連合官公部門連絡会は、退職手当問題に関わる政府との最終決着を図るため、12月16日午後3時から、総務大臣との交渉を行った。この日は、併せて11月21日に行われたILO勧告に関して、その受け入れを求める申入れを行った。
総務省側からは、片山総務大臣、久山人事・恩給局長、花角人事・恩給局次長、戸谷人事・恩給局審議官等が出席、連合官公部門連絡会側からは5代表委員と共同事務局が臨んだ。
冒頭、北岡代表委員から、「退職手当の見直しに関わっては、9月26日、政府が見直しの基本方針を決定する際に大臣とお会いし、見直し内容について今後充分協議することをお互い確認し、その後事務レベルでの交渉・協議を積み上げてきた。政府部内においても来年度の予算編方針に関わって見直し内容が固まりつつあると聞いている。今日は大臣から直接見直し内容を示していただきたい」とし、政府側の最終回答を迫った。
これに対し片山総務大臣は、「国家公務員の退職手当については、その具体的見直し内容について、皆さんのご意見も聞きながら、人事・恩給局長が中心となって検討を進めてきた」とし、以下のように改定方針を示した。
@ 支給水準は、調整率を100分の6ポイント引き下げ、100分の4とする。
A 実施時期は、来年10月1日とする。
B 経過措置として、当初1年間は100分の3ポイントの引き下げとする。
C 早期退職特例措置について、指定職9号俸相当(外局長官クラス)以上の者を対象外とし、指定職7〜8号俸相当(局長クラス)の者の1年あたりの割増率を現行2%から1%に半減する。
D 国へ復帰を前提に国家公務員を退職し、特殊法人、独立行政法人等の役員に就任した者について、法人では役員退職金は支給せず、国への復帰後の退職時に退職手当を1回限り支給する。
E これら(CとD)については、改正法律の成立後速やかに実施することとしたい。
F この方針については、明日(17日)の閣議でわたしの方から発言し、了承を頂いた上で、通常国会への法案提出にむけ作業を進めたい。
こうした改定方針の提示について、北岡代表委員から、「退職手当の問題は、公務員の生涯設計や退職公務員の生活設計に大きな影響を与える問題である。当初から我々と十分協議し、我々が納得いく形での決着を強く求めてきたが、大臣から示された改定方針は、我々とのこの間の交渉・協議の経過を踏まえた総務省としての最終見解として受け止めるが、これからのこともあり次の点について是非受け止めていただきたい。
@ 退職手当の水準問題は、総務省としてぎりぎりの努力の結果だと考えるが、実施時期と経過措置については、我々の要求が受け入れられておらず、不満である。
A 早期退職特例措置については、国民から厳しい天下り批判があることや在職期間長期化施策の検討が行われていることも含め、抜本的な見直しを求めてきたが、提示された改定方針はそれに応えるものになっておらず、極めて問題が残るといわざるを得ない。この点については、抜本見直しにむけてさらに検討を行っていただきたい。
B 今後の退職手当の水準見直しにあたっては、その安定化を図る立場から見直しの基準やルールを設けるよう要望してきたが、その検討にあたっては、われわれと十分協議していただきたい。また今後の退職手当制度見直し等の検討にあたっても、われわれと十分交渉・協議し、合意していただくよう強く求める」と重ねて要望した。
これに対し片山総務大臣は、「ご要望は受け止めるが、実施時期や経過措置については、皆さんの意見を聞きながら、国民の納得が得られるかどうかを考えてきた。早期退職特例措置については、将来的にはさらに考えていかなくてはならないだろうが、今日段階では提示の中味である」と回答した。
退職手当問題に関わる交渉の最後に、北岡代表委員は、「社会情勢も含め大変な事態に突き当たっていることは承知しているが、要望を是非受け止めていただきたい。本日示された改定方針については、それぞれの機関に持ち帰り、検討させていただく」とし、退職手当問題に関わる交渉を終えた。
以上