公務員連絡会賃金・労働条件専門委員会は、3日13時30分から人事院交渉を行い、「寒冷地手当の見直しに関する申入れ」(別紙)を行った。これは、1月26日に人事院から、寒冷地手当見直しに関する基本的考え方が示されたことから、公務員連絡会として今後交渉を進めていく基本姿勢を取りまとめて申し入れたもので、鈴木職員団体審議官、宮本参事官が対応した。
冒頭、小林賃金・労働条件専門委員長が「1月26日に基本的な考え方の説明をいただいたが、内容的にはこのまま受け入れることにはならない。提案されている内容は寒冷地手当制度の根幹に関わるものであり、寒冷地に勤務する公務員労働者を始め大きな影響を与えることになりかねない」として、「制度の根幹を維持し、十分な交渉・協議を行い、合意するという立場での検討をお願いしたい」と申し入れたのに対し、鈴木審議官は「現時点での考え方は前回申し上げたとおりであり、いま、申入れの趣旨は承ったので、今後は皆さんと十分話し合いながら進めて参りたい」と、十分な交渉・協議を行いながら作業を進めていくことと約束した。
これに対し、公務員連絡会側は「われわれとしては、交渉・協議はもちろんであるが、合意に基づいた見直しが大事であると考えており、人事院として、われわれが納得できて合意できる内容としていただきたい。夏までにはまだ時間があるので十分慎重にお願いしたい。人事院は大きな見直しを考えているようであるが、そこはわかりましたということにはならない。われわれの意見を反映してもらって、合意できる内容としてほしい」と重ねて要請した。これについて審議官から「対外的にも十分説明できる内容にしなければいけないと考えているが、皆さんとも十分話し合って合意できるよう努めたい」との見解が示され、これを確認した上で、次回以降は見直しの具体的容に関する交渉・協議を行っていくこととした。
(別紙)人事院への申入書
2004年2月3日
人事院総裁
中島忠能殿
公務員労働組合連絡会
議長 丸山建藏
寒冷地手当の見直しに関する申入れ
常日頃から、わたしども公務員労働者の労働条件改善にご尽力いただいていることに感謝申し上げます。
さて、貴職は、過日、わたしどもに対して寒冷地手当の見直しに関して、民間準拠を基本に支給対象地域・支給額等の抜本的見直しを本年の勧告で行いたい、という基本的な考え方を提示しました。
この考え方によれば、現行の寒冷地手当制度の根幹に関わる見直しとなるばかりでなく、寒冷積雪地の公務員の生活に重大な影響を及ぼすものとなることが予想されます。また、寒冷地手当の見直しは、国家・地方公務員や国営企業職員だけでなく、農協などの団体職員、民間企業従業員などにも波及し、疲弊している地域経済にも影響を与えます。
以上のことから、寒冷地手当見直しの検討に当たって下記事項の実現に最大限努力されるよう、強く申し入れます。
記
一、寒冷地手当の見直しに当たっては、寒冷地手当制度を維持し、十分な交渉・協議を行い、合意すること。
以上