2003年度公務員連絡会情報 49 2003年9月9日

公務員労働組合連絡会

人勧取扱いで総務省人事・恩給局長と交渉−9/9

 公務員連絡会は、8月8日の人事院勧告を受けた政府の検討状況を質すため、9月9日午前11時から、総務省交渉を実施した。公務員連絡会からは書記長クラス交渉委員が出席し、総務省は久山人事・恩給局長らが対応した。

 冒頭、公務員連絡会側が、人事院勧告に係る政府部内の現段階の検討状況と臨時国会にむけた対処方針を質したのに対して、人事・恩給局長は「9月に公務員連絡会から要望書もいただいているところだが、人事院勧告は労働基本権制約の代償措置であり、これを十分踏まえて検討を進めている。昨年、衆参両院における附帯決議があり、皆さんとの意見交換も行ってきた。8月8日に勧告を受けて同日に第1回目の給与関係閣僚会議が開かれたが、ここでは国政全般の観点から慎重に検討をすすめるとし、結論は得られなかった。今後とも国民の納得が得られるよう誠実に検討を進めていく」と、現段階の見解を述べた。また、国会に対しては「給与関係閣僚会議で結論が得られれば、給与法改正法案を速やかに作成して国会に提出し、ご審議いただきたいと考えている」と述べた。

 こうした回答に対し公務員連絡会側は、「人事院勧告が提出された際、総理は完全実施すると発言し、また、給与関係閣僚会議において、担当大臣である総務大臣も勧告通り実施すべきと発言したと聞いている。こうした発言を踏まえれば、本日の回答ではもっと具体的な方向が明確にされるべきではないのか」、「総務省としては本年の減額調整方式を粛々と受け止めて、勧告通り実施するという方向か」、「公務員の生産性が落ちているわけではなく、定員削減などの結果、むしろ労働密度は高まっている。にもかかわらず労働の対価である給与が削減される。筋論からいえば納得いくものではないが、現行の民間準拠の枠組みの中では、受け止めざるを得ないと判断した。『公務員賃金は高い』との一部マスコミの不当なキャンペーンにのって、マイナス幅を上乗せするような事態は、断じて許せない。したがって、人事院勧告通り実施する方向で粛々と進めるべきだと考えている」と質したのに対し、久山局長は、「総理がそのように発言したという報道にわれわれも接したところである。総務大臣の発言は直ちに完全実施することを述べたものではなく、人事院勧告尊重の基本姿勢を明言したものである。皆さんのご意見は十分理解しているつもりだ。人事院勧告は労働基本権制約の代償措置であり、これを最大限に念頭において進めていくという立場であり、減額調整方式は勧告に含まれるものと考えている」と回答した。
 最後に公務員連絡会側は、「2年連続の月例給の引下げ、5年連続の一時金の削減という事態を招き、公務員の士気にも影響を与える。まず、政府が使用者責任を明確にすべきだ。人勧の取り扱いを決定する際には、政府から何らかのメッセージがあってしかるべきである」とし、本日の交渉を終えた。

 政府は、本年の臨時国会が短期・集中型であることから、開会冒頭に給与法改正法案を提出し成立を図る方針で作業を進めている。したがって、人勧取扱い方針を決定する第2回給与関係閣僚会議は来週中にも開かれる公算が大である。
 公務員連絡会としては、その前段には総務大臣と委員長クラスが交渉を持ち、明確な回答を引き出すこととしている。

以上