公務員連絡会幹事クラス交渉委員は、4日、2004春季要求の回答を求める総務省人事・恩給局次長、人事院職員団体審議官との交渉を行い、それぞれ中間段階の見解を引き出した。2004春季要求は、2月10日に総務大臣、12日に人事院総裁に提出し、本日が初めての交渉。本日の見解は公務員給与を巡る厳しい情勢を反映して不十分なものにとどまっており、公務員連絡会は12日には中央行動を実施するとともに、局長レベルの交渉でさらに明確な回答を引き出し、18日の総務大臣、人事院総裁の最終回答に結びつけていくこととしている。
<総務省人事・恩給局次長との交渉経過>
公務員連絡会幹事クラス交渉委員と総務省人事・恩給局森次長との交渉は、4日午前11時から行われた。公務員連絡会側は、冒頭、以下の通り述べ、重点事項について総務省の中間的な見解を質した。
(1) マスコミを通じて「公務員給与バッシング」ともいえる状況が作られ、国会審議の中で、労使を超えたところで事実上公務員給与の見直し方向が確定するという事態が続いている。公務員の使用者としての立場から、公務員給与バッシングには毅然として対応すべきではないか。総務省として具体的にどのように対応するのか、明確な見解を表明されたい。
また、5年連続の年収減、2年連続月例給マイナスで、公務員労働者の生活への影響は徐々に深刻の度を増しており、公務員労働者の士気にも影響するものである。この現状を使用者としてどのように認識しているのか。併せて、本年の給与改定に対する政府の基本姿勢を明確に示してもらいたい。
(2) 退職手当制度の全般的な制度見直しについては、われわれと協議していくこととなっているが、現在、人事院が退職時特昇について可及的速やかに廃止する方向で見直しを検討している。先般、退職手当の水準引下げが実施されたばかりであるが、その際の官民比較については退職時特昇を織り込んだ水準で行われている。退職時特昇が廃止されることとなれば、この官民比較のバランスが崩れることになってしまうと考えるが、この点についての見解を示して欲しい。
(3) ワークシェアリングについては引き続き協議を進めていくことを要請する。短時間勤務制度の導入については、地方公務員の短時間勤務制度等の制度化に向けた検討が急ピッチで進められていることにも鑑み、国家公務員についても早急に制度化に向けて検討すべきではないか。
(4) 定年と年金支給開始年齢の間が2年間となったことを踏まえ、現行制度をさらに実効あるものとすべく必要な施策を徹底すべきではないか。
また、民間の動向なども的確に把握し、公務員の高齢者雇用についてより本質的な研究を開始すべきではないか。
(5) 次世代育成支援対策推進法に基づく「特定事業主行動計画」の策定作業はどのようになっているのか。法の所管は厚生労働省ではあるが、政府全体として積極的に取り組むべき課題であり、法の趣旨に即したものとなるよう、総務省として総合調整機能を果たし、労使協議が行われるよう、各府省への指導をお願いしたい。
また、民間の育児・介護休業法の改正に伴う公務の制度改善に向けた姿勢を明確にされたい。
これらについて、森次長は次の通り考え方を示した。
(1) 民間が厳しい経済情勢にある中で、公務員給与に対する関心が高まっており、これに関するマスコミ報道には誤解や理解不足に基づくものも散見されることはご指摘のとおりである。総務省としては、今後においても、制度の趣旨や事実関係の精確な情報提供に努めるとともに、意図的なバッシングがあれば毅然として対処することにより、国民の理解が正しく得られるよう、一層の努力をしていきたい。そのことは国民に対する義務であると考える。
毎年の給与改定は、民間給与の実態調査に基づく人事院勧告を受けてなされるものであり、近年の改定には、引き続き厳しい民間の経済情勢が反映されているものと認識している。国家公務員の給与については、国会等で様々な議論がなされているところであるが、本年の給与改定についても、厳しい状況下ではあるが、人事院勧告制度尊重の基本姿勢の下、公務員連絡会と十分意見交換を行いながら、適切に対処してまいりたい。
(2) 退職手当全体の支給水準については、特昇分も織り込んだ公務の平均支給額と民間企業の退職金の平均支給額との均衡を図って定めている。このため理論的には、仮に退職時特昇が廃止された場合には、退職時特昇も織り込まれているため、退職手当の支給水準は、官民均衡に基づく現行の支給水準よりも低下することとなる。
