公務員連絡会は、3月1日から4日にかけて、2005春季生活闘争第1次中央行動として地域給与・給与制度見直しを中心課題に、ブロック別上京行動を実施した。
1日は北海道、東北。2日は関東、中部・北陸。3日は近畿、中・四国。4日は九州に別れ、それぞれ200人が結集。ブロック別の決起集会、代表団による人事院交渉、その交渉を支援する人事院前行動などに取り組んだ。
決起集会では、公務員給与が政治の道具として取り扱われている厳しい情勢を確認、@格差解消の地域の運動に全力を挙げることA公務員給与の社会的合意を再確立する取り組みを進めることB春闘において最重要段階の人勧期の取り組みの足がかりを確保することに全力を挙げること、などの取り組み方針を意思統一した。
また、地域や職場の声を直接人事院に届けることを目的に、ブロック別の代表者による交渉が行われた。
人事院交渉では、各地域の上京団が、人事院の宮本参事官に対し、@同じ職場に勤めている人でも、仕事の内容や職務が変わらないのになぜ俸給表水準を下げるのか、納得がいかないA国が先頭に立って給与を下げると民間労働者にも影響を与えることは必至であり、地域経済にも悪影響を及ぼす。国民にどう説明するのかB同じ仕事をしているのになぜこれ以上、勤務地が違うことによる格差が拡大するのかC俸給表水準を最も低い地域に合わせるとそれ以外の地域では公務員給与が民間を下回ることになるのではないかD地域別に給与を決めることになると経済の地域格差を認めて固定化することになるのではないかE地方を下げて本府省だけ上げるというのは納得できない。企画立案業務があるのは本省には限らないではないかF新しい評価制度を整備することなく、勤務実績の昇給や勤勉手当への反映を強めるのは反対だ、などと訴え、人事院に納得のいく説明を求めた。また、「俸給表の引下げ提案を撤回し、十分な交渉・協議を行い、合意に基づいて作業を進めることとし、一方的な勧告は行わないことを約束」するよう強く迫った。
これに対し、参事官は「地域の公務員給与は民間給与より高いのではないかとの指摘があり、この間人事院として検討してきたが、ブロック別のラスパイレス比較を行った結果、俸給表水準を最も低いところに合わせ、民間賃金が高い地域については調整手当に代わる地域手当を支給することが適当との考えに基づくものである。勤務実績の反映は現行制度の下で、持ち回り・年次運用を改善するための措置でありご理解願いたい」との見解を繰り返すのみで、まったく納得できる説明はなかった。また、今後の作業については、引き続き十分な交渉・協議を行い、合意に向けて最大限努力していくことを約束した。
そのため交渉団は、「われわれの質問に十分説明もできないのであれば、公務員の納得が得られるはずがない。人勧期にも、上京する機会があると思うので、そのときにはきちっと説明してもらいたい。説明できないなら、撤回する以外ない」と、人事院がしっかり説明責任を果たすよう強く求めた。
公務員連絡会では、今後の2005春季生活闘争の取り組みで、1日〜4日のブロック別上京行動の成果を踏まえ、8日には幹事クラスの交渉、15日には第2次中央行動を背景に書記長クラスの交渉を配置し、22日の総務大臣、人事院総裁交渉で誠意ある回答を引き出すこととしている。
以上