給与構造見直しについては、基本方針を堅持して取り組みます。
自治体における給与構造の見直しについては、2006年4月見直しの義務づけに反対し、積極的な労使交渉・協議により、給与制度改革をはかります。
自主的な取り組みが原則であり、当面それが困難であって国の給与構造見直しの取り組みを参考とする場合においても、画一的に国に準拠するのではなく自治体の実情に即して、労使交渉・協議により進めます。
B 退職手当制度の見直しについて
今回の退職手当の見直しと条例改正の課題について、総務省交渉を行います。
(3) 交渉ゾーン
自治体における、集中交渉ゾーンを11月7日から18日に設定し、地公共闘を強化し交渉を進めます。地公部会として、情報の把握等連絡・調整に努めます。
2.地方公務員の給与の在り方見直しへの対応
(1) 総務省「地方公務員の給与のあり方に関する研究会」への対応
骨太方針2004を受けて、総務省公務員部は「地方公務員の給与のあり方に関する研究会」を設置し、@地方公共団体における給与決定の考え方、A人事委員会機能のあり方、B地域の民間給与の状況を的確に反映するための参考となる指標のあり方、C給与構造の見直しの方向性等をテーマに地方公務員給与のあり方について検討を行ってきています。
研究会は本年3月に論点整理を行い、まとめに向けた検討を行ってきましたが、国の給与構造見直しの具体化という状況を受けて、8月11日「地方公務員の給与構造の基本的見直しに関する基本的方向性について」を緊急にとりまとめ、公表しました。いま、最終報告(2006年3月予定)に向けた議論に入っています。各論点に対する地公部会の意見集約を行い、委員を通じて意見反映を行います。
また、ア)地方公務員の給与水準の根拠の在り方、イ)給与制度をどう構築するか、ウ)給与決定制度の改革、エ)全国的な賃金闘争の再構築、オ)地方財政と地方公務員給与、等の課題について、政策の確立をはかります。
(2) 全国的意思統一と賃金闘争の推進
当面の運動のポイントを、賃金引下げ反対に置いて取り組みます。
2006年3月には「研究会」の結論が出されることから、公務員連絡会と調整し、春闘期に討論集会の開催を検討します(4月予定)。
3.総人件費改革に対する取り組み
11月中には「総人件費改革の基本指針」が出される状況にあります。財務省の地方公務員給与引下げキャンペーンだけでなく、政治の側からも人件費削減攻撃がいっそう強まることが想定されるため、人件費削減に反対する公務労協・公務員連絡会全体の取り組みに結集します。
この場合地方公務員の人件費が焦点となることから、政府、国会議員、地方6団体、各自治体当局への対応を行います。
行政サービスのあり方や行政需要の検討を抜きにした定員削減の自己目的化や、政治的賃金引下げには断固反対するとともに、人件費削減を提起するに至った原因と責任を明らかにさせ、労使交渉による解決を求めます。
4.地方公務員制度改革の取り組み
(1) 公務員制度改革の取り組み
総人件費改革ともかかわって、公務員制度改革の議論が浮上することが考えられます。また、主体的に労働基本権確立の取り組みを強化することが求められます。連合・西尾研究会の報告を基本に制度改革を求め、連合・公務労協の取り組みに結集します。
(2) 能力・実績を重視する人事・給与等地方公務員制度改革の取り組み
総務省を中心に国家公務員における評価制度の試行が開始される状況にあります。
国が試行に入れば、自治体における評価制度構築の取り組みは新しい段階に入ることになります。評価制度の未試行の自治体においては、労使交渉・協議によって4原則2要件を満たした制度構築を図るとともに、評価制度の十分な試行期間を確保するよう求めます。すでに評価制度が試行又は部分的に導入されている自治体においても、同様に納得性・信頼性の高い評価制度の確立に向け、引き続き取り組みを強めます。
評価制度の信頼性が確立しない限り、給与には活用しないことを当局に求めます。
5.規制改革・アウトソーシングへの対応
(1) 行政サービスや公共サービスを巡る最大の課題は、規制改革・アウトソーシングへの対応です。
自治体においては、従来の事業の民間委託に加え、自治法改正による指定管理者制度の導入、地方独立行政法人法の制定が行われるなど、自治体業務のアウトソーシングの受け皿が準備されました。
また、政府は「市場化テスト法案(仮称)」を通常国会に提出する予定であり、自治体においても導入が強制される可能性があります。公正入札基準などを確立するとともにこれを対置し、法案阻止の取り組みを公務労協とともに進めます。
(2) こうした状況を踏まえ、行政サービスや公共サービスを確立する運動を展開します。
