公務員連絡会の地域給与・給与制度見直し闘争委員会の実務作業委員会は、6日13時30分から、「給与構造見直し」に関わる人事院交渉を実施した。
この交渉は、11月11日に提出した「給与構造見直し(素案)に対する申入れ」を踏まえた検討状況を質すために行われたもので、人事院は鈴木職員団体審議官らが対応した。
冒頭、公務員連絡会側が、現時点での作業状況を質したのに対し、鈴木審議官は「素案に基づいて内部的に作業を続けており、引き続き意見を聞きながら具体化に向けた作業を進めていきたい」と答えた。これに対し、公務員連絡会は、申入れ事項を踏まえ、以下の通り人事院の見解を質した。
(1) 俸給表水準の引下げは、本俸:諸手当比率(85:15)を変えるものであり、認められない。撤回すべきだ。地域給与見直しが配分の話というのなら、諸手当の中で調整すべきである。
(2) ブロック別の較差で俸給表水準を決めるのは従来の考え方と異なっているし、安定性にも問題がある。
(3) 新たな地域手当は20%程度ということだが、民間の地域手当はそんなに多くないのではないか。民間準拠と言いながら、そこは違うのか。
(4) 職務評価については、標準職務表ではなく、職務分析をまず行うべきではないか。実績評価を行うのであれば、職務内容を明確にすることが前提でなければならない。
(5) 実績に基づく処遇を行うというのであれば、まず、具体的な評価制度を示すべきだ。給与面だけでなく、任用面も一緒に示すべきではないか。
これに対し人事院は、以下の通り答えた。
(1) 現行の本俸:諸手当比率は何がなんでも守らなければならないというものではない。地域の格差をより反映させるためには、全国共通の俸給表水準を引き下げることが総体的に穏当な方法と考えている。
(2) ブロック別較差は全国較差に比べて安定性が劣ることは確かなので、そこは数年間の数字を見て決めることを考えている。
(3) 民間と公務の転勤実態は異なっているので、地域手当については必ずしも民間と同様である必要はないのではないか。
(4) 現在の標準職務表に代わる納得性の高い格付制度は今のところ見出していない。引き続き検討するが、難しい。
(5) 評価制度については、公務員制度改革の課題でもあるが、人事院として何もやらないということではなく、何とかしたいと思っている。
以上のように、議論は平行線に終わり、具体的な進展は得られなかった。このため、公務員連絡会は、「申入れに基づいた検討を行うことを改めて要求する。合意に基づいた作業にしていただきたい」と要請し、本日の交渉を締めくくった。
以上