連合官公部門退職手当見直し対策委員会の交渉委員は、18日、13時30分から総務省久山人事・恩給局長との交渉・協議を実施して、民調結果の取扱い及びその後の作業などについて見解を質した。この交渉・協議は、人事院勧告後、マスコミで公務の退職手当見直しが急速に俎上にのぼるなか、総務省が進めてきた民間企業の退職金調査結果がほぼまとまり、近々にも公表されることとなったことから行われたもので、民間実態調査の集計や官民比較のあり方に関わる2回にわたる合同専門委員会の交渉を踏まえて、連合官公部門と十分な交渉・協議を行い、合意に基づいて進めることを確約するよう求めたもの。
冒頭、連合官公部門側が「退職手当問題については、7月23日の閣議後に総理から指示があったことは承知しており、大変心配している。この問題については、国家公務員退職手当制度懇談会の報告(2000年6月)に基づいて、総務省とわれわれの間でテーブルを設けて交渉してきた経過があるが、この間、政治主導で乱暴に進められようとしている。連合官公部門としてはあくまで労使関係の枠組みの中で作業を進めるよう申し入れてきたところであるが、作業の進捗状況を示されたい」と見解を求めたのに対し、局長は次の通り答えた。
(1) 総務省として行ってきた民間企業退職金の調査結果と官との比較を行い、数字がほぼまとまったところである。近日中に公表する段取りで考えている。関連する数字を含めて前広に公表したいと考えている。
(2) 公表後は、官民比較結果を踏まえて政府としての基本方針をまとめたいと思っている。
これに対し、連合官公部門は「われわれとしては民間企業の退職金調査を行うことについて完全に納得したわけではないが調査することについては了解してきたものである。問題はその結果をどう扱うかである。今後の作業を進めるに当たっていくつか要望しておきたい。一つには、見直しの進め方・内容については労使関係上の問題として扱うこと。二つには、そういう意味では臨時国会に改正案を出すことは認められず、十分交渉・協議し、合意のうえで見直すべきである。三つ目として、これまで十分納得のいくやりとりが行われたわけではないが、一定の方法(公務員基準の退職事由・勤続年数に基づくラスパイレス比較)を前提とした比較結果を公表することはやむを得ないので、われわれには事前に十分説明すること。四つ目として、いつ改正法案を出すか、どのような見直しを行うかについては、今後十分な交渉・協議に基づいて作業を進めること」を要望した。
要望に対し局長が、「退職手当をめぐっては、始まりの段階から話し合いの場を設けて進めてきた経緯があるので、今後も場を設けて皆さんの話を聞かせていただきながら進めて参りたい」と約束したことから、連合官公部門は「われわれはもっとも痛みの少ない結果となるような比較・対応を求めているので、そうしたことも十分認識して進めてもらいたい」と念押しし、本日の交渉を終えた。
連合官公部門では、民間調査結果と官民比較結果の公表を踏まえ、政府が見直しに向けた基本方針を決定する前にも総務大臣と連合官公部門代表委員が交渉・協議を行うこととしている。また、その後、引き続き交渉・協議に基づいて退職手当の見直し作業に対応することにしている。
以上