2005年度公務労協情報 22 2005年3月15日
公務公共サービス労働組合協議会
 公務員連絡会

公務員連絡会3.15第2次中央行動に3,000人参加

−書記長クラスが総務省・人事院各局長と事務レベル最終交渉−

 民間大手の山場を明日に控えた15日、公務員連絡会は2005春季生活闘争第2次中央行動を実施した。この日午後、日比谷大音楽堂で開かれた中央集会には、全国から3,000人の仲間が参加。22日の回答指定日に向けて闘う意思を固め合った。集会後、参加者は霞ヶ関一周のデモ行進を行い、「俸給表引下げの地域給与見直し反対!」「公務員賃金を改善せよ!」と、シュプレヒコールをあげた。一方、書記長クラス交渉委員は、総務省人事・恩給局長および人事院給与局長、職員福祉局長と交渉を持ち、誠意ある春闘回答を示すよう迫った。しかし、公務員給与バッシングがますます激化する中で行われた交渉では、総務省、人事院の姿勢は極めて固く、給与改定に対する基本姿勢は確認できたものの、要求に対する誠意ある回答は示されなかった。また、各構成組織は、この中央行動に連動して第2次全国統一行動を実施した。
 公務員連絡会は、この日の行動終了後、企画・幹事合同会議を開き、22日の総務大臣、人事院総裁交渉で誠意ある回答を引き出すべく、重点課題を設定し折衝等を強めていくことを確認した。

 午後1時30分から開かれた第2次中央決起集会は、森越副議長(日教組委員長)を議長に選出、主催者挨拶にたった丸山議長は、「政府・与党、財界が一体となり、公務員の労働組合に対する政治活動の規制強化、事務事業の切り捨て、人件費削減の攻撃が一段と強まっている。地域給見直しについては人事院の思惑を超えたバッシングが強まっている。いまこそ、腹を据えた闘いを推し進めていかなければならない」と、春闘から人勧期の闘いへの決起を訴えた。
 激励挨拶に駆けつけた笹森連合会長は、「明日、民間の山場を迎えるが、今年は定昇を確保し、どう上積みするかの闘いであり、これを公務員に結びつけていきたい。いわれなきバッシングに対しては、きちっと情報公開し国民の理解を得るような積極的な闘いが必要である。政府・与党のバッシングは、放置しておけば労働組合の抑圧につながるものであり、連合はこれを官民合わせた闘いとして進めていきたい」と、公務員バッシングに対して連合全体で取り組んでいく決意を表明した。
 基調提起では山本事務局長が、これまでの取り組みの経過を報告し、本日の局長レベル交渉で22日の誠意ある回答に結びつけていきたい、と春闘山場の取り組み方針を提起した。
 構成組織決意表明には自治労・笠見副委員長、日教組・吉原副委員長、国公総連・今村中央執行委員、国税労組・重本書記次長が登壇し、それぞれ最後まで闘う決意を述べた。
 集会を終えた参加者は、霞ヶ関一周デモ行進と人事院交渉支援行動に出発。デモ終了後は日比谷大音楽堂に再結集して、総括集会を行い、書記長クラスによる交渉の報告を受け、この日の行動を締めくくった。
 この日行われた総務省、人事院各局長交渉の経過は次のとおり。

