2005年度公務労協情報 21 2005年3月8日
公務公共サービス労働組合協議会
 公務員連絡会

2005春季要求で幹事クラスが総務省・人事院と交渉−3/8

−人事院が素案の「説明資料」提示。公務員連絡会は197万筆余の地域給与に関わる個人署名提出−

 公務員連絡会は、8日、幹事クラス交渉委員が、2月14日に提出した2005春季要求の回答を求めて総務省人事・恩給局次長、人事院職員団体審議官と交渉をもち、それぞれ中間的な回答を引き出した。しかし、8日の段階では、現下の公務員給与を巡る厳しい情勢を反映して、総務省、人事院のいずれも給与改定に対する基本的な姿勢は確認したものの、回答内容は抽象的なものにとどまっている。公務員連絡会では、15日の書記長クラスの交渉をはじめ、今後の交渉・行動を一層強め、22日の回答指定日には誠意ある回答を引き出せるよう取り組みを強めていくこととしている。
 また、この日、公務労協・公務員連絡会として取り組んだ地域給与に関わる組織内個人署名、197万筆余を人事院に提出した。

<総務省人事・恩給局次長との交渉経過>
 公務員連絡会幹事クラス交渉委員と総務省人事・恩給局との交渉は、3月8日午後1時30分から行われた。公務員連絡会側は、今日段階での総務省の見解を求め、森人事・恩給局次長は次の通り回答した。
(1) 本年の給与改定に対する基本姿勢について
 昨年の給与改定では、国家公務員の平均年間給与は6年ぶりに前年の給与水準が維持されたが、総務省としては、来年度の給与改定に当たっても、従来同様、労働基本権制約の代償措置の根幹をなす人事院勧告制度尊重の基本姿勢の下、国政全般との関連を考慮しつつ、適切な給与水準となるよう対処してまいりたい。
(2) 退職手当制度の見直しについて
 退職手当制度については、公務員制度改革の一環として、また、人事院における「給与構造の基本的見直し」の検討状況等を注視しつつ、制度面の見直しについて検討する必要があると考えている。
 退職手当は職員の重要な関心事項であり、検討に際しては職員団体の皆さんからの御意見は十分承ってまいりたい。
(3) 国際労働基準・労働基本権等の確立について
 昨年5月には政労協議が開催され、その後様々なレベルで、公務員制度改革に関して、労働基本権の問題も含め、幅広く意見交換が進められてきたところであり、また、昨年12月に閣議決定された「今後の行政改革の方針」において、「制度設計の具体化と関係者間の調整を更に進め」ることとされている。
 公務員制度改革を進めるに当たっては、職員団体を含む関係各方面とも十分に議論していくことが重要であると認識しており、その中で、労働基本権の問題についても意見交換の対象となるものと認識している。
(4) ワークシェアリングの実現、労働時間並びに休暇、休業等について
 昨年度の人事院報告においては、公務と育児・介護など家庭生活を支援する方策について触れられているところであり、この点に関しては、人事院において今後検討が進められ、具体的な措置に関する意見の申出がなされれば、総務省として適切に対処してまいりたい。
(5) 在職期間の長期化、公務の高齢対策の推進について
 総務省としては、「国家公務員高齢者雇用推進に関する方針」(平成13年6月人事管理運営協議会決定)に沿って、再任用制度を高齢国家公務員雇用の基本的方策と位置づけており、関係機関と緊密な連携を取りつつ、各行政機関が行う高齢国家公務員の雇用に関する事務について必要な総合調整や、再任用の実態を把握するために、実際に再任用された方を対象としたアンケート調査を行うなど、政府全体として、高齢国家公務員の雇用を推進してまいりたい。
(6) 男女共同参画社会の実現、女性労働者の労働権確立について
 次世代育成支援対策推進法に基づく、特定事業主行動計画の策定については、各府省において、職員に対するアンケート調査や意見聴取等の方法により、職員の意見反映のための措置を講じ、本年度末までに策定されるものと承知している。
 来年度以降、各府省においては、それぞれの行動計画に基づき、職員の仕事と家庭の両立に関する取組みが推進されるものと承知しているが、われわれとしても、厚生労働省等の関係府省と緊密に連携を取り、制度官庁として各府省に共通する課題や制度的な課題については、適切に対応したいと考えている。
(7)「評価の試行」について
 「評価の試行」については、労使で十分な意思疎通を図り、相互信頼関係を維持しながら検討を進めることが重要であると認識しており、職員団体とも十分に意見交換を行いながら検討を進めてまいりたい。

