2006年度公務労協情報 48 2006年6月22日
公務公共サービス労働組合協議会

配置転換等全体計画の閣議決定巡り行革推進事務局と交渉−6/22
−「複数ポスト提示」「地方で話合しあえるよう努める」と回答−

 公務労協は、5月19日に行革推進事務局に対して、「総人件費改革の実施に伴う国家公務員の配置転換、採用抑制等の「全体計画」に関わる申入れ」(2006年度公務労協情報No.42参照)を行っていたが、閣議決定等が間近に迫っていることから、最終的な回答を求める交渉を実施した。交渉には、山本事務局長以下各構成組織書記長が参加し、行革推進事務局の上田公務員制度等改革推進室長、川淵参事官らが対応した。
 冒頭、山本事務局長が5月19日の申入れに対する回答を求めるとともに、@閣議決定に向けた作業状況を明らかにすることA配置転換に応じたもののミスマッチで辞めたということが生じないよう、本人の納得・合意を得るよう最大限努力することB中央における国家公務員雇用調整本部と公務労協、地方推進協議会と関係組合の地方組織等との交渉・協議関係を確立すること、などを強く要望した。
 これに対して上田室長は、全体計画の概要を説明しながら次の通り回答した。
(1) 今月末には定員純減計画と配置転換、採用抑制等に関する全体計画を閣議決定し、同日、第1回雇用調整本部を開き、19年度の実施計画や運用方針を決定したいと考えている。なお、行革推進法が施行されることに伴い、行革推進事務局は行革推進本部事務局に衣替えすることとなり、雇用調整本部は内閣のもとに行政改革推進本部と別組織として設置し、その事務は内閣官房行革推進室が担当することとなる。
(2) ミスマッチが生じないようにするため、受入れポストは職域・職種のなじみ具合や地域性に配慮し、受入れ者1人に対して複数のポストを提示するよう努力したい。自治体への移籍については、押しつけにならない範囲で工夫したい。予算措置をすることはもちろん、情報提供や事前の研修については力を入れることにしており、業務研修は全体計画の中に組み込んでいきたい。これらを通じて理解と納得を得るよう努力したい。
(3) 地域的なミスマッチがあった場合、その調整は地方ではできず中央で対応することになるので、中央の窓口での議論は引き続き行って参りたい。地方推進協議会と地方組織との話し合いは、何らかの形で承ることを考えていきたい。地方には全体の計画がわかる者を配置するし、コミュニケーションについては十分配慮していきたい。

 回答に対し公務労協側は、@国の行政機関以外の機関への受入れポストは同時に提示されるかA配転対象の職員は地方に生活基盤が築かれていること、女性や家族の関係で府県を超えて新たな職場に勤務することが極めて厳しい職員も少なくないので、ミスマッチとなり結果的に辞めざるを得なくならないよう十分に配慮していただきたい、と推進事務局の見解を質すとともに要望を行った。
 これに対し推進事務局側は、@国の行政機関以外については受入数としてはカウントしていないが、これまでの府省間配置転換の実績があることを踏まえ要請をしている。5%の削減がかかっていることもあり慎重に対応しているが、同時に提示していただけるようお願いしている。地方公務員、民間は要請しなければならないので時期的には少し遅れることもあるAミスマッチにしないためには選択肢を拡げることもあるが、職員の方の譲歩が必要な面もあると思う。いずれにしてもミスマッチとならないよう努力して参りたい。地域性の配慮も十分やっていくことにしており、受入れポストは地方に傾斜させるよう各府省には要請している、との考えを示した。
 最後に山本事務局長が、「これまでの配置転換の仕組みの構築は順調に進んできているが、問題は個々の人が実際にどうなるかということであり、結果に結びつくよう引き続きの努力する」ことを要請するとともに、月末に発足後直ちに雇用調整本部長との交渉・協議を行うよう申入れ、この日の交渉を終えた。

以上