2005年度公務労協情報 26 2005年4月15日
公務公共サービス労働組合協議会
 公務員連絡会

2005自治体賃金闘争交流集会を開催−4/13

−民営化、給与、地方行財政など意見交換−

 公務労協・公務員連絡会は、13日、地公部会を主体に都内池之端文化センターに全国から200人が結集し、「2005自治体賃金闘争交流集会」を開いた。交流集会は、厳しい自治体財政や地方公務員を取り巻く環境の変化の中で賃金闘争の総括や進め方について交流するもので、今年は3回目の開催となる。
 交流集会は小林幹事(日高教書記長)の司会で進められた。
 主催者を代表して佐藤地公部会議長(全水道委員長)は「山積する諸課題に対応するため、交流集会を従来より1ヶ月前倒しで開催した。地方財政や地方公務員給与への攻撃に加え、自民党が政治活動を制限する動きを示すなど、状況はいっそう厳しさを増している。賃金闘争においては、民間の春闘結果は昇給カーブを維持しているが、今後の中小の取り組み結果がどうなるか。公務員の給与引上げに結びつく状況にはないのではないか。いよいよ地域給・給与制度見直しに具体的に取り組んでいかなければならない。年度末に地方行革指針が出され、また骨太方針2005が6月には決定されるが、人件費削減に踏み込むことも想定される。厳しい情勢であるからこそ、地公部会の体制を中央・地方で強めて諸課題にしっかり取り組んでいこう。本日の集会で十分交流し意思統一したい」と挨拶した。
 公務労協からは山本事務局長が挨拶、「政府・与党が増税路線に転換する中で、公務員給与削減がその地ならしとして位置づけられようとしている」とし、公務全体を取り巻く情勢について報告、公務労協の立場と「格差拡大と負担増の小泉構造改革にNO!」をスローガンとする「良い社会をつくる公共サービスキャンペーン」の取り組みへの結集を訴えた。
 続いて、直面している2つの重要課題について特別報告を受けた。まず3月末に出された「地方公務員の給与のあり方に関する研究会(塩野宏座長)」の中間整理について、研究会委員でもある植本自治労書記長から、議論の主な論点と今後の進め方について報告を受けた。次に、人事院が進めている「地域給与・給与制度見直しの課題」について、岩岬公務員連絡会副事務局長が報告、その内容と問題点を指摘し、また、5月中旬にも人事院から見直しの具体案が示される予定であることを明らかにし、取り組みを訴えた。
 岩本地公部会事務局長が交流集会の基調報告を行い、@地域給与・給与制度見直し、A地方公務員の給与のあり方、B給与カット・「給与適正化」、C公務員制度改革、D地方行財政改革、E政治活動規制強化、F公共サービスキャンペーン、の各課題と取り組みについて提起した。
 その後構成組織の代表より、特徴的な課題と取り組みについて報告を受けた。
 自治労の菅家労働局次長からは、2004確定と2005春季生活闘争での自治体交渉結果の特徴について報告され、その中で、不払い残業撲滅の取り組み、公契約条例制定の取り組みなどで前進があったことが報告された。
 日教組の藤川生活局次長からは、教職員賃金決定のあり方についての取り組みが報告され、各人事委員会や関係機関への働きかけにより、全国人事委員会連合会として各人事委員会が参考としうる教育職の「モデル給料表」を提示することになったことが明らかにされた。
 全水道久保田書記次長からは、企業手当を巡る交渉状況や、佐賀市における関係法律を無視した民営化の推進に反対する取り組みが報告された。
 また、都労連武藤書記長から2004確定における人事考課制度改善の取り組みにおいて、人事考課制度に係わる評定結果の本人開示、組合が関与する苦情処理システムの導入で前進があったことが報告された。
 そのほかにフロアーからも意見発表があり、都市交から、公営バスの廃止の動きや職員給与の大幅引下げを余儀なくされている実態が報告された。また自治労鳥取県本部から、智頭町で、議会が可決した20%給与カット条例を町長が再議に付してこれを否決し、最終的に15%カットとなったことなど、際限のない給与カットの深刻な事例が報告された。
 最後のまとめでは、中村地公部会企画調整委員代表(日教組書記長)が「厳しい情勢ではあるが、地公単産の団結を強めて取り組んでいこう」と呼びかけ、佐藤議長の音頭で団結がんばろうを三唱、この日の交流集会を締めくくった。

以上