2007年度公務労協情報 12 2006年12月12日
公務公共サービス労働組合協議会

2008年度配置転換で雇用調整本部に要請-12/12
−雇用確保と配転後の処遇維持に最大限の努力求める−

 公務労協は、12日11時から、国家公務員雇用調整本部交渉を実施し、「2008年度配置転換に関する要請」(別紙参照)を申し入れた。この交渉は、2007年度の配置転換について10月末に配置転換者が内定し、初年度計画がほぼ達成されることになり、明年早々には2008年度の実施計画が策定されることになっていることから行ったもので、公務労協側は山本事務局長ほか関係組合代表と構成組織書記長が参加し、本部側は公務員制度改革等担当の株丹内閣官房審議官、川淵参事官らが対応した。
 冒頭、山本事務局長が要請書を手交し、「要請事項の実現について最大限の努力を行うこと」を要請するとともに、今回の配転対象組合の花村全農林書記長及び高倉全開発書記長が初年度の実施状況を踏まえた具体的な改善要望を行ったのに対し、雇用調整本部側は次の通り見解を述べた。

(1) 「要請」は確かに頂戴した。6月に国家公務員雇用調整本部が発足し、皆さんとはいろいろな場面でお話してきたところであり、これからも十分な意思疎通を図って参りたい。
 この配置転換は、総人件費改革の一環として政府全体の方針として決めたものであり、雇用確保を最大の目標として進めてきたが、初年度の計画としてはある程度のところまで来たと思っている。国の機関だけで700名を超える内定となり、国以外の機関を含めれば目標を超えることができた。数も大事であるが、新しい勤務先でうまくやっていけるかが大変重要であると思っている。本日いただいた要請や今年の作業実態を踏まえて、来年はどこをどうしていくのか、よく考えて計画を立てていかなければならないと思っている。
(2) 要請の「一」については、まずは雇用の確保であるが、処遇の維持が次の計画につなげていくためには重要と認識している。閣議決定でも「職員の処遇が確保されるよう努めるものとする」と書かれており、重視して参りたい。
(3) 「二」については、各地方協議会へ出張し、今回の取り組みの課題、要望について幅広い聞き取りを行い、来年度の取り組みを検討する上で活かしていきたいと考えている。今回明らかになった課題・問題点について、今後、皆さんと話し合いながら活用していくこととしたい。
(4) 「三」については、職員団体の理解と協力が必要であり、十分な意見交換と意思疎通をしておきたいし、地方でも当該の組合と意思疎通を図っていきたい。
(5) 「四」の個別の課題については、今年は3ヶ月間という短い期間での対応であったことによるやむを得ない面もあったとしても、申し訳ない部分があったと思う。内定された職員に対しては、重い決断をされたことに敬意を表したい。
@ 来年以降はスタートが今年より早くなるのでスケジュール的には多少の余裕が出てくると思う。作業の各段階において、希望する職員の皆さんが十分検討する時間が確保できるよう進めて参りたい。
A 受入れ可能職については、受入れ側には送り出し側の母集団の職員構成を説明し、それに応じた受入れを要請してきたが、引き続き努力したい。
B 地域の問題については、すべて対応できるということにはならないが、できるだけ努力したい。
C 説明会については、受入れ側及び職員側に制約がある中で可能な限り職員の理解を深められるよう、例えば参加できなかった場合でも資料は提供できるよう、いろいろ工夫して参りたい。
D 職場訪問については、第一の希望先として行って欲しいと思う。受入れ側から手応えがなかったという声も聞いた。アンケート方式を採ったが、個人情報については十分配慮している。
E 面談については、一部で不適切なことがあったことは承知している。来年度に向けて、そういうことがないように対処していきたい。
F 提出書類は最小限のものと考えている。面談票については、そこが第1志望であるという形にしてあるので、職員もそのように対応していただきたい。
G 配置転換者のフォローアップも一生懸命やっていきたい。異動後の状況も聞きたいし、受け入れる方も温かく迎えるよう要望しており、受け入れ機関に対する研修も、今、進めているところである。
(6) 今後とも、全体を通していろんな意見を伺って参りたい。お互いに知恵を出し合って、円滑に、また、職員の皆さんに納得して異動していただけるよう、進めて参りたい。

