2002年度公務員連絡会情報 14 2001年12月10日

公務員労働組合連絡会

地公部会が公務災害認定基準の改善を申入れ−12/7

 公務員連絡会地公部会は7日午後1時30分、労災認定基準改正に連動した公務災害の認定基準が改正されることを視野に入れ、地方公務員災害補償基金に対し、公務災害認定基準の改善に関する申入れ(別紙)を行った。
 11月15日、厚生労働省は、「脳・心臓疾患の認定基準に関する専門検討会」の検討結果(方針)を出した。この報告書では、「長期間にわたる疲労の蓄積」が脳・心臓疾患の発症に影響を及ぼすことが考えられるため、発症前6ヶ月間における業務による疲労の蓄積や不規則な勤務、交替制勤務など労働態様や精神的負荷についても労働時間以外の要因として考慮するとの検討結果をまとめている。厚生労働省は、検討結果を踏まえ、早急に脳・心臓疾患の認定基準を改正することとしているが、この日の申入れはこの措置に対応した基金の考え方とスケジュールの明示を求めたもの。
 公務員連絡会からは岩本事務局次長ほか地公部会幹事が出席し、地方公務員災害補償基金からは、上田事務局長、福島課長、横田次長が対応した。
 冒頭、岩本事務局次長より、「12月に入るとすぐ、厚生労働省から労災についての新基準通知が出されると聞いている。基金としても、脳・心臓疾患認定についての新基準適用をお願いしたい」との意見を述べた。
 上田事務局長からは、「労災の認定基準改正の成果をできる限り反映したい。これまでも地公災が先駆的に取り組んできた部分もある。今回の見直しは、従来の基準を踏み出しており、それを検討しながら、体系化し、何らかの指針になるものを作っていきたい」との回答がされた。福島課長からは、「この間、どう地公災に取り入れていくのか検討してきた。労災の基準改正にそごのないよう考えていきたい」との回答があった。
 地公部会が、認定基準改正の日程について確認したところ、基金からは、「労災と同日の通知を考えている。もう近々であると思う」との回答がされた。
 さらに、「80時間とか100時間とか、数字で区切るとなると機械的な対応となるのではないか。立証への負担についてどう考えるか」との質問に対し、基金からは、「一定の数値を超えていれば他の要素は不要ということ。足りないからダメとはならない。証拠調べというのは第三者から見てもわかるものが必要ということであって、加重がかかるものにはしない。100時間とか、時間にこだわるということはない。仕事の質や要件も見る」と回答した。
 また、「今までのもの、訴訟中の事案についてはどうするのか」という質問に対し、基金は、「新認定基準が出された際に未決のものは、新たな基準で判断される。ただし、いままでも認定の際には検討を行ってきているので、今回の改正で大幅に認定が広がるというわけではない」と回答した。
 最後に、「新しい基準に変わった時には、労働側参与への説明会等を行ってほしい」との地公部会の要望に対し、基金からは「できるだけすみやかに行いたい」との回答がされた。



(別紙)

2001年12月7日

地方公務員災害補償基金
 理事長 山崎宏一郎 様

公務員労働組合連絡会地方公務員部会
全日本自治団体労働組合      
中央執行委員長 大原義行
日本教職員組合          
中央執行委員長 榊原長一
日本都市交通労働組合       
中央執行委員長 松島 稔
全日本水道労働組合        
中央執行委員長 足立則安
全国自治団体労働組合連合     
中央執行委員長 武田幸男
                 

公務災害認定基準の改善に関する申入れ


 貴職の自治体職場における安全衛生の確立と地方公務員の災害補償にむけたご努力に敬意を表します。
 さて、労災保険制度において、脳・心臓疾患の認定基準の改善措置がとられようとしております。基金においても、この問題について専門家による検討が行われていると聞いているところです。
 「過労死」や「突然死」が労働現場に多発し、大きな社会問題になっているなか、この救済が急がれなければなりません。
つきましては下記事項の実現に向けてご尽力を頂きますようお願い申しあげます。



1、脳・心臓疾患について、被災職員を救済する立場から公務災害認定基準を改善するとともに、速やかに新しい認定基準を実施すること。

以上