2004年度公務労協情報 47 2004年7月26日
公務公共サービス労働組合協議会
公務員労働組合連絡会

賃金・労働条件専門委員会が人事院に「交渉基準」を提示―7/26

 公務員連絡会賃金・労働条件専門委員会は、26日13時30分から人事院交渉を実施し、本年の勧告に当たっての「交渉基準の考え方」を提示し、これに沿った勧告を行うよう求めた。
 本年勧告をめぐっては、人事院が給与制度・地域給与見直しについて地域別較差を明示し数値的目安を報告しようとしていることや較差がマイナスになる可能性が高まるなど、きわめて厳しい情勢にあることから、公務員連絡会は、22日に開催した幹事・企画調整合同会議で、交渉基準を設定し、要求実現に向けた取り組みを進めていくことを確認した。
 本日の交渉は、賃金・労働条件専門委員会の論議を踏まえ、28日に予定されている給与局長交渉へ向けて、最低限の要求を「給与勧告・報告に関わる交渉基準の考え方」として申し入れたもので、人事院は鈴木職員団体審議官、宮本参事官が対応した。
 冒頭、小林専門委員長が、「これまでの交渉において、人事院から、本年勧告について相当厳しいとの見方が示されているが、われわれとしては本年春の民間賃上げの状況から見て月例給は持ち直しているし、民間ボーナスも良くなってきていると思っている。こうした状況を踏まえ、本年勧告へ向けた歯止めの考え方をとりまとめたので、28日の給与局長交渉では、要求を踏まえた回答をお願いしたい」として、以下の通り考え方を示した。


給与勧告・報告に関わる交渉基準の考え方

1.期末・勤勉手当、月例給を合わせ、年間総収入を確保すること。
2.仮に官民較差がマイナスの場合であっても、俸給表は改定しないこととし、諸手当(扶養手当)の引き下げと一括精算方式で処理すること。
3.期末・勤勉手当については、月数増を勧告すること。また、その支給割合については合意を得ること。
4.給与構造の見直しに関わる報告内容については、勧告時期を含め、十分交渉・協議し、合意を得ること。地域給与見直しに関わる地域別官民較差や俸給表の引下げ数値を明示しないこと。

 申入れに対し鈴木審議官は、次の通り見解を示した。
(1) 較差、特別給は、厳正に調査・集計し、それを踏まえて対応するが、公務員連絡会の考え方として受け止める。調査が基になる話なので、それが固まらないと人事院としてどうこうできる話ではない。
(2) 特別給については、良いと報道されているが余り良くない感じであり、厳しいと思っていた方がいいかもしれない。
(3) 俸給表をどうするかなど配分については、較差の程度によっては要望内容を考える余地があるかもしれないが、手当で措置できる範囲は限られている。

 以上のように抽象的な見解を述べるに止まったため、公務員連絡会側は、「俸給表の引き下げには反対である。28日の給与局長交渉では、本日の申入れ内容を踏まえた回答をいただいて、勧告に反映してほしい」と強く要請し、本日の交渉を終えた。

以上