2004年度公務労協情報 43 2004年7月8日
公務公共サービス労働組合協議会
国営関係部会

造幣労使間の2004新賃金交渉妥結
−賃金水準を維持−

 7月8日、造幣労使間の団体交渉で、新賃金交渉が妥結した。妥結内容は別紙(1)の通り。
 この内容は、郵政・印刷労使の交渉妥結内容と同様、賃金水準を維持し、今年度のベースダウンは行わないことを確認したものであり、郵政・印刷の自主交渉決着に続き、新賃金交渉の歴史上初の団体交渉による決着となった。
 国営関係部会は、この全造幣の決着を踏まえ、林野関係の自主交渉・自主決着に全力を挙げることとしている。
 なお、妥結にあたり全造幣は別紙(2)の見解を発表した。



(別紙1)

平成16年7月8日
造    幣   局


平成16年度の職員の新賃金について




1.平成16年度の造幣局職員の新賃金に関し、俸給については平成16年4月1日に昇給を実施し、ベースアップは行わない。

2.諸手当の見直しを含む給与制度の改正に関しては、労使で誠実に取り組み、早期に決着を図る。

3. なお、今後とも職員の賃金決定にあたっては、独立行政法人制度の趣旨に沿い、国民の理解と納得が得られるよう努めることとする。



(別紙2)

2004年7月8日
全造幣労働組合


「2004賃金水準維持」に関する見解


1)造幣当局は、本日午前の団体交渉で、全造幣労働組合に対して、2004新賃金に関して「平成16年度の造幣局職員の新賃金に関し、俸給については平成16年4月1日に昇給を実施し、ベースアップは行わない」との考え方を提示してきた。全造幣労働組合は、この当局の考え方が「本年度の賃金水準を維持する」「ベースダウンは行わない」ことを示したものとして評価し、決着した。これによって、造幣労使の新賃金交渉の歴史上初めての自主交渉での決着を図ることができた。

2)全造幣労働組合は、2004新賃金問題について、3月5日の第1回拡大執行委員会で「組合員の生活を防衛するため現行賃金水準の確保を図る」との方針を決定し、要求書を提出しないものの、当局からの「現行賃金水準を維持する」との回答を求めて取り組んできた。しかし、本年度の民間賃金の動向が、企業業績が順調に改善しているものの、依然としてデフレ状態の続く中で、そのことが基本賃金の引き上げに結びつかず、結果としてここ数年同様、定期昇給を確保するにとどまる中で、当局側から具体的な考え方が示されないままに時間が経過していた。

3)この間、公務労協国営関係部会での「賃金水準を確保させ、ベースダウンは阻止する。この内容で、自主交渉で決着させる」との確認に基づき、国営関係部会各組合は交渉を強化し、4月27日に郵政労使間で、6月17日に印刷労使間で「定期昇給を実施し、ベースアップは行わない」ことで自主決着した。こうした他組合での交渉の進展を受け、本日の当局の考え方の提示が行われたものである。我々は、全逓信労働組合(日本郵政公社労働組合)、全郵政労働組合、全印刷局労働組合の取り組みに敬意を表するとともに、全造幣労働組合としても、国営関係部会が統一して取り組んだ到達点に達したことの意義を確認するものである。

4)今回の造幣労使の決着が、全林野、日林労両組合の今後の交渉の進展の一助となることを願うとともに、公務労協の仲間である公務員連絡会が取り組みを進めている、賃金水準の維持・改善の要求実現に引き続き支援・連帯の取り組みを強化するものである。
5)全造幣労働組合は、今回の新賃金事案の決着を受け、今後は「総合的労働条件の改善に関する要求」の前進に向け、当局との交渉を強化していく決意である。

以上