(3) 地方公務員の短時間勤務制度については近日中の改正法案の提出に向けて調整中であり、また、国家公務員においても人事院の研究会において検討が進められている。公務のワークシェアリングや短時間勤務制度の実現については、民間における動向や地方公務員における短時間公務員制度に係る状況も踏まえながら、国家公務員のニーズを見極めた上で、人事院とも連携・協力しながら検討を進めてまいりたい。
(4) 高齢国家公務員の雇用については、平成13年6月の「国家公務員高齢者雇用推進に関する方針」(人事管理運営協議会決定)に沿って進められており、再任用制度はその取り組みにあたっての基本と位置づけられている。
総務省としては、この方針に基づいて、関係機関と緊密な連携を取りつつ、必要な総合調整を行うなど、政府全体として高齢国家公務員の雇用を推進している。
再任用については、各府省の推進状況の把握や再任用職員の意識等の調査を行い、そのフォローアップを図っているところであるが、平成16年度から上限年齢が62歳に引き上げられたこともあり、さらにその推進を図ってまいりたい。
(5) 次世代育成支援対策推進法は、平成15年7月16日に公布された。同法に基づく特定事業主行動計画については、厚生労働省において、特定事業主行動計画関係省庁等研究会が開催され、平成16年1月に同研究会の報告が出されたところである。平成17年度からスタートする行動計画(5年間)は、平成16年度において各府省等で策定されることになっている。次世代育成支援対策推進法は、総務省人事・恩給局の所管ではないが、公務員育児休業法等を所管する立場から、厚生労働省や各府省と緊密に連携・協力してまいりたい。
また、民間における育児・介護休業制度の見直しを受け、国家公務員の育児休業・介護休暇制度についての人事院の検討を踏まえて適切に対応していきたい。
以上の見解に対し、公務員連絡会側は以下の通りさらに見解を質した。
(1) バッシングがあれば毅然として対処するとの見解表明については評価したい。しかし、公務員給与に対するバッシングは、昨日今日始まった話ではない。公務員給与がどのような仕組みで決定され、現在の水準については今の制度に基づき適切に確保されているものであるということを、政府として国民に説明する責任がある。国民への説明・アピールのための予算を確保するなど、具体的な施策を打ち出していただきたい。
さらに、本年の給与改定については、良くも悪くも、総務省として人事院勧告制度を守り抜いていく姿勢であるということで間違いないか、改めて確認したい。
(2) 次世代育成支援対策推進法に基づく特定事業主行動計画の策定にあたっては、厚生労働省に協力するというスタンスではなく、実効あるものとするためにも、中央人事行政機関たる人事院と総務省人事・恩給局が主体的に対応を図るべきだ。また、われわれとの交渉・協議に基づいて行動計画を策定することについても明確にしてもらいたい。
(3) 再任用については、再任用職員の意識等の調査を行っているとのことだが、調査結果はいつ取りまとめられるのか。また、再任用制度については、定員との関連で、希望者全員が雇用されるような仕組みとなっていない。再任用職員については定数から外すべきであり、このことを解決しなければ問題は解決されないものと考える。
さらに、定年と年金支給開始年齢の間が拡大していけば現行の再任用制度が破綻することは目に見えている。その時に備えて、どのような施策があり得るのか、いまからわれわれとの検討の場を持って研究すべきだ。
これに対し総務省側は次の考え方を示した。
(1) 公務員給与バッシングに関しては、個々いろいろあり得るが、決して国民全員が公務員給与についておかしいと思っているわけではないと考える。一部報道をとらえて、全体がおかしいという議論になってしまっている。国民の中にこういった議論が蔓延しているとは思っていないが、間違っている意図的な公務員給与バッシングについては、ケースバイケース、皆さんとも意見交換しながら対処してまいりたい。
なお、人事院勧告制度尊重が総務省人事・恩給局の基本姿勢であり、人事院勧告を無視して何かやるというようなことは想定していない。
