2007年度公務労協情報 9 2006年11月16日
公務公共サービス労働組合協議会

人事院が退職給付調査結果と見解を提出-11/16

 人事院は、16日16時30分、4月に政府から要請されていた「諸外国の公務員年金並びに民間の企業年金及び退職金の実態調査の結果並びに新たな公務員制度としての仕組みについての基本的事項に係る本院の見解について」を塩崎官房長官に提出した(官房長官宛の総裁名の書簡)。そして、夕刻、その内容を公務員連絡会に説明した。
 その内容は、@年金(使用者拠出分)、退職一時金を合わせた退職給付総額での官民比較で民間2980万円、公務2960万円で民間が公務を20万円、0.68%上回ったものの官民がほぼ均衡していること、A国家公務員の退職給付に係る見解として、仮に現行の職域年金が廃止されれば官が民を下回る較差が生じ、その場合は「官民均衡の観点からは、民間との較差を埋める措置が必要」「公的年金とは切り離された、公務の人事管理上の必要性を踏まえた新たな年金の仕組みを設けることが適当」との意見を表明している。
 退職給付の官民比較をめぐっては、人事院はこれまでの交渉で「極めて厳しい情勢にある」としてきたが、こうした結果となったことについて、”回収率が61.8%を確保する中で、民間実態の精緻な調査が実施できた”としている。
 このような官民較差となったことは、公務労協が、4月の年金制度の一元化にかかる閣議決定以降、要請署名運動に取り組み、@退職手当水準の維持A公務員制度に相応しい3階部分年金の確保などを要求し、10月25日には「退職給付削減反対!公務労協10・25中央集会」を開くなど、終始、人事院に対して公正、客観的で正確な調査と比較を求め、取組みを強化してきた結果である。
 調査結果と見解を受けた政府では、今後、所管の総務省と財務省において、退職手当の水準設定及び公務員制度としての3階部分の新たな年金制度を検討していくことになることから、公務労協では調査結果を踏まえ、労働条件専門委員会、社会保障専門委員会それぞれが総務省、財務省に申入れを行い、退職手当水準の維持、公務員制度に相応しい3階部分年金制度の設計を求めていくことにしている。
 しかし、依然として公務をめぐる情勢は厳しく、政府・与党の対応には予断を許さないものがあり、粘り強い取組みを進めていくことが求められている。

 人事院の書簡関係資料

以上