<総務省人事・恩給局長との交渉経過>
 公務員連絡会書記長クラス交渉委員と総務省人事・恩給局戸谷局長との交渉は、15日午前11時から行われた。公務員連絡会側は、本日段階での総務省の見解を求め、局長は次の通り回答した。
(1) 給与改定に対する基本姿勢について
 国家公務員の給与水準については、従来から人事院勧告制度尊重の基本姿勢の下、適切な水準の確保に努めてきた。総務省としては、今後とも人事院勧告制度尊重の基本姿勢の下で、適切な給与水準となるよう努力してまいりたい。
(2) 退職手当制度の見直しについて
 退職手当制度については、公務員制度改革の一環として、また、人事院における「給与構造の基本的見直し」の検討状況等を注視しつつ、制度面の見直しについて検討する必要があると考えている。退職手当は職員の重要な関心事項であり、検討に際しては職員団体の皆様からの御意見は十分承ってまいりたい。
(3) 国際労働基準・労働基本権等の確立について
 5月にはILO結社の自由委員会、6月には総会が開催されるが、これらについては、これまでと同様、政府として誠実に対応してまいりたい。
(4) ワークシェアリングの実現、労働時間並びに休暇、休業等について
 公務と育児・介護など家庭生活の両立を支援するという観点は重要と認識している。これまでも育児休業をはじめとする諸制度の整備・拡充を進めてきたが、現行制度の周知・徹底等、その活用促進を図るなど、今後とも、両立支援に資する取り組みに努めてまいりたい。
 なお、公務と育児・介護など家庭生活の両立を支援する方策としての短時間勤務制度の検討については、平成16年度の人事院報告にも触れられているところであり、総務省としては、人事院において今後検討が進められ、具体的な措置に関する意見の申出があれば、適切に対処してまいりたい。
(5) 在職期間の長期化、公務の高齢対策の推進について
 総務省としては、「国家公務員高齢者雇用推進に関する方針」に沿って、再任用制度を高齢国家公務員雇用の基本的方策と位置づけており、関係機関と緊密な連携を取りつつ、各行政機関が行う高齢国家公務員の雇用に関する事務について必要な総合調整や、再任用の実態を把握するために、実際に再任用された方を対象としたアンケート調査を行うなど、政府全体として、高齢国家公務員の雇用を推進してまいりたい。
(6) 男女共同参画社会の実現について
 来年度以降、各府省においては、特定事業主行動計画に基づき、職員の仕事と家庭の両立に関する取り組みが推進されるものと承知しているが、総務省としても、厚生労働省等の関係府省と緊密に連携を取り、制度官庁として各府省に共通する課題や制度的な課題については、適切に対応してまいりたい。
(7)「評価の試行」について
 「評価の試行」については、労使で十分な意思疎通を図り、相互信頼関係を維持しながら検討を進めることが重要であると認識している。具体的な進め方については今後相談させていただくが、誠意を持って対応してまいりたい。

 以上の回答に対し、公務員連絡会側は以下の通り見解を質した。
(1) 公務員給与について「公務員給与水準は適切に確保されている」との現状認識を表明されたものと受け止めるが、そのような認識に間違いはないか改めて確認したい。また、賃金・労働条件決定の原則を外れて公務員給与を「政治の道具」として取り扱う動向に対しては、公務員の使用者たる総務省が毅然と対応するよう強く要請する。
(2) われわれは人事院の地域給与見直しについては反対しており、俸給表を引き下げることを前提とした退職手当見直し作業については現段階で認めるわけにはいかない。退職手当制度の見直しについては、あくまで公務員制度改革の一環としての位置づけであるということを確認してもらいたい。
(3) 短時間勤務制度については、現在の頭数での定員管理から、勤務時間による定員管理に改めるべきであり、人事院の検討を待つだけではなく、総務省としても積極的に検討するとの姿勢を明確にしてほしい。
(4) 公務の高齢対策については、人員に余裕がある部署では高齢者再任用が実施され、余裕のない部署では実施されないという実態がある。一方で、国家公務員の定員については、経済財政諮問会議の民間議員が純減目標を掲げるべきと提起するなど厳しい状況があるが、高齢者再任用制度については雇用と年金の接続という制度の本来の趣旨に合致するよう、これまでより一歩踏み込んだ施策を検討すべきである。
(5) 引き続き政府として男女平等を促進する施策について積極的に取り組み、各府省、地方自治体の「行動計画」の実施について実効があがるよう、必要な情報収集、点検・指導等に取り組むよう要請する。
(6) 「評価の試行」については、3月7日の局長交渉で@新たな評価システムの追究であることA納得性を高めるための仕組みの中には労使関係システムも課題となることB枠組み、内容、スケジュールについて誠実に協議し、納得を得るよう努力する、との見解が表明されたことを踏まえ、今後の協議には応ずることとする。節々で書記長クラス交渉委員と局長の協議テーブルを設け、その下に実務的協議の場を設けることを申し入れる。
 これに対し局長は次の考え方を示した。
(1) 公務員の給与水準については、人事院勧告制度尊重の基本姿勢の下、適切な水準の確保に努めてきたところである。厳しい財政事情や各般の構造改革を背景に国民の関心も高まり、様々な議論がなされることがあるが、いずれにしても、総務省としては、来年度の給与改定に当たっても、従来同様、労働基本権制約の代償措置の根幹をなす人事院勧告制度尊重の基本姿勢の下で適切に対処していく考え方に変わりはない。
(2) 退職手当制度についての組合の心配は理解している。われわれとしては、俸給構造の制度的な見直しも注視しなければならないが、まずは公務員制度改革の一環として制度面の見直しについて検討する必要があると考えているということである。
(3) 短時間勤務制度については、人事院から具体的な措置に関する意見の申出があれば、総務省として適切に対処してまいりたい。
(4) 雇用と年金の接続が重要な課題であることは認識しており、再任用の実態把握のためアンケート調査などに取り組んでいる。その他の具体的な施策は今のところ持っていないが、高齢国家公務員の雇用の推進に向け、総務省としても幅広い観点から検討していきたい。
(5) 「行動計画」については、総務省としても、適切に対応してまいりたい。
(6) 「評価の試行」についての協議の要求は承った。今後検討したい。