@ 公務労協が進める、「良い社会をつくる公共サービスキャンペーン」に結集して取り組みます。
A 構成組織が取り組んできた政策・提言活動をいっそう強化します。また、成果物については、組織内だけでなく広くアピールします。
B 個別自治体におけるアウトソーシングについては、自治体の住民に対する行政責任を果たす立場から業務の直接執行を求める取り組みを強めます。この場合、住民やNPOとの連携を重視して取り組みます。
6.地方財政の確立の取り組み
昨年11月26日の政府与党合意で、「地方団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税、地方税などの一般財源の総額を確保する」とされていますが、政府予算編成において、地方財政計画の圧縮や交付税が削減される危険性もあり、対策を強めます。
数字あわせの補助金廃止ではなく、真に地方分権と地方財政確立に資する地方税財源の確保等の制度改革を求めます。とくに財源保障が最大の課題となっており、地方交付税の総額が確保されるよう求めていきます。2006年度で三位一体改革の課題を終わらせるのではなく、引き続き分権・自治を支える地方税財政の確立に向けた取り組みを強めていく必要があります。
資料2.中央集会決議
集会決議
2005年自治体確定闘争は、本格的なたたかいの段階を迎えています。
本年の人事委員会の給与勧告は、国のマイナス較差を上回るマイナスの公民較差となっており、生活水準の確保にとって極めて厳しい状況にあります。公民較差が自治体間で拡大する傾向にあり、職務給の原則に基づく賃金水準の確保が大きな課題です。一方、都道府県人事委員会の多くが国の地域給与・給与制度見直しに追随する勧告を行いました。
また、今後の地方公務員の給与制度、水準にかかわる議論を行っている総務省「地方公務員の給与のあり方に関する研究会」は、来年3月に結論を出す予定になっています。
こうした情勢を踏まえ公務員連絡会地公部会は、国のマイナスを上回らない2005年賃金改定と地域給導入反対、十分な労使交渉・協議に基づく給与構造見直しを基本に、各級における地公共闘態勢を強化し、11月7日から18日を集中交渉ゾーンとする2005年確定闘争に全力をあげます。
マスコミなどによる公務員バッシングと賃金引下げキャンペーンが引き続き執拗に展開され、そのターゲットは地方公務員の賃金に当てられており、十分な警戒と対応が必要です。
政府は、「総人件費改革の指針」を11月中に策定、2006年度予算・地方財政計画から反映させるとし、自民党行革推進本部は国・自治体の定員を「10年間で20%純減」させる計画をまとめましたが、これらは定員・賃金の削減を自己目的化したものであり、認めることはできません。
また政府は、行政サービスを民間に開放するために、市場化テスト法案を通常国会に提案する予定ですが、公共サービスを企業利益追求の道具とすることは許されません。サービスの質と水準の確保の担保がなく、しかもサービスについての住民の関与が否定される上に、新たな雇用問題を招くものであり、自治体における市場化テスト導入に強く反対します。
国の歳出削減の中で、地方財政はいっそう厳しさを増しています。三位一体改革は、地方の自由度を高めるとともに行政サービスの水準を確保することが前提であり、また交付税制度は、財政調整機能とともに財源保障機能を堅持し交付税総額が確保される必要があります。関係諸団体などと連携した分権型社会にふさわしい税財政制度確立のための運動の強化をはかります。
わたしたちは本日の集会を契機に、地方確定推進・地方税財政確立に向けた今秋季年末のたたかいにさらに総力をあげて取り組みます。
以上決議します。
2005年11月9日
2005年地方確定推進・地方財政確立を求める中央集会
資料3.政党への申入書
2005年11月9日
様
公務労協公務員連絡会地方公務員部会
全日本自治団体労働組合
中央執行委員長 岡部謙治
日本教職員組合
中央執行委員長 森越康雄
日本都市交通労働組合
中央執行委員長 山岸 晧
全日本水道労働組合
中央執行委員長 佐藤幸雄
全国自治団体労働組合連合
中央執行委員長 玉野一彦
日本高等学校教職員組合
中央執行委員長 早川良夫
地方公務員の賃金と地方財政確立等に関する申入れ
貴職の地方自治確立、地方公務員の賃金・労働条件の改善に向けたご努力に敬意を表します。
2005年の人事委員会勧告が出され、自治体の賃金確定は山場を迎えていますが、行政サービスに従事する地方公務員の賃金水準の確保と、労使自治を尊重した賃金確定が求められています。