 以上の回答に対し、公務員連絡会側は以下の通り見解を質した。
(1) 昨年、総務省は「公務員給与水準は適切に確保されている」との姿勢を表明したが、本年についてもその認識に変わりがないことを確認したい。
(2) 経済財政諮問会議や自民党等で、誤った情報や理解のもとに公務員給与に関する議論が一方的に行われている。賃金・労働条件決定の原則を無視し、「政治」が一方的に公務員給与の見直し方針を決定することは決してあってはならない。要求提出の際、麻生総務大臣から誤った公務員バッシングについて対応していくことが表明された。公務員の使用者として、こうしたバッシングには毅然と対応すべきである。
(3) 退職手当制度に関わって、人事院の「給与構造の基本的見直し」を前提とした検討は行うべきではない。従来の公務員制度改革の枠組みの中での話として進めるべき課題だ。われわれとの交渉・協議を十分に行い、合意に基づいて行うよう強く要請する。
(4) 政府は昨年末「5年間で10%以上」の定員削減について閣議決定したが、このような方針の下で、公務における高齢対策としての再任用制度を維持していけるのか懸念している。弾力的に対応するための解決策が求められており、現在の定員管理を時間による管理に弾力化するなど、これまでより一歩踏み込んだ施策を検討するよう強く要請する。
(5) 「評価の試行」については、昨日の人事・恩給局長との交渉において、評価制度が機能するためには、組合の理解が重要であり、誠意を持って対応し、納得が得られるよう努力することが重要であるとの回答をいただいたと理解しているが、その認識に違いはないか改めて確認したい。
(6) 特定事業主行動計画に基づく、職員の仕事と家庭の両立に関する取組みについては、引き続き政府として積極的に推進し、各府省、自治体における「行動計画」の実施について必要な指導・点検を行うよう要請する。なお、現在の府省における行動計画の策定状況はどうなっているのか明らかにされたい。また、各府省の行動計画が出揃った段階で情報提供するよう要請する。
(7) 今年5月のILO結社の自由委員会、6月の総会等において誠実に対応することをお願いしたい。

 これに対し総務省側は次の考え方を示した。
(1) 今後とも、人事院勧告制度尊重の基本姿勢の下、適切な水準となるよう対処していく。
(2) 麻生総務大臣も経済財政諮問会議の中で発言しているように、制度の成り立ちなど、事実は事実として論理的に説明していくことが重要と考える。「無理が通って道理が引っ込む」ことのないようにしたい。公務における一部の不祥事を取り上げ、公務全体が悪いとする風潮や、事実と違った認識については、正していかなければならない。また、現状の仕組みの中で間違ったことだけは言われないように、われわれも対応していかなければばらない。お互いに知恵と人脈を活用しながら対応していきたい。
(3) 退職手当制度の見直しを部内検討するに当たって、人事院の「給与構造の基本的見直し」の検討動向を全く無視することはできず、注視せざるを得ない。人事院の勧告との関係で、総務省人事・恩給局として、いつ案を出すのかという問題はある。いずれにしても、退職手当は職員の重要な関心事項であり、検討に際しては職員団体の皆さんからの御意見は十分承ってまいりたい。
(4) 定員管理は、人事・恩給局の所管ではないが、再任用を進めるに当たって、限られた予算の中で対応しなければならない。高齢対策について、みなさんが弾力的な施策を求めていることは承知している。定員管理を勤務時間に基づいて行うことは論理的には可能と考えるが、弾力的な施策といっても様々考えられるのではないか。職員団体の皆さんの知恵も借りながら努力していきたい。
(5) 繰り返しになるが、「評価の試行」については、労使で十分な意思疎通を図り、相互信頼関係を維持しながら検討を進めることが重要と認識している。皆さんのアイデアを借りることもあると考える。評価制度については、難しい問題であるが、「誠意を持って話し合い、合意に向けて努力する」という姿勢に変わりはない。
(6) 特定事業主行動計画については、ほぼすべての府省が年度末までに策定されると聞いている。各府省の行動計画が出揃った段階での情報提供については、総務省の所管ではないが、関係省庁と話し合った上で対応したい。
(7) ILOには、誠実に対応してまいりたい。