 これらの回答を踏まえ公務員連絡会側は「人勧制度尊重や本年の給与改定に対する基本姿勢については確認できたが、それ以外については満足できるものではない。さらに検討を重ね、22日の総務大臣の最終回答では、明確な回答を示してもらいたい」と要請し、交渉を終えた。

<人事院給与局長との交渉経過>
 人事院の山野給与局長との交渉は、同日14時15分から行われた。
 冒頭、公務員連絡会山本事務局長が「2月14日の要求提出以来、交渉を積み重ねてきた。22日には総裁から回答をいただくことになっており、今日が実務レベルの最終交渉になる」として、現段階の考え方を示すよう求めた。
 これに対し山野給与局長は、「要求書をいただいてから今まで話しあってきたので現段階の考え方をお示ししたい」として、次のとおり考え方を示した。

(1)地域給与・給与制度見直しについて
 昨年11月2日に素案を提示し、11日には連絡会からの申し入れをいただき、その後、地方からの代表者の話を聞く機会を含め、いろいろな形で議論してきた。また、先般は、11月の素案を補足する説明をさせていただいた。今年の夏の勧告に向けて、引き続き精力的に話し合いを進めていきたいと考えている。
(2)給与改定について
@ 民間準拠の基本原則にのっとり、公務員給与の適正な水準を確保していく基本姿勢は変わらない。経済財政諮問会議や自民党などでいいろいろな意見が出ていることは承知しており、政府内で一定の独立性が与えられている人事院の立場等については十分ご理解をいただいているものと思っている。説明を求められることがあれば、人事院としての考え方をきちんと説明することは当然のことである。
A 民調でのスタッフ職や非正規職員(パート、派遣労働者など)の実態把握については、人事院としても実施することを対外的に申し上げてきたところである。民間でそうした労働者が3割を占めており勧告に反映すべきではないかとの議論もあるが、民間の正規労働者と非正規労働者の給与を加重平均し、公務員給与の水準にすることについては、人事院がこれまでやってきたことと違う。雇用形態の多様化と給与水準の話は別の問題であることは、人事院として対外的にも主張しているところである。
B 比較企業規模について、昨年の勧告に向けて、春の段階で総裁から回答した経緯は承知している。今年の勧告に向けては、いろいろ条件があり現在検討中であるが、今年変更することはないのではないかと考えている。
C 景気は、言われているように、良いところと悪いところの格差が非常に大きいというのが実態と思っている。いずれにしても民間の給与の実態を正確に調査して対応したいと考えている。

