第3回公務員共済年金財政単位一元化研究会が、7月5日9時30分より永田町・全国町村会館で開催された。
冒頭、事務局より、前回委員から指摘のあった事項について、地共済関係では、@地方公務員の諸手当の状況、A首長に係る特例と財源率、B個別組合財政状況悪化の原因について、次に国共済と地共済の標準報酬総額で按分した場合の向こう25年間の平均保険料率の算定についての説明が行われた。
その後、前回その概要が示された「財政単位の一元化の制度設計にかかる論点」について、ワーキンググループで個々に検討した以下の5課題を各種シミュレーションを交えて説明があった。
1.財政調整の範囲について、@2、3階までを対象とするのか、A2階までとするのか。
2.財政調整の方法について、@新たな連合会を組織、A毎年か財政再計算時に資金を交付(JR、JTの拠出方式)。
3.財政調整額の算定方法について、@独自給付費用率(基礎年金に係る部分を控除して計算したもの)、A総合費用率、Bその他。
4.一本化保険料率の算定方法について、@国共済、地共済それぞれの保険料率を組合員数按分、Aそれぞれの保険料率を標準報酬総額按分、B収支の状況を勘案し、設定。
5.保険料率一本化の時期について、@2004年、2009年、2014年等から、A段階的に一本化していく。
委員からは、「財政調整額の算定方法について、総合費用率を採用した場合、一方的に資金の調整となるため、独自給付費用率を採用する、というのは理由付けとしていかがなものか。基礎年金部分については、制度創設以来、公的年金全体として財政調整されている、という認識にたてば、おのずと独自給付費用率を採用することになる」「国共済に単年度赤字が出た場合、地共済が全額補填したとすると、地共済の積立金等影響が大きいのではないか」「一元化懇談会で保険料率の一本化の時期について、次期再計算時に行うこととなっていたのではないか。2009年、2014年からというのはありえないのでないか」等の意見・質問が出された。
これに対して、総務省の原福利課長は、「一本化の時期については、今年厚生年金と統合した農林年金なども、保険料については段階的に行うとしているし、また、その後も1%程度の差がつくことになっているので、説明できる時期と方法を明示すれば問題ないという認識である。地共済の場合、財政単位一元化の影響として、財源率を引き上げる必要が生じるので、組合員の理解が得られるよう時間を掛けていきたい」と答えた。
その後、座長から、「1.財政調整の範囲については、2、3階までを対象とする。2.財政調整の方法は、資金の交付、3.財政調整額の算定方法は、独自給付費用率とする。4.保険料率の算定方法は、標準報酬総額按分とする」という選択肢整理が行われたが、委員から、「保険料率の算定方法は他に考えられないか」という質問が出た。これに対して原課長からは、「国共済と地共済は、いずれ全体が一元化され財布も一つになるのだから、一緒にして計算することも考えられる。
最後に座長より、「以上で、論点はかなり絞れたと思う。本日の討論を踏まえて、関係者とよく調整をして、細かな点はワーキンググループで詰めてほしい」と結んだ。
次回の研究会は10月中に開催される予定。
以上