(2) 次世代育成支援対策等については、政府一体で進めるものであり、様々な面で各府省との緊密な連携を図っている。特定事業主行動計画のモデルも厚生労働省から示されており、今後、皆さんとの意見交換などを行うなど、歩きながら改善していけばよいと考えている。
(3) 調査結果については、今月末頃にまとまる予定である。定員管理の問題については、人事管理当局から聞いているが、再任用職員を定員から外すことは現状では難しいと考える。さらに方策がないか検討していきたいし、みなさんからもご意見をいただきたい。まずは、現行制度を積極的に運用してまいりたい。
また、定年と年金支給開始との間に空白ができないよう、まずは民間の動向を注視し把握した上で、方策等についても考え、みなさんとも意見交換してまいりたい。
さらに、公務員連絡会側は、「公務員給与バッシングの狙いが公務員給水準の引下げであることは明らかだ。人事院勧告制度を尊重するという見解を表明されたが、それは現在の人事院勧告制度のもとで適切な水準が確保されており、その水準を守るということでなければならない。その明確なメッセージをわれわれに示してもらいたい」と、重ねて総務省人事・恩給局の姿勢を質した。
これに対し、総務省側は「民間準拠方式にもとづく現行の公務員給与の水準は妥当なものと考えている。そのシステムが大きく問題視されるようなことがあれば、公務員給与は民間よりも低くていいのか、という議論を展開していきたい」と、公務員給与水準問題には毅然と対応していくとの姿勢を示した。
最後に公務員連絡会側は、「本日の回答で明確になった点もあるが、春闘要求全体を満たすものとはいえない。3月12日の総務省人事・恩給局長との交渉に向け、さらに検討を重ね、明確な回答を示してもらいたい」と要請し、本日の交渉を終えた。
<人事院職員団体審議官との交渉経過>
公務員連絡会幹事クラス交渉委員は、4日13時30分から、鈴木職員団体審議官と交渉を行った。
冒頭、公務員連絡会側が、「2月12日に要求書を提出して初めての交渉になるが、大分時間が経過したのでよい回答をいただけると思っている。要求は多岐にわたるが、重点事項に絞ってポイントを申し上げるので回答をいただきたい」とし、次のとおり、審議官の見解を求めた。
(1) 公務員給与に対するバッシングが強まっているが、国会審議の中で事実上公務員給与の見直し方向が確定するという事態が続き、労使関係や労働基本権制約の代償機能が無視されており、極めて遺憾である。人事院としてもこういうやり方には毅然として対応してほしいし、具体的にどう対応していくのか示してもらいたい。
(2) バッシングの行く着く先は給与水準に対するキャンペーンであり、人事院としても、代償機能として歴史的・制度的に確立してきた官民比較手法=公務員給与水準の決定基準を堅持するというメッセージを公務員全体に発することが重要だ。明確な見解をいただきたい。
(3) 本年の勧告に向けた姿勢の問題であるが、5年連続年収減や2年連続月例給与のマイナスの結果、われわれの調査でも、生活や家計に大きな影響が出ている。それだけに組合員の本年の勧告にかける期待には大きなものがある。その期待を踏まえて勧告作業に当たってほしい。また、ここ数年は、勧告内容について、事前に十分交渉・協議し、合意の上で確認する重要性が高まっている。これに対する人事院の姿勢を示していただきたい。
(4) 寒冷地手当の見直しについては別途交渉・協議を進めているが、寒冷積雪地の生活を防衛し、手当制度を守ることを基本として交渉・協議を進めるとの姿勢を堅持していただきたい。
(5) 2月19日に退職時特昇の見直しが提案されたが、なぜ、今見直すのかという理由は述べられず、大変遺憾であり、本日は明確な見解を示してほしい。それなしには中身の議論はできない。長年にわたって定着してきた制度であることや国会の論議が「適切な運用ではない」ということであったのに、それがなぜ「廃止」になるのか理解できない。まず、運用見直しとすべきである。実施時期についても、総裁の国会答弁では「今年度調査の結果を見て検討」して結論を出すということであるから、4月1日実施はないと理解している。いつ実施するかは、われわれと十分協議の上で結論を出してもらいたい。さらに、廃止、運用見直しのいずれの場合であっても見直しの結果として、退職手当の官民バランスが崩れることになる。今日午前中の総務省交渉で、人事・恩給局はそのことを認識しているとの見解であった。人事院としても、そういう事実認識に立って、必要な措置を取るよう総務省に意見をいうべきである。
