2004年度公務労協情報 49 2004年8月2日
公務公共サービス労働組合協議会
公務員労働組合連絡会

月例給・一時金とも据え置き、勧告日は6日の公算
第3次中央行動実施して書記長クラスが事務レベル最終交渉−8/2

 公務員連絡会は8月2日、2004勧告・報告をめぐる厳しい情勢を踏まえ、@一時金の増額で給与水準を改善することA俸給表水準を引き下げる地域給与見直しの報告を行わないこと、等を求めて第3次中央行動を実施、書記長クラスが人事院給与局長との交渉を行った。

 午後1時30分から社会文化会館で開かれた中央集会には、全国の仲間700人が参加し、佐藤副議長(全水道委員長)を議長に選出。主催者挨拶に立った丸山議長は、「これまでの交渉の積み上げの中で、一時金と地域給与見直し問題だけが残されている。とくに、地域給与見直し問題は、人事院が政府の方針通り俸給表引下げの方向性を打ち出すなら、代償措置を自ら否定することとなる。今後の見直しの方向を確定させないためにも、報告内容についてギリギリの段階まで調整を行うことが必要だ」と、最終段階まで人勧期闘争を進める重要性を訴えた。
 このあと山本事務局長が、これまでの取り組み経過と6日にも想定される勧告・報告内容の概要を説明。本日の事務レベルの最終交渉をへて、人事院総裁との交渉に臨む、との方針を提起した。
 構成組織決意表明には、自治労・登坂青年部長、日高教・小林書記長、国交職組・渡辺東北地本書記長が登壇し、最後まで闘う決意を表明した。
 最後に丸山議長の音頭で団結がんばろうを三唱し、集会を締めくくった。
 集会を終えた参加者は、人事院前支援行動に移動。書記長クラスの交渉を支援し、シュプレヒコールを繰り返した。
 この日行われた人事院給与局長との交渉経過は次の通り。

<人事院給与局長交渉の経過>
 山野給与局長との交渉は午後2時30分から行われ、山本事務局長ほか書記長クラス交渉委員が参加した。
 冒頭、山本事務局長が「本日が総裁回答前の最後の交渉である。先日の交渉も踏まえ、中身全般についてお答え願いたい」としたのに対し、山野局長は次の通り回答した。

1 勧告日
 勧告日は、8月6日を目指して作業を進めている。
2 官民較差
(1) 官が民をわずかに上回る(マイナス較差となる)が、寒冷地手当の見直し後でみると、ほぼ均衡する見通しである(官が民をごくわずかに下回る)。
(2) したがって、月例給の改定はない見通しである。
3 特別給
 支給月数の変更はない見通しである。
4 寒冷地手当
 前回申し上げたとおりである(対象市町村を勧告にて示すこととなるが、地域は、今回の勧告検討の基準時点の、16年4月1日の区域による)。
5 国立大学法人化等に伴う改正
(1) 教育職(一)は1級を削除して存続の方向である。
(2) 教育職(四)は4級、5級を削除して存続の方向である。
(3) 指定職俸給表12号俸の削除に伴い、任期付研究員等の俸給月額の上限を指定職11号俸相当に変更の方向である。
※前回の交渉で教育職(二)(三)表、義務教育関連手当の廃止については回答済み。
6 給与構造の基本的見直し
(1) 前回申し上げたとおりである。
(2) 前回のご意見・主張は受け止めており、今後引き続き議論していきたい。
7 官民比較方法の見直し
(1) 来年の官民比較から、比較給与種目について、通勤手当を外し、俸給の特別調整額を入れる等の見直しを検討する旨言及する方向である。
(2) 併せて、民間の人事・組織形態の変化に応じた官民比較方法の検討に言及する方向である。
8 公務員人事管理
 報告で、次の事項等に言及する方向である。
(1) 能力・実績に基づく人事管理の推進、再就職ルールの適正化
(2) キャリアシステムの見直しの検討、セクショナリズムの是正、民間人材活用及び人事交流の促進等
(3) 多様な勤務形態研究会中間取りまとめを踏まえた職業生活と家庭生活の両立支援策等
(4) 試験制度改革、女性公務員の採用・登用の拡大、能力開発・研修等
 先般(7月28日)職員福祉局長から説明しているものの他は、基本的には、従来から表明している趣旨を敷衍しているものである。

 回答に対し、公務員連絡会は、@一時金についての組合員の期待は大きい。何故、支給月数の増加とならないのか、明確に説明されたいA給与構造・地域給与の見直しについて、ブロック別の官民較差を考慮して全国共通俸給表の水準引き下げをおこなうことについては反対だ。人事院として、先日示した考え方に変更はないのか、などと納得のいく回答を示すよう迫った。
 これに対して、給与局長は、@一時金については、民間において若干の月数の増加はあったが、端数処理(二捨三入)の問題もあり、支給月数の増加とはならなかった。十分な分析はしていないが、業績の良い企業がある一方で、良くないところもあり、月数増とならなかったということだA給与構造・地域給与の見直しについては、ひとつの「たたき台」を示し、今後議論していくということは述べることになる。われわれとして完成した案があって、それに基づいてやるという断定的な報告ではない、と答えた。
 そのため公務員連絡会側は、「一時金の月数増の勧告が行われなかったのは、民間の動向からして納得がいかず、不満だ。地域給与については、人事院として本当にこれからわれわれと話し合って成案を得るというスタンスで今後に臨んでもらいたい」と求め、交渉を締めくくった。

以上