基づき、平均寿命の伸び、予定運用利回りの低下、スライド率、繰上げ受給者の死亡率等の技術的要因を踏まえ、諸外国の減額率などの要因を総合的に勘案して設定したものである。可変性については、将来的に平均寿命、予定運用利回り等の基礎的な数字が変更された場合は、減額率が変更されることもありうる」、また、質問Aについて「現在、地方公務員の定年は60歳であり、民間でも65歳定年という会社は限られているのが実態である。全体的には雇用確保の努力が必要であるが、当面は、高齢再任用制度を着実に進めていくために必要な助言を行いたい」と答えた。
続いて、報告事項として、@「地方公務員等共済組合法施行令の一部を改正する政令について」、A「公務員共済年金財政単位一元化研究会について」が報告された。@「地方公務員等共済組合法施行令の一部を改正する政令について」は、11月21日に成立した給与法案の附則で、特例一時金が地方公務員共済組合の特別掛金の対象とされたことを受けた措置で、特別掛金の標準となる手当て等の範囲を政令に委任している一部の組合員(地方公営企業職員等)について、特例一時金に相当する給与を特別掛金の対象とするというもの。また、A「公務員共済年金財政単位一元化研究会について」では、10月3日に第1回公務員共済年金財政単位一元化研究会が開催されたことが報告され、メンバー、研究会の位置付け、検討項目などの議事要旨と資料が示された。
この報告Aに対して、吉澤分科会委員は、長期給付事業の財政窮迫組合が、積立金の一部を受給者への年金給付に充ており、将来的に貸付などの福祉事業の運営に影響を及ぼしかねない事態となっていることにふれ、平成16年以降の地方公務員共済組合の財政制度については、現行制度を維持するのか、新たな制度を構築するのかについて関係者の合意形成に基づいて検討されるものである。しかし、平成16年の財政再計算までの期間は、現行の財政システムのもとで対応しなければならない。財政窮迫組合で貸付などの福祉事業の運営に影響を及ぼしかねない場合の総務省の見解について質した。
これに対して、原幹事は、「総務省等で検証を行った結果、平成16年までに福祉事業の運営に影響を及ぼすような状況が生じる単位共済組合はないと見込んでいる。仮に検証の前提条件以上に財政状況が悪化した場合でも、福祉事業に対する貸付金の割合に関する特例承認の適用を行えば影響はない。また、その規準を超えて財政が窮迫した場合でも、全国市町村職員共済組合連合会の第一預託金管理経費貸付金制度で対応することが可能である」と答えた。
以上