(6) 地域給与・給与制度見直しについては、公務員制度改革全体について、政府と連合・公務労協の間で実務者協議が始まり、人事院も入っている。そのゆくえをみながら検討すべきであり、今年、拙速に報告・勧告することはあり得ないのではないか。人事院の見解を聞かせてほしい。
(7) ワークシェアリングの問題については、われわれの要求に基づいて引き続き議論していきたいが、当面、短時間勤務をどうするかが重要であり、「多様な勤務形態に関する研究会」のヒアリングでも意見を申し上げてきたとおりである。研究会の審議を促進して、地方公務員の制度化に遅れることなく、国家公務員も実現できるよう検討していただきたい。
(8) 男女平等参画に関わっては、次世代育成支援対策推進法に基づく「行動計画」の策定が特定事業主たる各府省にも求められている。厚生労働省は主体であるが、人事・恩給局や人事院が関与していかないと計画は作ったが中身は動かないということになりかねない。人事院として積極的なスタンスを示してほしい。
(9) 民間の育児・介護休業法改正に伴う公務の制度改善が必要になってくるので、われわれと十分に協議することを確認していただきたい。
これに対し、審議官は次のとおり答えた。
(1) 公務員給与については、あらゆる機会を通じて、マスコミ、国会議員、有識者に理解を求める努力をしてきた。誤解に基づくものがあれば、毅然と対処して、理解を求めていく。公務部内だけではなく、外部から常識的に見て理解を得ることが重要になっている。制度を作ってから時間が経過して、国民から見て納得できないものが出てくれば、理解が得られるよう直していく必要がある。社会経済環境が変化する時代には、この点が重要だ。
(2) 本年の勧告に向けては、民間準拠で公務員給与を決めるという基本姿勢は変わらない。官民比較の基準について皆さんが強い関心を持っていることは理解しており、現時点で変更する考えはない。民間動向がどうなるか、民間実態を評価して対応することになるが、昨今の景気動向を見ると、実質的な数字ではよい数字も出てきているが、物価関係指標等名目指標を見ると、残念ながら引き続き低迷しているのが現状である。春闘を見ると、民間で景気のよいところでもベア要求をしない傾向がある。これから決着していくことになるが、基本給にしてもボーナスにしても必ずしも楽観はできない状況だ。いずれにしても、民調結果に基づいて対応することになる。民調については、昨年報告したように、行(二)職を比較対象から外すことやボーナスの冬夏比較への変更を、今、検討しているところであり、それを含めて対応することになる。
本年の勧告に当たっては、民間の状況、調査結果を踏まえて、勧告に向けて、十分協議、話し合いをしながら進めて参りたい。
(3) 寒冷地手当については、勧告に向けて、調査の集計や検討、皆さんとの議論を進めているところであり、別途、議論して参りたい。
(4) 退職時特昇の見直しを提案した理由は、第1に、給与上の効果より、退職手当上の効果が主となっている制度であり、永年勤続の労に報いる趣旨はともかくとして、給与上の措置によって退職手当額が増えることが国民にはわかりにくく、理解を得られにくくなっているということだ。第2に、成績主義に基づく厳正な運用が行われているとは言い難いことである。
今、連絡会から申入れがあったが、運用改善で対応すべきということについては、昨年5月に指導指針を出して指導したが是正の見通しがなく、説得力がない。第2に、実施時期については、「できるだけ速やかに廃止の方向で見直す」ということに尽きる話であり、具体的な時期は現時点では決まっていない。第3に、退職手当の官民バランスについては、廃止されれば、退手の水準に影響があると思うが、所管省(総務省)の方で適切に対応されるものと考えている。
(5) 地域給与、給与制度見直しの問題については、今年の報告で「基本的考え方」を示す必要があると考えており、なるべく早く検討事項を示して、具体的な議論をしたい。皆さんからの問題提起については、その過程で議論していきたい。