 これらの見解に対し、連絡会側はさらに次のとおり、局長の考えを質した。
(1) 政府・与党、経済財政諮問会議でさまざまな議論が行われ、公務員給与が政治の道具にされようとしていることを危惧している。賃金・労働条件は本来労使交渉で決定する事項であるが、公務員は労働基本権を制約されていることから、代償機関である人事院が毅然として対応することを強く求める。現行の企業規模に基づくラスパイレス比較によって適正な公務員給与水準が確保されているという認識については、昨年の総裁回答と変わりないことを確認したい。
(2) 民間の非正規従業員を調査するに当たっては、公務員連絡会と十分に話し合って、慎重に進めていただきたい。
(3) 地域給与・給与構造見直しについて、@基本賃金水準を最も低い北海道・東北に合わせる根拠A俸給表の「5%引下げ」により、誰の給与が減り、誰の給与が増えるのか明確にされたい。本府省の問題については、超過勤務の実態をしっかり調査して超勤手当をきちんと支払うことが優先事項であり、本府省手当の新設は到底認められないB新たな評価制度を確立せずに、査定昇給制度を導入することは認められない。新たな評価システムが必要だと主張してきたのは人事院であり、きちっと対応していただきたいC地方公務員への影響について人事院はどう考えているのか、明らかにしてもらいたい。

 公務員連絡会側の追及に対し、山野局長は以下の考えを示した。
(1) いろいろな意見は十分お伺いし議論もするが、そのこととそれに従うことは別問題である。最終的には内閣と国会に勧告することになるが、勧告に向けた過程においては人事院が責任を持って判断することになる。対外的にきちんと対応する。
 公務員の給与水準や給与構造については、公務の特殊性を踏まえつつ、民間準拠の原則に基づき勧告している。情勢の変化に合わせていくことも必要であり、これまでも適正に勧告が行われてきたと思っている。今年の勧告に向けて、企業規模を含めて検討中であり確定したものではないが、今年具体的にどうするということを考えているわけではないので今年はそれでやることになるし、昨年の総裁回答の方向になるのではないか。
(2) いろんな職種を一緒にするのではなく、似たもの同士を比較するのがラスパイレス比較の基本的考え方であり、正規と非正規を一緒にすることはしない。多様な雇用形態の職員を公務に導入することを議論する余地はあるが、一緒にして水準を決めるということはかなり乱暴な考え方である。非正規従業員の調査については、皆さんと意見交換をしていきたい。
(3) 今回の給与制度見直しの大前提として、公務員給与に対する大きな批判がある。見当違いのものもあるが妥当なものもあり、地場賃金にもう少し合わせるべきとの意見や民間はリストラがあったり給与が下がったりしているのに公務員はみんなが同じように毎年昇給しているのはどうかという疑問が出されている。これらには対処する必要があるというのが人事院の基本姿勢である。
@今までは全国ベースで俸給を決めており全国ベースで均衡しているが、地域では均衡していないところがある。人事院としてはブロック別に官民比較を行い、民間賃金が最も低いところが△5%程度(△4.77%)なのでそこに合わせることとし、全体水準を5%下げることにしてはどうかという素案を示した。また、いろいろ調べてみた結果として20%程度の上下格差が適当ではないかとの判断に基づき、俸給表を5%下げるという観点もある。
A地方の民間給与が低いといっても現実的に低いのは中高年であり、初任給レベルでの地域格差は大きくない。地域に勤務する40代、50代の格差が大きいのでその部分を下げることとなる。霞ヶ関以外の全部が下がるわけではない。増える部分として、転勤手当は県内だけしか展開していない企業と県外にも展開している企業の給与水準の差を踏まえたものであり、本府省手当は今現に付いている補佐以外にも拡大しようというものである。
B新規採用後の条件付任用期間や、特別昇給、勤勉手当は何らかの評価に基づいて行われているはずだ。現行制度でも普通昇給については「良好な勤務成績」であることが前提であり、この「良好な勤務成績」についての日常的な評価をより充実させ、それによって、一歩でも半歩でも前進させようということである。何か完成したシステムがないと出来ないということではなく、十分話し合いながら進めていきたい。
 なお、今、総務省が検討して試行を行おうとしている評価制度は、納得性のあるシステムを作ろうということであり、完成された査定昇給制度については、これを踏まえて、今後十分な議論をして参りたい。
C地方公務員の給与の問題はそれぞれの自治体が判断されるものと思うが、相談には十分応じていきたい。

 以上のように、山野局長は、給与改定に対する基本姿勢や今年の官民比較方法については現行の仕組みを変えない方向で検討しているとの見解を示したものの、地域給与・給与制度見直しについては、公務員連絡会の要求に沿った見解を示さなかった。このため、最後に山本事務局長は、「今日の回答では到底満足できない。われわれは、俸給表水準を引き下げる地域給与の引下げは反対であり、新評価制度なき査定昇給は認められない、との姿勢である。是非、これらの素案については撤回し、納得しうるものを再提案してもらいたい」とし、22日の総裁回答では要求を踏まえた明確な見解を示すよう強く要求し、給与局長交渉を終えた。

