公務労協は、年明けから「良質な公共サービスキャンペーン」を展開しており、4月下旬以降、テレビ、ラジオ、新聞広告などを集中的に実施し、「『ともに生きる社会のための公共サービス憲章』の制定を求める請願署名運動」に取組んでいる。署名運動は3〜4月は組織内を中心に実施し、5月からは広く国民・市民に訴えていく取組みを進めている。こうした取組みに弾みを付けるため、本日は、国会内で民主党・社民党国会議員の参加を得て「院内決起集会」を開催し、第1次集約分122万筆の署名を提出するとともに、新宿駅頭で古賀連合事務局長、渡部民主党最高顧問、福島社民党党首らによる街頭宣伝行動を実施した。また、東京連合は、この取組みに合わせて浜松町、上野、池袋、府中、立川の都内各駅頭で、チラシやティッシュを配りながら良質な公共サービスの確立を訴えた。
<国会内決起集会・署名提出行動>
15日12時から参議院議員会館会議室で行われた署名提出のための集会には、公務労協構成組織代表ほか、民主党から川端達夫副代表ほか衆参の議員が、社民党から重野安正国対委員長ほかが激励に駆けつけた。
冒頭、岡部謙治公務労協議長は「公共サービス憲章制定請願署名は、社会の危機に対し公共サービスの意義と不可欠性を訴え、持続可能な社会を追求する運動だ。公務労協は3月から署名運動を進めてきたが、本日第1次分を提出する。今後とも500万筆達成に向け全力で取り組んでいこう」と、主催者を代表して挨拶。民主党川端副代表は「政府・自民党は公務員問題をクローズアップし、参議院選挙の焦点にしようとしている。そうした中で、公共サービス改革を進め、国民の皆さんに公共サービスの重要性を理解してもらうことが大事だ。われわれも連携をとって運動を進めていきたい」と、また社民党重野国対委員長は「平等と共生の社会作りについては、皆さんと認識を共有できる。そのために、良質な公共サービスの実現に向け全力を挙げていきたい」と、公共サービス憲章の実現に向け取り組んでいくとの決意を述べた。
このあと、岡部議長が、民主党、社民党の代表に署名を提出し、「公共サービス憲章」制定に尽力するよう要請した。
集会参加者は、この後、各構成組織ごとに民主党・社民党議員の議員会館事務所を訪れ、122万筆の請願署名を提出した。
<新宿駅頭街頭宣伝行動>
公務労協の提唱で行われた「"STOP! THE 格差社会" 良質な公共サービスを確立しよう!」と題する街頭演説会・請願署名宣伝行動が、15日18時から、都内のJR新宿駅東口広場で実施された。行き交う市民に向かって連合事務局長や政党の代表らが演説し、参加者がチラシとポケットティッシュを配りながら、良質な公共サービスの確立と請願署名への協力を呼びかけた。
この行動には、公務労協の組合員300人に加えて連合東京から200人が参加し、街頭演説は山本幸司公務労協事務局長の司会で進行した。
まず、連合の古賀伸明事務局長は「小泉、安倍両政権の市場経済万能、自己責任、財政再建至上主義が格差の大きな社会を作り、それがどんどん進んでいる。連合はこの格差社会を是正するため、"STOP THE 格差社会"キャンペーンを展開してきた。政府は私たちが生活するための公共サービスを破壊しようとしている。危機にある公共サービスを守るため私たちは公共サービス憲章の制定をめざしている。活力のある日本にするため、ニーズにあった、平等な公共サービスを誰もが受けられる社会にしていくためにがんばる」と連合としての決意を述べ、協力を呼びかけた。
続いて良質な公共サービス確立キャンペーンをともに進める立場で、民主党、社民党の代表が順にあいさつした。渡部恒三民主党最高顧問は「きょうは間違った政治を直してまじめに働く人たちが豊かな暮らしができるよう、仲間の皆さんががんばっている。いまの日本では、強い者がどんどん強くなり、弱い者がどんどん弱くなる。それは政治が悪いからだ。政治は本来国民の生活を守るためにあるのであり、もう、小泉君や安倍君に任せてはおけない。いよいよ参議院選挙があり、民主党を中心とする野党が多数を占めれば政治は変わる。皆さんが誇りを持って働ける政治に変えよう。国民の豊かな生活を守るためがんばりましょう」と政治を変えることを訴えた。福島みずほ社民党党首は「フリーターが増える一方、正社員は長時間労働に苦しんでいる。皆さんがこき使われているのは皆さんが悪いからではなく政治が悪いからだ。私たちは働く人のために法律を変えるためにがんばりたい。一人ひとりの人生を応援する公共サービスを削ろうとする政治にはおかしいという声を上げよう。公共サービスをみんなのために大事にしよう」と公共サービスを守っていく決意を述べた。
また、連合東京の遠藤幸男会長は「きょうは、公務で仕事をしている人が中心になって、国民が生きていくため必要な公共サービスは何かをみんなで決めて、それを役所・役場、国・自治体がしっかりやっていくことを国全体で確認することを、チラシやティッシュを配りながら訴えている。憲法にある健康で文化的な生活を保障することは政府の責任だ。こういう仕事は公がやるということを定める公共サービス憲章を制定しよう」と請願署名運動への協力を呼びかけた。
最後に、岡部謙治公務労協議長が「本日、第1次分として122万筆の署名を国会に提出した。いま日本はどこかが狂い始めており、様々な格差が拡大し、個人の努力ではどうにもならないところに来ている。この不安社会から抜け出して、安心・安全の社会を取り戻さなければならない。格差を導く政策を変えないといけない。私たちは、誰もが就労し社会に参加できるよう、人々を支える公共サービスを確立するため、公共サービス憲章制定請願署名に取り組んでいる。皆さんのご協力をお願いします」と政策を変えさせる決意を表明し、署名への協力を訴えた。
締めくくりとして山本事務局長が「私たちは、これから全国の地域で請願署名運動を推進していく。一人ひとりの力は弱いが世の中を変える動きを作り出していこう」と呼びかけ、街頭演説行動を終えた。