2007年度公務労協情報 34 2007年6月29日
公務公共サービス労働組合協議会
 公務員労働組合連絡会

"専門スタッフ職俸給表(仮称)の制度要綱(素案)"を人事院が提案−6/29

 人事院は、29日、公務員連絡会賃金・労働条件専門委員会に対し、別紙「専門スタッフ職俸給表(仮称)の制度要綱(素案)」を提案し、本年勧告できるよう検討していく考えを明らかにした。人事院側は松尾職員団体審議官付参事官が、公務員連絡会側は石原、松本の正・副委員長が対応した。
 提案に対し連絡会側は「今日は提案を受けたので持ち帰って検討することとするが、どのような趣旨・目的で俸給表を設けるのか明らかでないなど、多くの解明すべき問題がある。今後は、公務員連絡会と十分な交渉・協議を行い、合意に基づいて検討をしていただきたい」と要求し、交渉を終えた。
 別紙の提案では、専門スタッフ職俸給表について「複線型人事管理の導入に向けての環境整備」と位置づけているものの、具体的内容は行政職俸給表(一)本府省補佐級以上の3級構成で極めて限定的な範囲となり、公務員連絡会が要求している本格的な複線型人事制度にはほど遠い内容といわなければならない。このため、公務員連絡会としては、本年の人勧期交渉の中で問題点を明らかにしながら、複線型人事制度の一環としての仕組みとなるよう人事院を追及していくことにしている。


<別紙資料>

専門スタッフ職俸給表(仮称)の制度要綱(素案)



1 俸給表新設の趣旨
 行政の多様化、複雑・高度化に対応するため、高度の専門能力を持つスペシャリストがスタッフとして活躍できるようにするとともに、在職期間の長期化へ対応する観点から、複線型人事管理の導入に向けての環境整備を図る。

2 制度の具体的内容
(1) 俸給表
@ 俸給表の構成
 専門スタッフ職俸給表は、公務経験等で培った高度の専門的な知識又は経験を有する職員に適用する俸給表であることから、行政職(一)の本府省の課長補佐級以上に対応した3級構成とする。

A 各職務の級の水準
 専門スタッフ職俸給表の2級、3級の水準については、行政職(一)の対応級の水準を基本に、専門性が高いこと、時間的管理に馴染まないことを考慮した水準とする。
 1級の水準については、行政職(一)の対応級の水準を基本とした水準とする。

B 適用範囲
 専門スタッフ職俸給表は、特定の行政分野についての高度の専門的な知識又は経験を必要とする調査、研究、情報の分析等を行うことにより、政策の企画及び立案等の支援を行う業務に従事する職員で人事院規則で定めるものに適用する。

※ 国家的な行政課題に係る政策の企画立案等の支援を行う官職を対象

(2) 俸給決定の仕組み
@ 専門スタッフ職俸給表への異動時の俸給月額の決定
 専門スタッフ職俸給表への異動時の職務の級については、その者の占めることとなる官職の職務に応じて決定する。号俸については、対応表を設定する。
A 昇給
・ 2級、3級については、号俸を大括り化した上で、標準的な勤務成績の場合の昇給については厳しく設定し(3級は昇給なし)、顕著な実績を挙げた場合には大きく昇給させる。
・ 1級については、他の俸給表と同じ昇給制度(一般職層と同じ取扱い)とする。

B 昇格
 その担う職責が高まった場合には昇格させることができる。(号俸については、対応表を設定)

(3) 諸手当
@ 専門スタッフ職調整手当(仮称)
 専門スタッフ職俸給表3級職員のうち、極めて高度の専門的な知識経験、識見を有する者が、その者が有する極めて高度の専門的な知識経験、識見を活用して遂行することが必要とされる特に重要な業務で特に困難なものに従事する場合に支給する。(俸給月額の10%)

A 俸給の特別調整額
 専門スタッフ職俸給表適用職員については、俸給の特別調整額は適用しない。

B 超過勤務手当
 専門スタッフ職俸給表2級、3級職員については、超過勤務手当は支給しない。一方、1級職員については、超過勤務手当を支給する。

C 勤勉手当
 勤勉手当については、標準の成績区分の成績率を引き下げ、上位の成績区分の成績率を引き上げることにより、メリハリのついた仕組みとする。