連合官公部門情報
2002年9月20日

民間企業退職金実態調査結果に関わる
総務省人事・恩給局説明会の概要−9/20

 総務省人事・恩給局は、民間企業退職金実態調査結果がまとまったとし、20日、連合官公部門連絡会に対し、その概要を説明した。総務省からは、上田給与担当参事官をはじめとする事務担当が出席し、説明にあたった。

 説明会に先立ち、総務省側は、退職手当の官民較差の水準について、一部の報道機関が先んじて報道していることに関し、「残念であり、極めて遺憾である」との見解を表明した。これに対し、連合官公部門連絡会側は総務省に抗議するとともに、今後は労使関係を重視するよう求め、総務省もこれを約束した。

 続いて、総務省は、平成13年民間企業退職金実態調査結果について、概要、次の通り説明した。
@ 平成13年3月から12月にかけて実態調査を実施し、平成11年度中の民間の退職金及び退職手当制度について調査した。
A @について、平成11年度中における国家公務員の退職手当とラスパイレス比較した結果、国家公務員の退職手当の水準が民間企業の退職金の水準を5.6%上回っているという結果になった。
B これとは別の課題であるが、7月23日の閣僚懇談会において、早期退職慣行を是正するため、早期退職特例措置の在り方について見直しを進めるようにとの総理の指示を踏まえ、今後、その在り方についても見直していきたい。

 こうした説明に対し、連合官公部門連絡会側は、@1983年、1988年、1996年の調査における官民比較では、10%以下の較差であれば改正しなかったが、今回5.6%の較差で見直しを行うとすることはなぜか、A公務員には雇用保険が適用となっていないが、今回の民間調査においては、この分について調査を行い、民間の支給水準に含めたのか、B今後の段取りについて説明していただきたい、と、さらに総務省側の説明を求めたのに対し、総務省側は、@過去の改正経緯では、退職手当を長期的に安定したものとすること、さらに、調整の刻みが、10%ずつであったことということから、退職手当法の改正までには至らなかった。しかし今回見直すこととしたのは、社会経済情勢が変化し、右肩上がりの経済成長も終焉したことから、全体としてコンマ以下の数字にも敏感となっていることを踏まえたものである、A雇用保険の取り扱いについては、過去の調査においても、比較の対象としてこなかった。今回の調査でも調査対象としていない、B近々に、退職手当の見直しについて次期通常国会において改正法案を提出できるよう政府の基本方針を盛り込むことになる、との見解を示した。
 連合官公部門連絡会側は、雇用保険分の扱いについて、退職手当法改定の検討にあたって、当然、考慮すべき事項であると主張し、また、今後とも交渉・協議を継続していくことを約束するよう求め、本日の説明会を終えた。

 なお、連合官公部門連絡会では、退職手当の見直しに関して、閣議決定前に総務大臣交渉を実施する予定としている。

以上