4月26日14時から、第2回公務員共済年金財政単位一元化研究会が財務省で開催され、@地共済の再編成の検討状況、A国共済と地共済の長期給付の違い、B財政単位一元化にあたっての基本的考え方、C財政単位一元化の目的と手段、D国共済・地共済の相違点について報告が行われ、意見が交わされた。
また、今後の検討課題として、「財政単位の一元化の制度設計にかかる論点の概要」が示された。
まず事務局から、@地共済の再編成の検討状況、A国共済と地共済の長期給付の違いが報告された。また、国共済と地共済の長期給付の違いとして、連合会業務を取り上げ、国共済は、23共済組合が国家公務員共済組合連合会を組織して、長期に関する業務として、(1)長期給付の決定及び支払、(2)長期給付に要する費用の計算、(3)積立金の積立(4)積立金及び長期経理の支払上の余裕金の管理及び運用、(5)基礎年金拠出金の納付を行っていること、一方で、地方公務員共済組合連合会は、上記の業務のうち、(1)、(3)、(4)は83共済組合ごとに行い、(3)、(4)に関しては各共済組合の積立金増加額の30%を地方公務員共済組合連合会に払い込み、運用し、年金支払の資金が不足する共済組合が出た場合には、連合会の積立金からその組合へ資金を交付することになっている。(5)については連合会を経由して行っていることが報告された。また、給付、保険料算定等について、国共済は「標準報酬」、地共済は「本俸」を使用していることが報告された。
委員からは、「このままの制度だと、年金財政が悪化した場合、地共済連合会は、地共済内部の共済組合に対して財政調整を行いつつ、国共済とも財政調整を行うことになるが、それで支障は無いのか」、「地共済の中で、すでに単年度赤字に陥っている共済組合があるが、その原因について明確にする必要があるのではないか」との質問が出された。
これに対して、総務省の原福利課長は、「地共済では、地共済内部のあり方について、議論し努力を続けているところである。ただ、時間的な制約もあるので、国共済との財政調整とは切り分けて議論を進めたいと考えている」と答えた。
続いて、B財政単位一元化にあたっての基本的考え方、C財政単位一元化の目的と手段について、この間の一元化懇談会の審議結果、第1回公務員共済年金財政単位一元化研究会の確認事項があらためて報告され、確認された。
また、第1回研究会の決定にもとづいてワーキンググループが作業を進めてきたD「国共済・地共済の相違点について」報告が行われた。報告では、(1)標準報酬制と本俸制の違い、(2)地方公共団体の長の特例、(3)公務上の障害共済年金及び遺族共済年金に要する財源率などの違い、また、それらの違いについての論点が示された。
委員からは、「地共済が本俸制を採用している経過を教えてほしい」、「地共済は、本俸に1.25を乗じて平均給料月額としているが、標準報酬制と比較した場合の乖離は無いのか」などの質問が出された。
これに対して、総務省の原課長は、「昭和60年当時、地方公共団体によって、手当が異なり、同じ地方公務員の間で差が出てしまうため、本俸制を選択し、手当率として1.25を乗じることとした。その後、手当率の1.25についての見直しは行われていない。また、見直した場合、手当の多い職種、地域、手当の少ない職種、地域によって差がでることが想定される」と答えた。
委員から、「それぞれの組合員の収入を正確に把握し、年金に反映させることが本来の姿ではないのか」、「2004年の財政再計算までにこのような制度の違いを全て整理することは困難だとは思うが、今回の研究会では、その後の方向性についてもなんらかのメッセージを発する必要があるのではないか。また、共済制度特有の制度については、その理由なり、根拠を明確にするべきである」との意見が出された。
最後に、今後の検討課題として、「財政単位の一元化の制度設計にかかる論点の概要」が示された。次回の研究会については、6月中を目途に開催される予定。
以上