公務員連絡会地公部会は、17日16時から、総務省公務員部に対して地方独立行政法人に関する申入れを行った。
公務員連絡会からは地公部会各幹事が臨み、総務省からは、上田公務員課長、森課長補佐、下瀬課長補佐らが出席した。
冒頭、別添の申入書を手交し、公務員連絡会側が「国の独立行政法人は、2001年からスタートしているが、職員の身分はほとんどが公務員型だ。地方独立行政法人の設置に関して、総務省ではその法案作成作業を進められていると思うが、当該の職員が雇用や労働条件についての不安を払拭し、安んじて業務を推進できるよう、独立行政法人移行後の職員の身分については公務員型を基本とし、また、身分・労働条件等について十分な労使交渉が保障されるよう、特段の尽力をお願いしたい。さらに、今後のスケジュール等について提示願いたい」と、今日段階の総務省の考え方を質した。
これに対し上田公務員課長は、概要、以下の通り応じた。
1.独立行政法人制度の本来の趣旨は、行政の一部を別の主体にアウトソーシングすることにより、当該事務及び事業の自律的、効率的な実施を推進することにある。
2.国の独立行政法人では、公務員型が多いことは承知している。
3.国の場合は独立行政法人通則法に基づいて、個別の独立行政法人ごとに国が個別の法律を制定することにより設立することが可能だが、地方公共団体の場合は、設立しようとする法人ごとに個別に法律を作る余地がないことなど、制度上の相違に配慮する必要がある。
4.これらを総合的に勘案して、法案作成を進め、法制的な検討を行っている最中である。
5.なお、当方は同法案の全てを所管していないが、同法は予算非関連法であり、今通常国会における予算非関連法の締め切りは3月14日と聞いている。
これに対し公務員連絡会側は、「これまでも適宜各課と協議を進めてきており、今日はわれわれの考え方をお伝えした。法案が固まる前までには、申入れに対する回答をいただきたい」と要請し、この日の交渉を終えた。
【別紙】
2003年2月17日
総務大臣
片山 虎之助 様
公務員労働組合連絡会地方公務員部会
全日本自治団体労働組合
中央執行委員長 北岡勝征
日本教職員組合
中央執行委員長 榊原長一
日本都市交通労働組合
中央執行委員長 松島 稔
全日本水道労働組合
中央執行委員長 足立則安
全国自治団体労働組合連合
中央執行委員長 武田幸男
地方独立行政法人に関する申入れ
貴職の地方自治の確立と地方公務員の処遇改善にむけたご努力に敬意を表します。
現在、貴職において地方独立行政法人の設置に関する法律案の作成作業が進められていると承知しております。
地方独立行政法人は新しい行政サービス提供の形であり、行政責任を果たす立場から慎重な検討が求められるとともに、先行して設置・運営されている国の独立行政法人の実情を十分踏まえる必要があります。
また地方自治の観点から、自治体が直接処理している業務を地方独立行政法人の設置により処理するか否かは自治体の判断に委ねられる必要があります。
職員にとっては、身分や労働条件の重大な変更につながるものであり、法人設置や運営について関係労働組合との交渉・協議が不可欠です。
貴職におかれましては、下記事項の実現に向けてご尽力を頂きますようお願い申しあげます。
記
1.地方独立行政法人の職員の身分については公務員型を基本として制度設計すること。
2.地方独立行政法人の設置および業務の移行にあたっては、身分・労働条件等について十分な労使交渉が保障されること。
以上