公務労協・公務員連絡会は、22日午後、人事院交渉を実施し、別紙「研究会報告に基づく災害補償制度見直しに関わる申入れ」を行った。
この申入れは、5月25日に公表された「災害補償制度研究会報告」(内容は公務労協情報No31参照)に基づいて、今後、人事院が災害補償制度の見直し作業を行うことを踏まえて要求したもので、公務員連絡会側は岩岬副事務局長と賃金・労働条件専門委員会正副委員長が臨み、人事院側は井原職員団体審議官、松尾職員団体審議官付参事官、原田補償課補佐が対応した。
石原専門委員長が、申入れ内容を説明し「実現に向けて最大限努力するよう要請」したのに対し、井原審議官は「申入れ書は確かに受け取った。人事院としては、今後、研究会報告を踏まえて検討していくことにしており、その中で職員団体の意見を伺っていきたい」と公務員連絡会の意見を聞きながら検討していく考えを表明した。
その後、申入れ内容について質疑を行った上で、公務員連絡会から「今後は、人事院における検討作業の進展に応じて説明をしてもらって、意見反映をしていくので十分な交渉・協議をお願いする」と要請し、申入れ書の提出交渉を終えた。
(別紙)
2007年6月22日
人事院総裁
谷 公 士 殿
公務員労働組合連絡会
議 長 福 田 精 一
研究会報告に基づく災害補償制度見直しに関わる申入れ
常日頃から、公務員労働者の勤務条件改善に向けてご努力いただいていることに敬意を表します。
さて、貴院に設置されていた災害補償制度研究会は、去る5月25日、報告書を公表し、現行の国家公務員の災害補償制度の問題点を分析した上で、災害補償業務の実施の在り方と手続きについて見直すことを求めています。
災害補償制度は、業務に由来する災害について被災職員またはその遺族の援護を図る仕組みとして重要な勤務条件であり、これまでも基準の緩和や認定の迅速化、民間企業並みの給付水準の確保などを要望してきたところです。
貴職におかれましては、今後、研究会報告に沿って災害補償制度の検討・見直しを行うとのことであり、この機会に下記事項を申し入れますので、その実現に向けて最大限努力されるよう要請します。
記
1.災害補償制度の見直しについては、公務員連絡会と十分交渉・協議し、合意のもとに進めること。
2.研究会報告で見直しが求められている課題への対応を含めた災害補償制度の充実に向けて、速やかに検討作業を開始し、本年の人事院報告で抜本改善に向けた方針とスケジュールを明示すること。
また、可能なものについては直ちに実施することとし、法改正が必要なものについてはできるだけ早期に意見の申出を行うこと。
3.見直しに当たっては、以下の事項を実現または実施すること。
(1) 業務の迅速化を図るため、業務実施の在り方については、専門機関である人事院が責任を持つ仕組みに転換することとし、直ちに実施に移すこと。
(2) 請求主義への転換についても、速やかに検討を開始し、早期に実現できるよう努めること。
なお、業務実施の在り方の転換及び請求主義への転換に伴い、独立性のある新たな災害補償審査委員会を設け、職員団体代表(職員代表)を参加させること。
(3) 脳・心臓疾患、精神疾患等について職務との関係を幅広く認める等認定基準を緩和すること。
(4) 民間企業における法定外給付を含めた給付水準と均衡させることとし、ルール化を図ること。このため、民間企業における給付実態を精確に把握すること。