公務労協は、5月24日午後1時30分から都内・ホテルラングウッドにおいて、結成後初めての企画として「5.24公務労協政策シンポジウム」を開いた。
シンポジウムは、テーマに設定した「良質で安定した公共サービスの確立」を目指し、部外の識者の方々から見た現在進行中の小泉構造改革の問題点を指摘して頂き、その上にたって我々公務に携わる労働組合は何をすべきかアドバイスしてもらうことを目的に開催した。会場には、300人近くの組合員が参加し熱心に講演やパネルディスカッションに聞き入り、最後はフロアーからの質問も得、有意義なシンポであったことを確認し終了した。
開催に先立ち人見議長は、「小泉内閣の進める構造改革は、官から民へのかけ声で公務員バッシングも絡めて様々な行政改革を行ってきている。公務労協は、これらの波状攻撃に個別対応では抗しきれないと判断し、今日のシンポを契機に対抗軸の構築や良質な公共サービスキャンペーンを開始する」と決意を述べた。
シンポジウムの内容は、行政学の見地から今村都南雄中央大学教授が「これからの公共サービスの在り方〜ガバナンス改革と外部委託〜」と題し講演、行政の部外委託をめぐる基本問題から公共サービスの民間開放のあり方など、今後の新しい公共のあり方などへの示唆を指摘頂いた。続くパネルディスカッションは、成川連合総研上席研究員のコーディネイトにより、4人のパネラー(田尻嗣夫東京国際大学教授、渡辺俊介日本経済新聞社論説委員、松崎公昭民主党NC総務副大臣、丸山建藏国公連合委員長)参加の下、問題点の洗い出しと我々労働組合はどうすればよいかの指摘をもらい、フロアーとの質疑を行った。パネリストからは、小泉構造改革に関しては一様に批判的考えが示されたが、公務労協への今後の取り組みの進め方についてはかなり辛口の指摘があり、今後の運動や政策立案等に向け大いに参考となった。
シンポジウム閉会に当たり山本事務局長は、「今日のシンポを契機に、一方で検討を進めている対抗軸キャンペーン(仮称)を、部外からの意見を取り入れ公務労協の各組合が議論を行い、10月の総会までには一定の方向を示し、180万の組合員総員で運動を展開し、良質で安定した公共サービスを確立していくために総力を挙げて努力する」旨の挨拶で締めくくった。
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