 見解に対し、公務労協側が@政府の計画として進めている話なので、受入れ側にもその旨を十分に説明し、異動者が希望を持って働けるようにしていただきたいA今後も引き続き話し合いながら進めていただきたい。また、来年度のスケジュールはどうか、と要望し、質したところ、本部側は@受入れ側も政府全体の計画として受け止めて対応してもらっているし、職員もよく決断してくれたと思うので、大事にサポートしていきたいA次年度のスケジュールは第4四半期に決めることになっているが、19年度の採用実績、20年度の採用計画、今年度の配置転換実績を踏まえて議論していくことになる。年末年始から事務的な作業を始め、然るべき時期に皆さんにご説明したい」との考えを示した。
 最後に公務労協から、引き続き話し合いながら進めていくことを要望し、申入れを終えた。

2006年12月12日


国家公務員雇用調整本部
 本部長 塩 崎 恭 久 様


公務公共サービス労働組合協議会
議 長 岡 部 謙 治



2008年度配置転換に関する要請


 貴職におかれましては、配置転換の円滑な実施にむけて、ご尽力をいただいていることに敬意を表します。
 さて、2007年度の配置転換は10月末に配置転換者が内定するとともに、初年度計画がほぼ達成され、また、明年早々に2008年度の実施計画が策定されると聞き及んでいるところです。
 配置転換を求められた府省の各職場では、この間の作業過程において、様々な課題が発生しており、次年度にむけた改善が必要です。
 このため、下記事項を申し入れますので、その実現にむけて最大限努力されるよう要請します。



一、配置転換が政府全体の取組であることを踏まえ、組合員の雇用を確保するとともに、配置転換者の処遇を維持すること。

二、初年度の配置転換の取組について検証を行い、その結果を公務労協に提示すること。
 また、検証により明らかとなった課題・問題点について、改善に向け最大限努力すること。

三、次年度の配置転換の取組については、公務労協と十分交渉・協議を行うとともに、地方推進協議会と当該労働組合の協議を行うこと。

四、次年度の配置転換に当たっては、本人の同意に向け最大限努力することとし、次の事項を実現すること。
1.2008年度の配置転換に関するスケジュールについて
説明会から内定確定までのスケジュールについて、組合員が十分に検討できる期間を確保するとともに、具体的なスケジュールを早期に提示すること。

2.受入可能職調について
(1) 送り出し府省の職員の地域性、年齢構成、職務内容等を考慮し、組合員が選択可能な受入可能職を確保すること。
(2) 受入可能職調については、可能な限り勤務地、勤務場所を明確にすること。
(3) ミスマッチの防止に向け、受入可能職の地域間調整を行うこと。

3.説明会について
(1) 配置転換先の選択に資するよう、多くの受入府省から説明者を派遣するとともに受入府省の業務内容、人事、処遇など十分な説明を行うこと。
 また、説明会場ごとに説明内容の格差が生じないようにすること。
(2) 質問事項の事前把握を行うなど、説明会がより充実した内容となるよう工夫すること。

4.職場訪問研修について
(1) 可能な限り多くの受入府省で実施されるようにすること。
(2) アンケートについては、目的を明確にするとともに個人情報に配慮した内容とすること。

5.受入府省の面談について
(1) 政府全体の配置転換であることに基づき、面談時における受入府省の不適切な対応の是正と統一的な対応が行われるよう、受入府省を指導すること。
(2) 面談者の提出書類については、目的を明確にするとともに必要最小限の内容 にすること。

6.配置転換者に対するフォローアップについて
 配置転換者に対する相談窓口の設置、アンケート調査の実施など配置転換後のフォローアップを行うこと。

以上