<人事院職員福祉局長との交渉経過>
 人事院の関戸職員福祉局長との交渉は、15時5分から行われた。
 冒頭、公務員連絡会山本事務局長が「要求提出後の議論を踏まえ、22日の総裁回答に向け、現段階での考え方を示していただきたい」と求めたのに対し、関戸局長は「公務員連絡会の皆さんからは『勤務形態の多様化に関する研究会』(以下、「研究会」という。)の場でご意見を聞かせていただいたし、今後とも皆さんの意見を聞きながら対応して参りたい」として、次の通り考え方を示した。

(1) 育児・介護職員の両立支援策については、昨年7月の研究会の中間とりまとめを受け、昨年末以来、できるものはできるだけ早く実施するという考えに基づいて実施してきた。残された課題についても同様の姿勢で検討していきたいと考えている。
(2) 残された課題である育児・介護を行う職員の短時間勤務制度の導入と部分休業の対象となる子の拡大等については、効果が重なる面もあり、その調整をどうするかも含め、現在検討しているる。大きな効果があると考えられる短時間勤務制度については、定員管理や共済制度への波及など難しい問題もあるが、ねばり強く関係府省とも協議し、できるだけ早期の実現に向けて努力していきたい。
(3) 両立支援策については、枠組みを作ればそれでいいというものではなく、それを活用してもらうために、2月18日に指針を示したし、さらに職員に周知するためにパンフレットを各府省に提供することにしているし、人事院のホームページでも掲載することにしている。特に男性職員の育児参加の休暇については、積極的な活用がされるように人事院として努力して参りたい。
(4) 常勤職員の短時間勤務制度については、育児・介護だけではなく他の事由の場合をどうするかも課題であり、研究会の検討状況を注視しているが7月には取りまとめていただきたいと思っており、その報告をを踏まえて人事院としての対応を検討したい。
(5) 超過勤務の縮減については、総労働時間を短縮する取り組みとして、平成11年に指針を出しており、また、研究会の中間取りまとめでも指摘されている。人事院も勧告で「『残業はコストである』という意識を徹底させ、業務の効率化を進める」ことなどを報告しており、一層超勤の縮減を図ることにしている。各府省の努力も引き続き促していきたい。
(6) 勤務時間管理の適正化については、研究会の議論を見守りながら人事院としても検討していきたいと思っているが、一義的には業務を管理している各府省が真剣に取り組むべきものと考えている。

 これに対し公務員連絡会は、次の通りさらに見解を質し、要望した。
(1) 公務を取り巻く厳しい状況の中で、両立支援に関わる課題について努力されたことを評価したい。今後とも同様の姿勢で残された課題の早期実現に努力してもらいたい。常勤職員の短時間勤務制度については、7月の研究会報告を踏まえてとのことであるが、今年勧告するという姿勢で施策の検討を進めてもらいたい。
(2) 勤務時間管理の問題については、勤務時間法制の問題をあわせて検討していただきたい。
(3) 確定申告の時期に昼休みの対応が求められ、勤務時間の割り振りにかかる訓令を改正し対応しているが、現場では混乱を生じている。そうしたことが起きないよう現場で柔軟に対応出来るようにしていただきたい。

 これらに対し関戸局長は次の通り答えた。
(1) 育児介護に関わる短時間勤務制度については努力するが、常勤職員の短時間勤務については現段階では要望として承っておく。
(2) 法制の話は要望としてしっかり受け止めるが、勤務時間管理ということだけで法制の検討を行うのは難しいと思っている。研究会で勤務時間の弾力化・多様化ということを検討してもらっているので、その中で今の法制でいいのかという議論があればそれも含めて検討するということになる。
(3) 職場レベルでの勤務時間の割り振りについては、職員と管理職がコミュニケーションを図って対応していただきたい。

 最後に公務員連絡会側は、「引き続き努力していただき、22日の総裁回答ではさらに明確な回答を示すよう強く求める」と締めくくり、職員福祉局長交渉を終えた。

以上