公務における高齢者雇用の推進にむけ、再任用制度が2001年4月から施行され、2002年度から本格的運用が開始された。公務員連絡会高齢対策専門委員会は制度導入から2年を経過し、再任用制度の現状などに関して8月25日午後、総務省人事・恩給局川淵高齢対策課長と交渉を行った。
冒頭、川淵課長より2002年度再任用実施状況と2003年度再任用実施予定について「2003年度再任用実施予定については非現業(国家公務員)において594人と昨年度の再任用実施状況(687人)と比べて若干減少しているが、短時間勤務が98人から129人に再任用職員の活用例が増えるなど各府省の努力の結果の数字と見ている。今後、再任用年齢の引き上げ問題などもあり更に努力していきたい」との説明が行われた(別紙「再任用状況」参照・公務員連絡会作成)。
これをうけて公務員連絡会側は、以下の点について質した。
@再任用職員数、定年退職者数に関して公表されたが、再任用に関する希望者数の把握が行われていない。採用割合を把握しないことには、再任用に関して省庁に対して指導を行うことが出来ないのではないのか。希望者数の把握を行ってほしい。
A再任用期間が今後、延長されるなかで、どのように対応するのか。
B短時間勤務については、有効に活用できるよう、その取扱いについて、各府省を指導するなど一層の努力が必要ではないか。
C現在、再任用中の職員に対して、現行制度の問題を把握するためにヒアリング調査をおこなってはどうか。
D再任用期間が今後、延長されるが、再任用者の通算年数も把握すべきである。
E2002年12月17日付け閣僚懇談会申し合わせ「早期退職慣行の是正」に関して、各府省の対応状況は把握しているのか。
F7月15日「今後の高齢者雇用対策に関する研究会報告」が示されたが、年金の支給開始年齢が引き上げられるのにともない収入の空白期間が生まれないようにするため、定年を段階的に引き上げること等を提言している。研究会報告についてどのように考えるのか。
これに対して川淵課長は、以下のように答えた。
@再任用の希望把握は、どの時点で行うかが困難である。各府省はそれぞれ職員への情報提供、意向の把握を行っており、一時点をみて把握するのは困難である。
A再任用に関する職員の意識改革や職場環境の整備が必要である。定員上の問題に関しては柔軟な取扱をお願いしている。行政のスリム化など内外の情勢があるが職域の拡大を含めて行っていく。
B短時間勤務については日々完結型の仕事に従事するなどして活用して欲しい。
Cヒアリング調査については、既に意識調査を行ってきた経緯があるが何らかの実態把握は必要であるという問題認識はもっている。
D再任用期間の延長問題に関しては、各府省の実情を把握する中で今後、どのように把握できるのか検討する。
E早期退職慣行の是正に向けて、T種採用幹部職員の退職年齢を今後5年で3年延長することになるが、2003年度からの取り組みであり現在進行中である。このため内閣官房、総務省においてきちんとフォローアップしていく。
Fいまの時点で公務においてどのように対応するのかという段階ではないが、今後の議論に大きな関心をもっている。
さらに公務員連絡会側が「単純に再任用者数と退職者数を比較しても省庁別でバラツキがあるが、このような現状をどのように見ているのか」と質したところ、川淵課長は「再任用以外にも、嘱託、非常勤などによる勤務形態があり、数字的に比較するのは難しい。出来るだけ、個別に詳細な情報の把握を行っていきたい」と回答した。
今後、再任用期間が延長される情勢下において公務員連絡会と、随時、交渉・協議を行うことを確認し、本日の交渉を終えた。
再任用状況xls版
以上