公務員連絡会は、8月6日の人事院勧告を受けた政府の検討状況を質すため、6日、午後3時から、総務省交渉を実施した。公務員連絡会からは幹事クラス交渉委員が出席し、総務省からは森人事・恩給局次長らが対応した。
冒頭、公務員連絡会が、人事院勧告に係る政府部内の現段階の検討状況と給与制度見直しへの基本姿勢を質したのに対し、森次長は「8月に公務員連絡会から要望書をいただいて検討してきており、中間回答を申し上げたい。勧告通り実施してほしいということについては、政府としては従来から労働基本権制約の代償措置の根幹をなす人事院勧告を尊重するとの基本姿勢にたち、国政全般の観点から検討している。本年の勧告について、総務省としては、尊重する立場で検討してきており、早期に実施することを決定できるよう適切に対応している。また、給与制度の見直しについては、専門機関、第三者機関、代償機関としての人事院で検討されたものであり、人事院としてもみなさんの意見を聞くと報告している。今回の報告にある記述はあくまで人事院のたたき台として示されたものと認識している。今後、人事院が勧告するということになれば、総務省としても使用者の立場で適切に対応して参りたいし、皆さんの意見も十分お聞きしながら対応していきたい」として、本年の人事院勧告の取扱いを早期に決定する方向であることを明らかにした。
これに対し公務員連絡会が、「今の回答については、早期に勧告通り実施するとの取扱い方針の閣議決定があると受け止める」ことを表明し、「閣議決定後の法案化作業に当たっては、寒冷地手当見直しに関わる府令勧告に基づく寒冷地手当支給規則の改定作業を含めて、議論させていただきたい」と要請したのに対し、森次長は話し合っていくことを確認した。
また、公務員連絡会は、@人事院が進めようとしている給与制度の見直しについて、使用者が行う人事管理に影響を与えるものであり、中央人事行政機関たる内閣総理大臣の補助部局としての総務省人事・恩給局として、人事管理に困難を生じさせないというスタンスでの対応が求められるA見直しの中身として査定昇給制度の導入や勤勉手当の成績率の拡大が検討されており、そのためには評価制度の整備が不可欠となるが、人事院も具体的に言及していないし、推進事務局が進めている公務員制度改革の中でも評価制度がどうなるのかはっきりしていない。この際、人事・恩給局としてどう対応するのかが問われているし、われわれと十分議論させていただきたい、として次長の見解を質した。
これに対し次長は、@地域給与を始め給与制度の問題には考慮に入れるべき多数のファクターがありその重み付けの問題もあると思う。説得性のあるものを検討していくことが課題になるが、総務省としても関心を持ちながら、皆さんと意見交換をしながら、国民全体から理解を得られるようなものにしていきたい、A評価制度の問題については、皆さんと議論して参りたい、との考えを示した。
最後に、公務員連絡会から「9日には委員長クラスが麻生大臣と交渉することになっているので、その際には一層明確な見解をいただきたい」と申し入れ、本日の交渉を終えた。
以上