12月14日、連合会長と小泉総理の政労会見が首相官邸で行われた。これには笹森連合会長、人見会長代行(公務労協議長)、草野事務局長が出席、連合より当面の重要課題と来年度予算編成に向けての申入れが行われた。
同会見の最後に、人見会長代行より規制改革・民間開放推進会議の答申に係る労働条件の扱いに関する連合と公務労協連名の申入書(別紙)を提出し、以下の3点を申し入れた。
@市場化テストのモデル事業案、個別官業の民間開放案、「14の重点検討事項」は、当該事業に働く職員、組合員にとって勤務条件の重大な変更をもたらすものであることから、政府方針を確定するにあたっては、当該組合からの意見聴取及び十分な協議を行うこと。
A国民に保障されるべき公共サービスのあり方、ナショナルミニマムの質と水準を明確にしないままに市場化テスト制度の設計、モデル事業案のとりまとめ等は行わないこと。
B雇用・賃金など最も基本的な労働条件の変更をもたらすおそれのある市場化テスト、民間開放については、労使関係を超えて一方的な政治的方向づけは行わないこと。
【別紙】
2004年12月14日
内閣総理大臣
小 泉 純一郎 様
日本労働組合総連合会
会 長 笹 森 清
公務公共サービス労働組合協議会
議 長 人 見 一 夫
規制改革・民間開放推進会議の答申に係る労働条件の扱いに関する申し入れ
貴職におかれましては、日頃より連合運動に対しご理解を賜り敬意を表します。
さて、規制改革・民間開放推進会議は、@「市場化テスト」の導入、A官業の民間開放、B医療、福祉・保育、教育分野 などの14の重点検討事項等に関する答申をとりまとめると報道されております。それによれば、2006年度から市場化テスト制度を全面的に導入し、2005年度には、モデル事業として社会保険などの民間開放を実施するとしております。
公共サービスには、社会的セーフティネットとしての役割とともに、国民に公平かつ安定的に提供されなければならない義務が課せられております。市場化テストは、公共サービス部門を入札の対象とすることで、これまで国や地方自治体が提供してきたいわば国民の共有資産をビジネスチャンスとして民間部門に開放するものであり、個別業界や特定企業の私的利益の追求の具になりかねず、公平かつ安定的なサービス提供が損なわれるおそれがあるといった国民の不安が強まっております。
また、答申に沿って「規制改革・民間開放推進のための基本方針」が決定されることになると、公共サービス部門に働く者の雇用・労働条件のみならず、地域の中小、地場産業に働く労働者へも重大な影響をもたらすことになります。
つきましては、政府方針を確定するにあたり、以下の点を十分配意していただきますよう、要請いたします。
記
1.市場化テストのモデル事業案、個別官業の民間開放案、「14の重点検討事項」は、当該事業に働く職員、組合員にとって勤務条件の重大な変更をもたらすものであることから、政府方針を確定するにあたっては、当該組合からの意見聴取及び十分な協議を行うこと。
2.国民に保障されるべき公共サービスのあり方、ナショナルミニマムの質と水準を明確にしないままに市場化テスト制度の設計、モデル事業案のとりまとめ等は行わないこと。
3.雇用・賃金など最も基本的な労働条件の変更をもたらすおそれのある市場化テスト、民間開放については、労使関係を超えて一方的な政治的方向づけは行わないこと。
以上