公務員連絡会は、6月15日から16日にかけて2005人勧期第1次中央行動を実施した。この行動は、5月18日に提示された人事院の「措置案」に対する公務員連絡会の申入れ(6/3、情報No31参照)の実現を求め、全国を6つのブロックに分け、構成組織の地域代表が人事院と交渉を行ったもの。
15日には、北海道・東北、北陸・中部、関東ブロックの代表が、16日には関西、中国四国、九州ブロックの代表が、人事院職員団体審議官付森永参事官と交渉をもち、地域給与・給与制度見直しに対する職場と地域の声を直接訴えた。
交渉では、@政府の総人件費削減政策に対して労働基本権制約の代償機関としての人事院の基本姿勢の堅持を明確に態度表明することA地域給与・給与制度見直しに当たっては、十分交渉・協議し、合意すること、などの基本事項の確認を求めるとともに、各地域代表は「地方の仕事の質量はきつくなっているのに、なぜ俸給水準が下げられるのか、人事院は納得できる説明をすべきだ。職場の士気の低下が心配だ」「国の地域配分の見直しというが、地方自治体では単なる給与引下げとしかならない」「枠外の廃止は高齢者の生活設計に影響が大きすぎる」「評価制度の整備が行われないまま査定昇給などを実施することは職場の混乱を招く。現に地方で勤評制度の下で査定を実施しているところは混乱している」「地域給与見直しは中央・地方の格差をさらに拡大し、地域経済を疲弊させる」などと、人事院を追及した。
これに対して参事官は、@人事院としての基本姿勢については変わらないが、組合が求めていることについては上司にきちっと伝えるA十分話し合い、理解と納得を得られるよう努力するB全国的に同じ仕事をしているからといってまったく対価が同じということにはならない。地域の賃金相場は反映されるC人事院として地方自治体や人事委員会を指導する立場にはないが、要請があれば情報提供はしているD現状では評価制度の整備には時間がかかるので、現行制度の下でやれる範囲で一歩踏み出したいということだE地域経済への影響はないとはいえないが、それは一義的には経済政策の問題だ。地域給与見直しを行わないと住民や議会の理解を得られない現状がある、などと、これまでの人事院の見解を繰り返すに止まった。
公務員連絡会では、政府が総人件費削減の動きを強めている情勢を踏まえ、総務大臣交渉を実施して公務員給与に対する政府の基本姿勢の確認を求めるとともに、23日の人事院総裁への要求書提出に当たっても人事院としての基本姿勢の確認を求めることとしている。そのうえで、人勧期の諸行動や人事院との交渉・協議を一段と強めることとしている。
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