 最後に、公務員連絡会は「公務員給与が『政治の道具』としてもてあそばれている現状にわれわれは危機意識を持っている。使用者の立場からも、賃金・労働条件決定の原則をはずれたような動向には毅然として対応することを強く求める」と、総務省人事・恩給局の毅然とした対応を要請するとともに、「本日の回答は抽象的なものにとどまっており、不満である。さらに検討を重ね、15日の局長交渉では、より明確な回答を示してもらいたい」と要請し、本日の交渉を終えた。


<人事院職員団体審議官との交渉経過>
 公務員連絡会幹事クラス交渉委員は、8日15時から、鈴木職員団体審議官と交渉を行った。
 交渉に先立って、組合員と家族を中心に取り組んだ「給与構造の見直しに関する要請」署名1,977,966名分(3月7日現在)を提出し、「重く受け止めていただいて、今後の交渉・協議においてわれわれの意見を反映していただきたい」と要請したことに対し、審議官は「約200万名分の署名をいただいた。職員や家族の皆さんが重大な関心を持っていることの反映であり、しっかり受け止めたい」との見解を示した。
 続いて審議官は、別紙資料の通り、昨年11月2日に提示した「給与構造の基本的な見直し(素案)」に対する「説明資料」を提示、「あくまで人事院の提案は素案だが、その議論を深める説明資料として提示させて頂いた。今後はこの資料も含め議論していきたい」と説明した。これに対して公務員連絡会側は、「本日は説明を受けるに止め、今後『地域給与・給与制度見直し対策委員会』の枠組みの中で議論していきたい」として、今後、「対策委員会」として交渉・協議を強めていく考え方を示した。

 2005春季要求をめぐる交渉に入り公務員連絡会側は「2月14日に総裁に要求書を提出して初めての交渉になるが、中間的な形で検討状況を伺いたい」として審議官の見解を求めたのに対し、審議官は「2月14日に要求書をいただいて検討しているが、今日は主要な点について、現時点での検討状況をお話ししたい」として次の通り考え方を示した。

(1) 地域給与・給与制度見直しについては、昨年11月2日に素案を提示し、11日には公務員連絡会からの申入れをいただき、その後、地方からの代表者の話を聞く機会等を含め、別途、いろいろな形で議論しているところである。本日は説明資料を提示させて頂いたが、今年の夏の勧告に向けて、引き続き精力的に話し合いを進めていきたい。
(2) 給与水準については、2005年の改定に向けて、民間準拠の基本原則にのっとり、公務員給与の適正な水準を確保していく基本姿勢は変わらない。
 比較企業規模について、昨年の勧告に向けて、春の段階で総裁から回答した経緯は承知している。また、今年の勧告に向けては、現在検討中である。
 背景となる民間の景況は、言われているように、良いところと悪いところの格差が大きいというのが実態だろうが、いずれにしても民間の給与の実態を正確に調査して対応する。
 民間給与の調査については、検討中であるが昨年の勧告で報告したように、通勤手当と特別調整額の比較給与種目の取扱いのほか、「民間企業における人事・組織形態の変化への対応」として、スタッフ職や非正規職員の実態を調査するかどうかについて検討している。
(3) 短時間勤務・育児休業に関しては、部分休業の対象となる子の拡大等について、現在、各府省の意見を聞きながら検討を進めている。部分休業と短時間勤務とは効果の面で重なる点もあることから、両者の関係も整理しつつ検討を進めている。
 短時間勤務制の導入については、定員、退職手当、共済等を所管する制度官庁との調整を図りながら検討を進めたい。
(4) 男女共同参画・次世代育成支援に関しては、両立支援策について、早出遅出勤務、男性職員の育児参加休暇等、昨年の研究会の中間取りまとめで提言された事項を中心に実質的に相当の改善を進めたところである。また、2月18日には、両立支援に関する指針を出し、人事院として積極的な役割を果たしていると考えている。

