公務員連絡会地公部会は、12月21日、全国人事委員会連合会に対し、別紙に基づき申入れを行った。公務員連絡会からは、岩本事務局次長ほか地公部会幹事・労働条件専門委員が参加、全国人事委員会連絡会からは、砂岡事務局次長が対応した。
申入れにあたり、岩本事務局次長は、「人事院は民間給与実態調査方法の見直しを行うとし、1月末までに調査手法を確定しようとしている。昨日(12/20)、人事院は全人連を通じ、全国の人事委員会の担当者を集め、見直しの基本的考え方を提示し、説明を行ったと聞いている。先に公務員連絡会として、人事院に対し申入れを行ったところであるが、全国の人事委員会を束ねている全人連に対しも、申し入れをさせていただく」とし、申入れ書を手交した。
これに対し砂岡事務局次長は、「公務員連絡会地公部会の皆さんから申入れがあったことは、全人連会長および全国の人事委員会に伝える。様々な社会諸制度の変革期に際して、国においては公務員制度の見直し作業が進められており、そこでは人事制度と裏腹の関係にある給与の課題も検討されていると聞く。公務を取り巻く情勢も厳しく、今次の都議会では、給与削減特例条例をめぐって厳しい討議も行われた。人事委員会の使命は公務員給与を適正に確保することにあるが、厳しい環境の中にあっては、一層、住民の理解や納得をもって適正な給与水準を確保することが必要だと考えている。全人連としては、今後とも、必要な情報提供を行っていきたいと考えている」とし、全人連の基本的立場を説明した。
これに対し公務員連絡会側は、大都市地域は見直しの影響は少ないだろうが、地方では企業数や事業所数が少なく、したがって見直しによりデータが急激に変化するなどの事態が生じることを心配しているとし、昨日の説明会における人事院の基本的考え方の内容を質したのに対し、全人連側は、概要、以下の通り回答した。
@昨日、人事院は全国の人事委員会の担当者を集め説明会を行ったが、そこでは、民調の精度を一層高め、住民の納得性を確保するため、層化(民調対象となる県内企業のグループ化)と抽出方法について見直しを行いたいとし、基本的な考え方を提示してきた。
A具体的にどうするかについては、人事院と各人事委員会が協議しながら、人事委員会ごとに決定することとなる。年明け後、人事院は各人事委員会ごとに個別に協議することとなるが、その中で地域の事情を勘案していくとしている。1月末までにさらに全国の人事委員会を招集することはなく、今回示された基本的な考え方に沿って、個々具体的な協議を各人事委員会と行っていくということである。
Bまた、企業規模100人、事業所規模50人という基本的枠組みは、今日の見直しでは変更しないと説明していた。
最後に連絡会側が、「民調方法見直しに関わる組合員の関心は高い。今後とも格段の配慮を願いたい」と要請し、本日の申入れを終えた。
(なお、地公部会の申入れ本文中の「別紙人事院への申入れ」は送付しません)
2001年12月21日
全国人事委員会連合会
会長 眞仁田 勉 様
公務員労働組合連絡会地方公務員部会
全日本自治団体労働組合
中央執行委員長 大原義行
日本教職員組合
中央執行委員長 榊原長一
日本都市交通労働組合
中央執行委員長 松島 稔
全日本水道労働組合
中央執行委員長 足立則安
全国自治団体労働組合連合
中央執行委員長 武田幸男
民間給与実態調査方法の見直しに関する申入れ
貴職の地方公務員の賃金・労働条件の改善に向けたご努力に敬意を表します。
さて、人事院は民間給与実態調査方法の見直しを行うこととしており、年明けにも調査手法を確定しようとしております。この調査は、人事院と人事委員会の共同調査であるため、それぞれの人事委員会の調査を直接規定することとなります。
国家公務員については、公務員連絡会として人事院に対し別紙「民調の見直しに関する申入れ」を行い、現在協議を行っているところでありますが、地方公務員につきましてもこの申入れの趣旨と同様各人事委員会において十分な労使協議と合意の上で慎重に検討していくことが必要です。
つきましては、貴職に下記事項について申し入れますので、対応についてご尽力を頂きますようお願いいたします。
記
1、調査の見直しにあたっては、その必要性を明らかにするとともに、民調の基本的枠組みは堅持し、公民較差や給与水準に影響を与えないようにすること。
2、見直しの検討は、労働組合との十分な協議と合意に基づいて行うこと。