(6) 短時間勤務の問題については、2月10日に連絡会から意見を聞いたのでそれを含めて研究会では検討されることになる。公務員連絡会がこのことについて強い関心を持っていることは認識しており、関係省庁と連携を取って検討してまいりたい。
(7) 男女共同参画にも関わる次世代育成支援対策推進法については、平成16年度末までに「行動計画」を策定することになっていることは承知している。所管は厚生労働省であり、計画を作成するのは各府省であり、それぞれ適切な対応がされているものと承知している。
(8) 育児・介護の問題については、民間の法改正に対応するために必要な検討は人事院としても行っている。共済に関わる事項については、人事院から所管省に意見を申し上げており、必要な対応がなされるものと考えている。その他、課題があるかどうかを含めて検討しているところだ。
以上のように審議官の回答は、抽象的な内容にとどまり、明確な見解は示されなかったため、連絡会は、以下のとおり再度明確な見解を示すよう迫った。
(1) 公務員バッシングに対して、人事院として具体的にどう対応するのか。人事院の代償機能の低下は明らかであるし、地方自治体でも三位一体改革による財政危機で人件費抑制が財源捻出の手段とされて、賃金カットが行われている。現在の公務員の給与水準が基本権制約の代償機能の発揮として適切なものであることを、人事院は広く訴えてほしい。給与が下がる中で、日曜日も窓口を開いて、組合員は公務・公共サービスの提供に努めている。公務員の士気を維持するためにも、公務員バッシングには毅然として対応してほしい。
(2) 現行の公務員給与決定基準について、「現時点では変えるつもりはない」というのでは、将来は変えることがあるのではないかと不安になる。人事院の生命線であり、歴史的・制度的に作られた基準によって公務員給与の適切な水準が確保されている。そこを「現時点」というのはどういうことか。堅持することを明確にしてほしい。
(3) 退職時特昇見直しの理由は納得できないし、実施時期も慎重に検討してほしい。所管省にもきちんと意見を言うべきだ。見解を再検討すべきだ。
(4) 次世代育成に関わる「行動計画」に対しては、あまりに他人事過ぎるのではないか。計画の中身は人事院が所管する制度に関わるものがほとんどであり、厚生労働省や各府省に任せるのではなく、人事院として責任をもって積極的に関与すべきだ。
(5) 民間の育児・介護制度の見直しに伴って、公務でも改正すべき課題があることが明らかであるのに、「課題があるかどうかを含めて」との回答では無責任である。具体的な課題を提示してわれわれと議論すべきだ。
(6) 地域給与、給与制度見直しは、実務者協議で公務員制度改革の方向が定まって、はじめて給与はどこがどう扱うかというということになる。具体的な議論をしたいということだが、公務員制度改革が定まらないと議論できないのではないか。
これらの再質問に対し審議官は、@バッシングに対してはあらゆる機会を通じて理解を得られるよう今後とも努力するが、直すべきものは直す必要がある、A官民比較基準については、これまでの経過や重みを十分に認識しているが、今日、改めて公務員連絡会から強い関心が示されたことを受け止めたい、B退職時特昇は、総務省に見直すことを連絡しているし、今後とも連絡を取っていきたい。それ以上は人事院としていう立場にない、C次世代育成については、人事院の立場、観点から見て必要なことがあれば対応したい、D育児・介護については非常勤職員の取扱いをどうするかが課題であることは認識している、E公務員制度改革は幅広いものであるが、それが固まらないと給与は検討できないということではなく、給与を所管する人事院として現行制度について指摘されている地域給与の問題や年功制などについて検討する必要があるということだ、との見解を示すにとどまった。
このため、連絡会側は最後に「本日の審議官の見解は極めて不十分だ。12日の勤務条件局長との交渉では@バッシングに対する具体的対応A官民比較基準の堅持、などについて明確な見解を示してもらいたい。とくに退職時特昇に関わる本日の見解はとうてい納得できない。廃止の理由について再整理して納得のいく説明を行うとともに、@なぜ運用改善ではだめなのかA実施時期はいつかB総務省への意見表明、などについては再回答を求めたい」と、12日の書記長クラス交渉で再回答するよう強く求め、本日の交渉を締めくくった。
以上