 以上の審議官の見解に対し、連絡会は、以下の通り再度明確な見解を示すよう迫った。
(1) 地域給与については、3月1〜4日の上京行動に対応してもらったが、今後も誠実な対応をお願いしたいし、昨年の申入れを反映した春闘回答を求めておく。ただ、上京行動での交渉では、地域代表の疑問に対し人事院から納得できる説明が示されておらず、遺憾だ。説明責任をきちっと果たしてもらいたい。
(2) 本年の給与改定に関わっては「適正な水準を確保していく基本姿勢は変わらない」とのことであるが、「現行の比較方法によって確保されている水準が適正である」との理解に基づく見解であると受け止めてよいか。また、そうであるとすれば、昨年末と同様の回答にとどめて先延ばしするのではなく、この段階で明確な方針を示すべきだ。
(3) 昨今、政治の方から公務員給与バッシングが強まっており、党利党略で公務員給与が扱われようとしている。こうした動きが国民の公務員給与に対する不信感を高めていることについて、人事院として遺憾であることを表明して毅然とした対応をお願いしたい。組合員の間では、人事院は迎合しているのではないかとの不信感がある。現場に目を向けるなど、代償機能をしっかり発揮してもらいたい。
(4) 通勤手当と特別調整額の話は昨年来の話であり公務員連絡会としても受け止めるが、スタッフ職と非正規職員を調査するというのは初めての提起であり、唐突だ。実態把握といっても調査すればどうして官民比較に入れないのかという話になりかねない。例年4月末に民調の交渉を行っているが、その前にこの問題について別途協議の場を設けて議論させていただきたい。
(5) 両立支援策のうち残された課題について、いつ、どのような形で行うのか、早く結論を出していただきたいし、その内容を春闘の回答に入れていただきたい。本年の勧告を越えることはないと受け止めているが、メドを付けてほしい。また、短時間勤務制度は導入する方向で検討していると受け止めてよいか。

 これらの再質問に対し審議官は、次の通り考え方を示した。
(1) 地域代表の声については記録を通じて承ったし、原局の担当者にも伝えてある。十分説明してきたつもりであるが、地域で下がることについて十分納得できないということがあるかもしれない。理解を得られるよう引き続き議論して参りたい。
(2) 民調については、例年と同様のペースで始められるよう検討作業を行っており、しかるべき時期には決めないといけないことから、その検討状況に応じて回答したいと考えている。
(3) 公務員給与に対して誤解があることについてはきちんと説明していくが、正すべきところがないのかどうか、議論が出てくる背景も考える必要がある。例えば、民間との差が目立つ地方の高齢者の給与など正すべきところは正さないと理解が得られない懸念があると考えており、そうした点も含めて対応して参りたい。
(4) スタッフ職の問題は勧告の報告で言及しており初めての話ではないし、非正規職員は「民間企業における人事・組織形態の変化への対応」に関連する話であり、民間に動きがあれば人事院として知らないというわけにはいかず、何らかの検討が必要であり、実態を調査するかどうかを含めて検討したいということである。今後どうしていくかについては、皆さんと議論していきたい。
(5) 両立支援策については関係者もあるのでいつまでにということは申し上げられないが、できるだけ速やかにという姿勢で検討していきたい。短時間勤務制度は部分休業との関わりを含めて検討しているが、方向としては導入するということである。

 以上のように、審議官は官民比較の方法を含めて抽象的な見解を示すにとどまったことから、連絡会側は最後に「本日の審議官の見解は抽象的で、要求に明確に答えておらず、不満である。15日には書記長レベル交渉委員と局長との交渉があるので、具体的で誠意ある回答をお願いしたい」と、15日の書記長クラス交渉で明確な回答を示すよう強く求め、本日の交渉を締めくくった。

地域給与等に関する個人署名1,977,966筆を集約

 公務員連絡会として昨年11月末から2月末まで、組織内を中心に取り組んだ「給与構造見直しに関わる個人署名」及び、公務労協全体として12月から取り組んだ「地域給与見直しに関わる個人署名」は、合計で1,977,966筆を最終集約(3月7日現在)した。
 この署名は、8日の公務員連絡会幹事クラスによる人事院職員団体審議官交渉の際、人事院へ提出された。


