2002年度公務員連絡会情報 34 2002年7月23日

公務員労働組合連絡会

「調整額の経過措置」の見直しで人事院交渉−7/23

 公務員連絡会は、7月23日午後3時から、96年の調整額見直しの際に設けられた経過措置(保障額)の見直し問題について、小林賃金・労働条件専門委員長、関係組合代表らが人事院の深串参事官と交渉した。
 この問題については、既に7月16日に人事院から見直しの方向が示されていたが、本日の交渉で深串参事官は、経過措置に代わる激変緩和措置の具体的内容を含めて次の通り提案した。

(1) 見直しの概要は過日申し上げたとおりであるが、平成8年の調整額見直しの際に激変緩和措置を設け、現在に至った。この措置は、俸給が上がることを前提として考えられた措置であるが、ここ2〜3年の賃金改定状況や本年予想される状況をみると、この措置自身が存在し得なくなったので、廃止することとしたい。
 その分を直ちに廃止する、保障をやめるというわけにはいかないと考えているが、そもそも暫定的な措置であり、6年が経過したのでできるだけ早く解消したいと考えている。
(2) 具体的には、@本年度の受給者を対象者と固定して、新たな保障は行わないこととし、A本年度内は保障額を全額保障、平成15年度はその2分の1を支給することとし、平成16年度にゼロにしたい、と考えている。

 提案について公務員連絡会側は、18日の関係組合の論議を踏まえ、「制度が成り立たない状況にあることは認識しており、一定の手当てをする必要があることは理解する。しかし、経過措置が設けられた趣旨は激変緩和であったし、今回も激変緩和を基本とすべきである。そういう意味で2年で解消するというのは無理があるのではないか。本年の人勧は俸給の減額も必至の情勢であり、ダブルパンチになってしまう。われわれとしては一挙にやるのではなく、来年度から1年につき一定の額を減額する方式を要求するので再検討してもらいたい」と、提案内容を再検討するよう強く求めるとともに、本年勧告での取扱いがどうなるかを質した。
 これについて参事官は、「元々の経過措置も既に6年経過しておりさらに続けていくことは適当でないと思っており、できるだけ早く解消したいが、1年では(保障額の多寡のために)アンバランスになるということで、2年かけることにしたものである。当時はベアが続けば解消すると考えて設けたが、状況が変わってしまった。当時の調整額見直しは上位号俸にいる者が有利になりすぎているということで行ったものであるが、いつまでもそれを保障していくということにはならないのではないか。そういう意味でいえば、前の措置は廃止する。しかし、一気になくすわけにはいかないので、その激変緩和措置を設けたいということである。皆さんの要望は要望として承った」との見解を繰り返した。
 このため連絡会側は、「われわれの要求は、人事院の提案を検討した結果の要求であり、ぜひ反映してもらいたい。今後の勤務条件局長交渉の中でわれわれの要求を踏まえた回答を示してもらいたい」と念押しし、本日の交渉を終えた。

以上