また、政府の骨太方針2005では、国・地方の総人件費の削減を図るとしており、公共サービスのあり方についての議論を抜きにした定員・賃金の引下げが懸念されます。また、国の歳出削減策は地方財政計画の圧縮、交付税の大幅削減により、自治体サービスの縮小や質の低下を招くおそれがあります。
いま、雇用、所得、生活の地域間格差が拡大し、地域の二極分化を招いています。こうした中にあって、少子高齢社会における社会保障の水準確保や教育、環境、防災など地域における住民ニーズに適切に対応する自治体の役割強化が求められています。
貴職におかれましては、下記事項の実現に向けてご尽力頂きますようお願いします。
記
1.自治体賃金の確定に当たっては、労使の交渉を尊重すること。
2.公共サービスのあり方や給与決定方式の検討を抜きに定員・給与削減を自己目的化する「総人件費改革」の策定を行わないこと。
3.公共サービス分野の規制改革については、公共サービスを企業利益追求の手段とすることなく、公共サービスの質と水準の維持・向上を基本とすること。地域における公正で安定的・継続的サービスを提供する自治体の責任と役割を踏まえ、公共サービスの利用者である市民の関与と統制が効かない市場化テストの導入や法制化を行わないこと。
4.国庫補助負担金制度の改革、税源移譲など安定した地方税財源を確保するための制度改革を急ぎ、地方分権の推進、地方自治の確立を図ること。国庫補助負担金制度については、国としての最低保障のあり方や国と地方の役割分担を踏まえ、個々の事業を精査し必要な改革を進めること。また、交付税制度を堅持し、交付税総額の安定的確保をはかること。
5.住民自治の観点から、強制による市町村合併は行わないこと。
6.地方公務員制度の改革にあたっては、労働基本権を確立し、地方自治の本旨を踏まえ分権型で開かれた民主的な公務員制度とすること。
資料4.首長3団体への要請事項
1.自治体サービスの確保・向上のため、地方公務員の賃金水準が確保されるよう取り組むこと。
2.自治体における給与構造見直しに当たっては、国の地域給は導入せず、十分な労使交渉・協議に基づいて進めること。
3.公共サービスのあり方や給与決定方式の検討を抜きに定員・給与削減を自己目的化する「総人件費改革」の策定を行わないこと。
4.公共サービス分野の規制改革については、公共サービスを企業利益追求の手段とすることなく、公共サービスの質と水準の維持・向上を基本とすること。地域における公正で安定的・継続的サービスを提供する自治体の責任と役割を踏まえ、公共サービスの利用者である市民の関与と統制が効かない市場化テストの導入や法制化を行わないこと。
5.国庫補助負担金制度の改革、税源移譲など安定した地方税財源を確保するための制度改革を急ぎ、地方分権の推進、地方自治の確立を図ること。国庫補助負担金制度については、国としての最低保障のあり方や国と地方の役割分担を踏まえ、個々の事業を精査し必要な改革を進めること。また、交付税制度を堅持し、交付税総額の安定的確保をはかること。
6.住民自治の観点から、住民の意向を無視した強制による市町村合併は行わないこと。
7.地方公務員制度の改革にあたっては、労働基本権を確立し、地方自治の本旨を踏まえ分権型で開かれた民主的な公務員制度とすること。
8.地方財政を確立し地方分権を推進するために、共同した取り組みをめざし意見交換・協議を進めること。
資料5.議長3団体への要請事項
1.自治体サービスの確保・向上のため、地方公務員の賃金水準が確保されるよう取り組むこと。また、自治体賃金の確定に当たっては、労使の交渉を尊重すること。
2.公共サービスのあり方や給与決定方式の検討を抜きに定員・給与削減を自己目的化する「総人件費改革」の策定を行わないこと。
3.公共サービス分野の規制改革については、公共サービスを企業利益追求の手段とすることなく、公共サービスの質と水準の維持・向上を基本とすること。地域における公正で安定的・継続的サービスを提供する自治体の責任と役割を踏まえ、公共サービスの利用者である市民の関与と統制が効かない市場化テストの導入や法制化を行わないこと。
4.国庫補助負担金制度の改革、税源移譲など安定した地方税財源を確保するための制度改革を急ぎ、地方分権の推進、地方自治の確立を図ること。国庫補助負担金制度については、国としての最低保障のあり方や国と地方の役割分担を踏まえ、個々の事業を精査し必要な改革を進めること。また、交付税制度を堅持し、交付税総額の安定的確保をはかること。
5.住民自治の観点から、住民の意向を無視した強制による市町村合併は行わないこと。
6.地方公務員制度の改革にあたっては、労働基本権を確立し、地方自治の本旨を踏まえ分権型で開かれた民主的な公務員制度とすること。
7.地方財政を確立し地方分権を推進するために、共同した取り組みをめざし意見交換・協議を進めること。
以上