<別紙資料−8日に提示された素案に対する説明資料>

給与構造の基本的見直しについて(素案)の説明


平成17年3月8日
人 事 院


1 俸給水準の引下げと勤務地に応じた適切な給与調整の実現

(1) 俸給表水準の引下げ
・ 最も低いブロック別の官民給与比較の数値を考慮して、全国共通俸給表の水準について5%程度引下げを図る。
※ 平成15年は6.48%(実質5.41%)、平成16年は4.77%(同4.78%)

(2) 地域手当の新設
・ 民間賃金の高い地域に勤務する職員に対し、調整手当に替えて地域手当を支給する。
・ 支給地域は賃金構造基本統計調査等を基礎に市町村単位で指定する。地域の一体性を考慮した広域指定も検討する。
・ 支給割合は東京都区部の現行水準を維持できる水準を上限とする。

(3) 転勤手当の新設
・ 円滑な転勤運用を確保するため、広域展開する民間企業の水準を考慮して、転居を伴う転勤を行った職員に対し最大3年間を限度に3〜6%程度の転勤手当を新設する。
・ 地域手当を受給していた者については一定期間転勤手当の額の特例を検討する。
・ 地域手当との併給調整を行う。

2 俸給表構造の見直し

(1) 級間の水準差の是正と級構成の再編
・ 次のように行政職俸給表(一)の級構成の見直し(10級制)を行う。
@ 1級と2級、4級と5級を統合
A 職務内容の高度化に対応し、本省重要課長等を対象として12級を新設
・ 特別俸給表についてはこれとの均衡を考慮しつつ必要な措置を行う。

(2) 昇給カーブのフラット化
・ 調整手当の非支給地で7%程度ある民間の中高齢層との水準格差を踏まえ、俸給水準の引下げ分と合わせて均衡が図れるよう4級以上の高位号俸の水準を最大7%程度引き下げ、3級以下及び中位級前半号俸の引下げは5%を下回るものとする。
・ 4級以上の各級について初号から最大7号俸の号俸カットを行う。
・ 昇格時の号俸決定方式を昇格前の俸給月額に級別に一定額を加算した額に金  額対応する俸給月額に決定する方式に見直し。

3 勤務実績の給与への反映

(1) 勤務実績に基づく昇給制度の導入
@ 昇給幅の細分化等
・ 勤務実績を反映させやすくするため、現行号俸を4分割する。
・ 職員層毎に昇給号俸数別の分布割合を設定する。
・ 事務の簡素化も考慮して、昇給期を年1回(例えば4月)にする。
A 枠外昇給制度の廃止
・ 職務給の徹底を図るため、いわゆる枠外昇給制度を廃止する。

(2) 勤勉手当への実績反映の拡大
・ 勤務実績をより的確に反映し得るよう、一定月分を原資として留保する。
・ 成績率別の分布割合の基準を設定する。

(3) 昇格基準の見直し
・ 昇格の判断がより適切に行われるよう、昇格について、一定期間における勤勉手当・昇給の判断を通じて把握される勤務実績が良好以上であることを要件とする。

※ 給与決定のための勤務成績の判定についての改善
 本格的な評価システムの整備については引き続き検討を行うこととするが、本年の夏においては勤務実績を適切に給与へ反映させるため、現在の勤勉手当の成績率及び昇給の決定において行われている勤務成績の判定について、着目すべき要素の明確化、勤務成績不良者の判断基準の明確化、分布割合の設定など一定の改善を図るための措置を講じる。

4 その他の課題

(1) 専門スタッフ職俸給表の新設
・ 行政の多様化、複雑・困難化に対応するとともに、複線型の人事制度の導入に向けての給与制度上の環境整備として、専門的な能力の活用を目的として、3級構成程度の簡素な級構成の専門スタッフ職俸給表の新設を検討する。

(2) 俸給の特別調整額の定額化及び本府省手当の新設
・ 民間の役付手当の定額化を踏まえ、俸給の特別調整額について超過勤務手当の支給実態を考慮しつつ、支給区分別・職務の級別の定額化を図る。
・ 民間の同種手当の動向等に鑑み、通勤手当を官民比較の給与種目から除き、特別調整額を比較給与種目に加える。
・ 本府省課長補佐の特別調整額を本府省手当に改め、措置の必要性が認められる本府省課長補佐以下の職員を対象とする(役職別・職務の級別の定額とする)。

以上