2003年度公務員連絡会情報 29 2003年4月24日

公務員労働組合連絡会

地方独法で地公部会が総務省公務員部と交渉−4/23

〜一定の要件で公務員型も可能に〜

 公務員連絡会地公部会は、4月23日、地方独立行政法人に関する法案が政府部内で固まった状況を踏まえ、総務省公務員部と交渉を行った。地公部会は、3月19日、法案策定作業状況を質すため総務省公務員部と交渉を行うとともに、4月9日には地方独立行政法人制度の導入に伴う当該職員の福利厚生制度について、地方公務員等共済組合制度の適用を継続することを求め、総務省福利課への申入れを行っている。
 公務員連絡会からは地公部会各幹事が臨み、総務省からは、上田公務員課長、森課長補佐らが対応した。

 冒頭、岩本公務員連絡会事務局次長から「3月19日の交渉では、独立行政法人に勤務する職員の身分について、公務員の身分を付与しうる公共性の高い業務のコンセプトを法律で定め、法律の規定に基づいて要件該当性を判断し、制度を利用するか否かの判断は、当該法人にどのような業務を委ねるかを判断する自治体とするという法案策定段階での枠組みをお話いただいたが、本日は、具体的に法案上でどのように措置されたかについて、明らかにしていただきたい」と質したのに対し、上田公務員課長は、別添の法案概要に基づき、大要、以下の通り考え方を説明した。

@対象業務については、国の場合は独立行政法人通則法に基づいて、個別の独立行政法人ごとに国が個別の法律を制定することにより設立することが可能だが、地方公共団体の場合は、設立しようとする法人ごとに個別に法律を作る余地がなく、また、独立行政法人に与える権限を条例で規定することも難しいので、対象となる業務をあらかじめ法律で定めた。
A設立手続について、都道府県・政令市の場合は総務大臣、市町村の場合は都道府県知事が定款を認可するものとした。総務大臣・知事の認可を係らしめることとしたのは、新しい法律行為の主体を創設する法人法制の一環として、何らかのチェック機能が必要と考えられるためである。
B役職員の身分、とりわけ、地方公務員の身分の付与に関しては、業務停滞が住民の生活・地域経済の安定に直接かつ著しい支障を及ぼす、または、中立性・公正性を特に確保する必要があるという要件により、地方公務員の身分が付与される特定地方独立行政法人であるかどうかを定款に定めるものとした。
C特例規定として、大学の役職員の身分は、非公務員型とした。これは国に準じた取り扱いである。
Dなお、当法案については、4月25日に閣議決定の予定であると承知している。

 こうした説明に対し、公務員連絡会側は、@公務員型に関わる2つの要件について、より具体的に示すことはできないか、A役職員は法人の長が任命・解任するとなっているが、地公法上の任命権と同様なのか、と総務省側の考えを質したのに対し、総務省側は、@国の特定独立行政法人について分析すると、この2つの要件に集約される、A職員には地公法の任用の規定が適用され、任免という意味である、と回答した。

 これらの回答を得て地公部会側は、今後とも問題が生じた時は協議をすすめていただきたいと要請し、この日の交渉を終えた。

地方独法法案概要(pdf)