2008年度公務労協情報 16 2007年12月21日
公務公共サービス労働組合協議会

渡辺行革担当大臣に独法見直し内容を質す−12/21
−公務労協は「遺憾の意」表明し、「雇用確保」を改めて要請−

 公務労協は、21日11時10分から金融庁内の大臣室で、渡辺喜美行政改革担当大臣交渉を実施した。この交渉は、24日に政府が独立行政法人の整理合理計画を閣議決定する動きにあることから、その内容を質すために行ったもので、公務労協側は河田(林野労組委員長)副議長のほか、井津井国税労組委員長、豊島政労連委員長、中辻全造幣委員長、宇野税関労組委員長、蜂巣国公総連副委員長、荒川全印刷副委員長、加藤国交職組書記長、吉澤公務労協事務局長が参加した。
 冒頭、河田副議長が行革・雇用問題連絡会議を代表する立場で「11月19日に、@法人見直しにあたっての基本的な考え方、A具体的な課題としての天下り、官製談合、情報公開など、B見直しに伴う雇用問題、Cわれわれとの交渉、協議について申し入れを行った。24日には独立行政法人整理合理化計画が閣議決定の予定とのことであるので、閣議決定に向けた最終的な大臣の見解を伺いたい。とくに、雇用の承継について、改めて政府に責任があることを明確にしていただきたいし、これまでの配置転換の経験からも容易ではない問題であることから、横断的な雇用確保について、制度的・機構的に措置するとともに、見直しの具体化にあたっては公務労協との十分な交渉・協議、合意に基づき行うことについて明らかにしていただきたい」と要請したのに対し、渡辺大臣は次の通り答えた。

(1) この前に承った要請の中に、国の機関に戻すべきものもあるのではないかという話があったが、戻すためにはその合理性と国民の説得が必要であり、今回はそういうものはなかった。
(2) 天下りの問題については、国公法の議論の中で進めており、官民人材交流センターの制度設計に関する懇談会でも、わたり・あっせんは即時禁止するという報告を出したところだ。独法からの天下りについては、例えばUR(都市再生機構)では随意契約廃止を盛り込む。独法からの天下りはやらせないということが大事だ。
(3) 雇用の確保については、たとえば緑資源機構について農林水産省には生首を切るのではなく、食品安全など仕事が拡大していく分野があるので配置転換の努力をしながら、必要分野に重点化していくことを考えたらどうかということを提案した。農水大臣の話では大体めどがついたということだ。また、受け皿法人の方には5%純減の一律適用は行わないことを念頭に計画を作っている。こうしたことが、ご指摘の横断的な雇用確保につながると思う。

 渡辺大臣の見解に対し、河田副議長は、次の通り、雇用を確保するよう重ねて要請を行った。
(1) 独法ができて6年になり、この間、職員が持つ技術力で頑張ってきたが、見直しに当たって、事務や事業のあり方についての精査や組合との話し合いが不十分であったことに、遺憾の意を表明する。今後、どう進めていくかという具体的な話が大事だし、それぞれの独法職員に理解される工夫が必要だ。
(2) トータルな雇用の確保について、渡辺大臣とわれわれの間で一致して取り組めるよう、公務労協と十分に話し合い、担当大臣として雇用確保に責任を持っていただきたい。閣議決定に当たってはその旨を明確にしてほしい。

 要請に対し、渡辺大臣が「雇用確保については、各省大臣に、受け入れ側を含めて努力するよう言っておいたし、閣議前にもその旨申し渡しておく。計画の中にしっかり書くのでご理解願いたい。公務労協とは、今後も扉を開いて話し合って参りたい」と答えたことから、これを確認し交渉を締めくくった。

 なお、公務労協では、12時から行革・雇用問題対策会議を開催し、昨日の行政減量・効率化有識者会議の状況について逢見委員(連合副事務局長)から報告を受けるとともに、渡辺大臣との交渉内容を確認し、今後とも連合と連携した取組みを進めることや当該の労使間で十分な協議を行いながら対応していくことなどを意思統一した。